衆議院総選挙は各種メディアが予想していた通りの結果となり、番狂わせと言えるようなものはなかった。だからこそ一点だけ再度指摘しておきたい。

沖縄選挙区の結果だ。四つの選挙区すべてで自民党公認候補が敗れ、辺野古基地建設反対派が勝った。ここに示された沖縄の意思を安倍政権は今後も無視し続けるのだろうか。

4年前の県知事選挙で自民党の支持した仲井真氏が当選したが、その際に仲井真氏は県外移設を公約に掲げていた。そして1年前にその公約を反故にして安倍自民党政権の辺野古基地建設方針を受け入れた。2年前の総選挙で沖縄4選挙区で自民党公認候補が当選したが、その際に彼らは県外移設を公約に掲げていた。そして安倍自民党執行部は彼らに公約を反故にして党本部の方針を受け入れさせた。

名護市長選挙で、安倍自民党政権が札束で名護市民の頬をひっぱたいたが、市民は辺野古基地建設反対派の稲嶺氏を市長に選んだ。

先月の沖縄県知事選挙で、安倍自民党政権はUSJ誘致などのニンジンをぶら下げて現職の仲井真氏を推したが、県民は辺野古基地建設反対派の翁長氏を知事に選んだ。

そして今回の総選挙。

この4年間、あるいは2年間に二つのことが明らかになっている。

一つは沖縄県民は辺野古基地建設に一貫して明確に反対だということ。

もう一つは自民党は一貫して明確にペテンを弄しているということだ。そして本土の日本人はこのようなペテン師集団の安倍自民党政権を支持したということだ。

物分かりのいい言い方をすると、複雑な政治世界では民意に反する政策をとらざるを得ないこともあるというのは理解できなくはない。だが、安倍たちのやっているのはそんなレベルのことではない。「辺野古基地建設推進」という政策にもちろん私は反対だが、そういう政策を自民党が掲げることを否定する気はない。しかし自民党は「辺野古基地建設推進」という政策を維持したままで「辺野古基地反対」を公約する候補を公認し、選挙後に翻させた。これはペテン以外の何物でもない。だからこそ沖縄県民は自民党支持者も含めて、選挙区で自民党候補を敗北させたのだ。一方、本土の日本人はペテン政党を主とする与党に三分の二以上の議席を与え、安倍政権に全権を白紙委任した。

ここからもたらされる事態の責任は安倍自民党と公明党に投票した者たちが負わなければならない。「不甲斐ない野党」や半数近い棄権した人々、また対抗勢力をつくりえなかった私たちに責任がないとは言わないが、「みんなが悪い」と一億総懺悔で責任の所在をあいまいにすることは歴史の愚行の反復でしかない。

とは言うものの、これまでと同様、これからもだれも責任を取らずに愚行が繰り返されてゆくのだろうと悲観的になってしまう今日この頃だ。

por Andrés

Andres y Amelia政治・経済・国際衆議院総選挙は各種メディアが予想していた通りの結果となり、番狂わせと言えるようなものはなかった。だからこそ一点だけ再度指摘しておきたい。 沖縄選挙区の結果だ。四つの選挙区すべてで自民党公認候補が敗れ、辺野古基地建設反対派が勝った。ここに示された沖縄の意思を安倍政権は今後も無視し続けるのだろうか。 4年前の県知事選挙で自民党の支持した仲井真氏が当選したが、その際に仲井真氏は県外移設を公約に掲げていた。そして1年前にその公約を反故にして安倍自民党政権の辺野古基地建設方針を受け入れた。2年前の総選挙で沖縄4選挙区で自民党公認候補が当選したが、その際に彼らは県外移設を公約に掲げていた。そして安倍自民党執行部は彼らに公約を反故にして党本部の方針を受け入れさせた。 名護市長選挙で、安倍自民党政権が札束で名護市民の頬をひっぱたいたが、市民は辺野古基地建設反対派の稲嶺氏を市長に選んだ。 先月の沖縄県知事選挙で、安倍自民党政権はUSJ誘致などのニンジンをぶら下げて現職の仲井真氏を推したが、県民は辺野古基地建設反対派の翁長氏を知事に選んだ。 そして今回の総選挙。 この4年間、あるいは2年間に二つのことが明らかになっている。 一つは沖縄県民は辺野古基地建設に一貫して明確に反対だということ。 もう一つは自民党は一貫して明確にペテンを弄しているということだ。そして本土の日本人はこのようなペテン師集団の安倍自民党政権を支持したということだ。 物分かりのいい言い方をすると、複雑な政治世界では民意に反する政策をとらざるを得ないこともあるというのは理解できなくはない。だが、安倍たちのやっているのはそんなレベルのことではない。「辺野古基地建設推進」という政策にもちろん私は反対だが、そういう政策を自民党が掲げることを否定する気はない。しかし自民党は「辺野古基地建設推進」という政策を維持したままで「辺野古基地反対」を公約する候補を公認し、選挙後に翻させた。これはペテン以外の何物でもない。だからこそ沖縄県民は自民党支持者も含めて、選挙区で自民党候補を敗北させたのだ。一方、本土の日本人はペテン政党を主とする与党に三分の二以上の議席を与え、安倍政権に全権を白紙委任した。 ここからもたらされる事態の責任は安倍自民党と公明党に投票した者たちが負わなければならない。「不甲斐ない野党」や半数近い棄権した人々、また対抗勢力をつくりえなかった私たちに責任がないとは言わないが、「みんなが悪い」と一億総懺悔で責任の所在をあいまいにすることは歴史の愚行の反復でしかない。 とは言うものの、これまでと同様、これからもだれも責任を取らずに愚行が繰り返されてゆくのだろうと悲観的になってしまう今日この頃だ。 por Andrés退職者夫婦の旅と日常(スペイン・旅・留学・巡礼・映画・思索・本・・・)