今回の旅の主目的であるカミーノ・デ・サンティアーゴ(サンティアゴ巡礼路)の試し歩きを実行。行程はLeónレオンからVilladangos del Páramoまでの約22km、5時間半の予定。

朝10時に出発。泊っているパラドIMGP5239ールの前が巡DSC01055礼路で、出て右のBernesga川を渡ってほぼ真っ直ぐな道。巡礼路を示す標示や黄色いペンキで記された矢印が随所にあDSC01058るので、地図DSC01066やGPSナビゲーションがなくても迷うことはなさそうだ。DSC01075標示にはDSC01067何種類かあり、道路標

DSC01093のようなもの、標石、道路に埋め込まれた帆立貝のプレート、ペンキの矢印。

リュックを担いだ巡礼者を幾組か見かけ、それ以上に自転車での巡礼者がこの日だけでおそらく合計数十人私たちを追い抜いて行った。私たちも同方向に歩いているのだから出会う歩行巡礼者がそんなに多くないのは当然。Leónの市街地を抜けると道路に埋め込まれたプレートはなくなる。道は国道120号線に沿って続き、畑や草地の間を緩やかな丘を越えながら続く。

インターチェンジがあるため、そこを巡礼路は迂回するため遠回りしている。

1時間ほど歩いたところでBarで休憩。巡礼者が数人休んでいる。甲州街道はもちろん、東海道を歩いた時も休憩場所がなくて困ることが多かった。その点スペインでは、集落があれば間違いなくBarがあるので助かる。一方、コンビニや自動販売機は全くないが。

小さな集落を抜けると道はまた畑や草地の中IMGP5274。あちこちの耕作放棄農園が売りに出ている。巡礼路に並木を植えてあるのだが、まだひょろひょろのよわよわしいもので、枯れてしまったものも見かけられる。今日から真夏の気候になって強い日差しが照りつけているので、なおさら並木の成長が待たれるのだが、心もとない。

再び1時間ほど歩いて休憩。今度は巡礼路から十数メートル横道に逸れたところ。地元のお爺さんが2人静かに座っている。

Leónの町外れにもあったが、荒れ果IMGP5270てた畑DSC01121地の中に放棄された半地下住居が何軒もある。一軒だけ入口ドアがなくなっているのがあったので入ってみる。奥行きは10m以上あり、通路の両側に小部屋が並んでいるようなつくり。最後は物置になっていたようで、ガラクタやゴミが散乱している。

しばらく集落はなく、道はほとんど国道わきに土の道で続いている。国道の歩道という感じではなく、数メートル離れているので大型トラックやバスが通り過ぎても風圧や恐怖を感じることはない。

昼食時を少し過ぎて今日の目的地、Villadangos del Páramoの村外れに着く。ホテルとオスタルが並んでいて、オスタルのレストランには「Menú del Día + Ducha」の表示があってトラックが何台も止まっている。長距離トラック運転手のための店のようだ。傍のロータリーにバス停がある。Turismoで教えられたバス時刻表とネットで調べたバス停の位置からすると、ここがLeón行きのバス停らしいが、時刻表もバス停名も何の表示もない。

少し先に進んだレストランで昼食。客は誰もいなかったが食事は可能だとのことで助かっDSC01129た。典型的DSC01132なMenú del Día。私はミックスサラダと骨付き牛のステーキ。AmDSC01131eliaはスープとDSC01133豚肉ステーキ。デザートはアイスクリーム。コーヒーまでついて一人10€。会計を済ませる時にレオン行きのバス停を尋ねると、やはり先ほどの場所。

少し早目だったがバス停で待つことにする。ちょうど少年が一人やってきてバス停に座り、間もなくおばさんも一人やってきて少年と話しながらバスを待つ。定刻より5分ほど早くバスがやってくる。中距離バスのようで、空席は少ないが、幸い並んで座れた。途中何か所かで少数の客の乗降があり、後で地図で見てみたらパラドールの近くだったバス停で半分ほどが降り、レオンのバスステーションに到着。

パラドールに戻ってシャワーを浴び、休憩。乾燥しているので汗はかかないが、日焼け止めを塗っていたにもかかわらず特に左腕が赤く焼けてしまった。シャワーで痛さを感じるほどではなかったが。

18時からユーロカップ2012の準々決勝、スペイン対フランスのテレビ放送がはじまる。キックオフは20時30分。疲れたので街のBarまで見に行こうかどうか迷ったが、前半1対0でスペインがリードとなり、部屋でテレビを見ていても物足りないので、ハーフタイムに出かける。橋を渡ってすぐのBarで、たくさん集まってテレビ観戦しているのに何故かテレビの前の特等席だけが空いているのを見つけた。細身のカマレロが踊るように飛ぶように客の注文をさばいている。コーラとカーニャを頼むとピンチョスとしてパタータス・アル・アリオリと小さなサンドイッチがついてくる。ちょうど夕食代わりになって良い。客はオジサンや家族連れがほとんどで、スポーツバーのような激しい熱気はない。何度かチャンスを逃すと失望の声や大きなため息が上がるが、スペインがリードしているためか余裕がある。終了が近づいてスペインが時間稼ぎをはじめたかなと思った時にチャンスが訪れてPKを獲得すると一気に盛り上がり、シャビ・アロンソがPKを決めると大喝采。その後も子供たちはOtro, otro!(もう一点、もう一点)と叫んでいた。試合が終了すると拍手。しかしほとんどの客は間もなく席を立って行った。

私たちも店を出て中心街に向かう。中心に近付くと大勢の人波。なかにはスペDSC01138インチームのユニフォームを着たり旗を持ったりしている人もいるが、そんなに多くはない。クラクションを鳴らして走り回る車も非常に少ない。中心の広場にまでくると何台かの車がクラクションを鳴らして走り過ぎているが、ポルトガルのアベイロでのような大DSC01141騒ぎにはならない。優勝候補のスペインにとっては準々決勝の勝利は当然のことに過ぎないのか、レオンの人々がサッカーに関心が薄いのか、ちょうどSan Juanの祭の最中なのでそちらが優先なのか。

人波の流れに乗ってカテドラルからサン・イシドロ修道DSC01147院の方に進むと、修道院前の広場にたくさんの人が集まっている。修道院の壁をイルミネーションで照らしながら音楽を流している。残念ながら私たちが到着して数分で終わってしまった。解散した人々の多くがパラドールの方に流れて行くので一緒に進むと、パラドールの向こう側から花火がDSC01156打ち上げられはじめる。結構凝った花火が大量に上げられ、大きな花火では大音響が石造りの建物の壁に反射して強い音圧が襲ってくる。0時までの30分間続いた。

昼間は巡礼路を20km以上歩き、夜はまた街中を歩きまわって少々疲れたが、充実した一日だった。

por Andrés

Andres y Amelia海外旅行今回の旅の主目的であるカミーノ・デ・サンティアーゴ(サンティアゴ巡礼路)の試し歩きを実行。行程はLeónレオンからVilladangos del Páramoまでの約22km、5時間半の予定。 朝10時に出発。泊っているパラドールの前が巡礼路で、出て右のBernesga川を渡ってほぼ真っ直ぐな道。巡礼路を示す標示や黄色いペンキで記された矢印が随所にあるので、地図やGPSナビゲーションがなくても迷うことはなさそうだ。標示には何種類かあり、道路標 識のようなもの、標石、道路に埋め込まれた帆立貝のプレート、ペンキの矢印。 リュックを担いだ巡礼者を幾組か見かけ、それ以上に自転車での巡礼者がこの日だけでおそらく合計数十人私たちを追い抜いて行った。私たちも同方向に歩いているのだから出会う歩行巡礼者がそんなに多くないのは当然。Leónの市街地を抜けると道路に埋め込まれたプレートはなくなる。道は国道120号線に沿って続き、畑や草地の間を緩やかな丘を越えながら続く。 インターチェンジがあるため、そこを巡礼路は迂回するため遠回りしている。 1時間ほど歩いたところでBarで休憩。巡礼者が数人休んでいる。甲州街道はもちろん、東海道を歩いた時も休憩場所がなくて困ることが多かった。その点スペインでは、集落があれば間違いなくBarがあるので助かる。一方、コンビニや自動販売機は全くないが。 小さな集落を抜けると道はまた畑や草地の中。あちこちの耕作放棄農園が売りに出ている。巡礼路に並木を植えてあるのだが、まだひょろひょろのよわよわしいもので、枯れてしまったものも見かけられる。今日から真夏の気候になって強い日差しが照りつけているので、なおさら並木の成長が待たれるのだが、心もとない。 再び1時間ほど歩いて休憩。今度は巡礼路から十数メートル横道に逸れたところ。地元のお爺さんが2人静かに座っている。 Leónの町外れにもあったが、荒れ果てた畑地の中に放棄された半地下住居が何軒もある。一軒だけ入口ドアがなくなっているのがあったので入ってみる。奥行きは10m以上あり、通路の両側に小部屋が並んでいるようなつくり。最後は物置になっていたようで、ガラクタやゴミが散乱している。 しばらく集落はなく、道はほとんど国道わきに土の道で続いている。国道の歩道という感じではなく、数メートル離れているので大型トラックやバスが通り過ぎても風圧や恐怖を感じることはない。 昼食時を少し過ぎて今日の目的地、Villadangos del Páramoの村外れに着く。ホテルとオスタルが並んでいて、オスタルのレストランには「Menú del Día + Ducha」の表示があってトラックが何台も止まっている。長距離トラック運転手のための店のようだ。傍のロータリーにバス停がある。Turismoで教えられたバス時刻表とネットで調べたバス停の位置からすると、ここがLeón行きのバス停らしいが、時刻表もバス停名も何の表示もない。 少し先に進んだレストランで昼食。客は誰もいなかったが食事は可能だとのことで助かった。典型的なMenú del Día。私はミックスサラダと骨付き牛のステーキ。Ameliaはスープと豚肉ステーキ。デザートはアイスクリーム。コーヒーまでついて一人10€。会計を済ませる時にレオン行きのバス停を尋ねると、やはり先ほどの場所。 少し早目だったがバス停で待つことにする。ちょうど少年が一人やってきてバス停に座り、間もなくおばさんも一人やってきて少年と話しながらバスを待つ。定刻より5分ほど早くバスがやってくる。中距離バスのようで、空席は少ないが、幸い並んで座れた。途中何か所かで少数の客の乗降があり、後で地図で見てみたらパラドールの近くだったバス停で半分ほどが降り、レオンのバスステーションに到着。 パラドールに戻ってシャワーを浴び、休憩。乾燥しているので汗はかかないが、日焼け止めを塗っていたにもかかわらず特に左腕が赤く焼けてしまった。シャワーで痛さを感じるほどではなかったが。 18時からユーロカップ2012の準々決勝、スペイン対フランスのテレビ放送がはじまる。キックオフは20時30分。疲れたので街のBarまで見に行こうかどうか迷ったが、前半1対0でスペインがリードとなり、部屋でテレビを見ていても物足りないので、ハーフタイムに出かける。橋を渡ってすぐのBarで、たくさん集まってテレビ観戦しているのに何故かテレビの前の特等席だけが空いているのを見つけた。細身のカマレロが踊るように飛ぶように客の注文をさばいている。コーラとカーニャを頼むとピンチョスとしてパタータス・アル・アリオリと小さなサンドイッチがついてくる。ちょうど夕食代わりになって良い。客はオジサンや家族連れがほとんどで、スポーツバーのような激しい熱気はない。何度かチャンスを逃すと失望の声や大きなため息が上がるが、スペインがリードしているためか余裕がある。終了が近づいてスペインが時間稼ぎをはじめたかなと思った時にチャンスが訪れてPKを獲得すると一気に盛り上がり、シャビ・アロンソがPKを決めると大喝采。その後も子供たちはOtro, otro!(もう一点、もう一点)と叫んでいた。試合が終了すると拍手。しかしほとんどの客は間もなく席を立って行った。 私たちも店を出て中心街に向かう。中心に近付くと大勢の人波。なかにはスペインチームのユニフォームを着たり旗を持ったりしている人もいるが、そんなに多くはない。クラクションを鳴らして走り回る車も非常に少ない。中心の広場にまでくると何台かの車がクラクションを鳴らして走り過ぎているが、ポルトガルのアベイロでのような大騒ぎにはならない。優勝候補のスペインにとっては準々決勝の勝利は当然のことに過ぎないのか、レオンの人々がサッカーに関心が薄いのか、ちょうどSan Juanの祭の最中なのでそちらが優先なのか。 人波の流れに乗ってカテドラルからサン・イシドロ修道院の方に進むと、修道院前の広場にたくさんの人が集まっている。修道院の壁をイルミネーションで照らしながら音楽を流している。残念ながら私たちが到着して数分で終わってしまった。解散した人々の多くがパラドールの方に流れて行くので一緒に進むと、パラドールの向こう側から花火が打ち上げられはじめる。結構凝った花火が大量に上げられ、大きな花火では大音響が石造りの建物の壁に反射して強い音圧が襲ってくる。0時までの30分間続いた。 昼間は巡礼路を20km以上歩き、夜はまた街中を歩きまわって少々疲れたが、充実した一日だった。 por...退職者夫婦の旅と日常(スペイン・旅・留学・巡礼・映画・思索・本・・・)