合計距離: 22193 m
最高点の標高: 1342 m
最低点の標高: 673 m
累積標高(上り): 706 m
累積標高(下り): -1336 m
総所要時間: 00:06:38

黒雲も残る朝
黒雲も残る朝

久しぶりに雨が降っていない。空は一部に青空がのぞいているが、黒雲も少しありどうなるか予測できない。天気予報にはO CebreiroはないのでTriacastelaで調べると、曇りで雨の予報は出ていない。
昨夜はずっとお腹が張ってトイレに行ってもガスばかり出て、その時には楽になるが、すぐにまたお腹が張ると言うことの繰り返し。ベッドに入っても始終ガスが出ていた。朝起きるとだいぶ楽になっていて、お腹が空いた感触もあり、トイレを済ませるとすっかり回復したような感じ。
一方Ameliaは、昨夜は元気になりかけていたのに今朝はまた調子が悪く下痢。
朝食は下のBarで、TostadaとAmeliaはTé、私はCafé con leche。しかしAmeliaはパン一切れの柔らかい部分を食べるのがやっと。とても今日の行程約22kmは歩けそうにない。宿の人に下痢だが薬はないかと尋ねると、TriacastelaのFarmacia(薬局)へ行くようにとのこと。ミネラルウォーターとレモンを持ってきてくれたが、アクエリアスを持っているからと断る。12時までは部屋を使えるそうなので、それまでAmeliaは休んでタクシーを呼んでもらうことにする。
私は9時過ぎに出発。念のためリュックにカバーをかける。ポンチョは着ないで、代わりに上着を一枚重ね着。手袋はなくても困らない程度の寒さ。O Cebreiroは10月末では寒いと考えてダウンジャケットも持ってきていたのだが、杞憂だった。しかし風が非常に強く、時には歩いていてふらつくほど。
O Cebreiroの土産物屋
O Cebreiroの土産物屋

O Cebreiroの村は、教会と、あとは宿屋と土産物屋だけ。
O Cebreiroを出発
O Cebreiroを出発
雲も霧もかかっていないので、今日は遠くまで見通せる。
O Cebreiroからの遠景
O Cebreiroからの遠景

昨日は全く視界が効かなかったので、山奥のへき地を歩いているような気がしたが、今日見てみると山奥には違いないものの、森と同じくらい牧草地が広がり、数軒から十数軒といった村とも呼べないほどの集落が数百メートルの間隔で点在している。
Caminoの状態は思ったほど悪くない
Caminoの状態は思ったほど悪くない

Caminoは間もなく土の道になる。昨夜までの雨でどんなにひどい状態になっているかと心配していたが、水たまりや泥道もあるにはあるが、泥が靴底につくこともないし、水たまりや泥に入り込まなけらばならないこともないので、歩くのに特に困難はない。
今日は、広い土の道と舗装道路を少しだけ通ったが、大部分はいつものCamino。林間の道は少なく、牧場の間など見通しの良いところが多い。これだと特に女性はトイレに困るのではないか。
Peregrino像
Peregrino像

出発後1時間ほどでPeregrinoの大きな像。ちょうど先客が写真を撮りあっていたので、私もカメラを出して撮ってもらった。今日の天候通り、風で飛ばされないように帽子を押さえる姿。
Mojón 147km
Mojón 147km

Mojón(道標)は500mおきに置かれているが、今日のところは1kmごとの写真を撮ることにする。このMojón、Santiagoまでの残りの距離を示してくれるので、特に800km近くのところから出発した者にとっては百数十kmとなった今は歩く励みになるが、一方では残り少なさに寂しい思いも出てくる。この数年間、Caminoを歩くことを最大の目的にしてきたので、これが終わったら次は何を目指すのかを考えなければならない。
古びた礼拝堂
古びた礼拝堂

Castillaを歩いていたころと違って次々に集落を通ることになる。そこには大概小さく古びた礼拝堂があるが、すべて閉まっていた。
急峻な上り坂
急峻な上り坂

出発して2時間ほど、上り下りが続いていたが、そんなに長くはないが急峻な上り坂に差し掛かる。
Puerto de PoioのBar
Puerto de PoioのBar

息を切らしながら上るとPuerto de Poio(Poio峠)。Barで休憩。Selloをもらう。O Cebreiroが標高1300ぐらいだったのに、ここは1335。下るばかりだと思っていたら上ったのだ。この先は本当に下る。
Bocadillo con Tortilla FrancesaとKAS Limón
Bocadillo con Tortilla FrancesaとKAS Limón

小さな集落をいくつか過ぎ、Mesón Betulariaで昼食。Bocadillo con Tortilla FrancesaとKAS Limón。Bocadilloはちょっと大きかったが、全部食べられた。もう体調は完全に回復したようだ。
採石場?
採石場?

景色は相変わらず森と牧場。そんな中、採石場らしきところが、そこだけ違和感をまき散らして見えた。
Hórreo
Hórreo

一軒だけ、ガリシア独特の高床式倉庫Hórreoがあった。実用かどうか疑わしいほどかわいらしいものだった。
今日の目的地Triacastelaまであと2kmほどのところで町が見えてきた。雨がぽつぽつ落ちてきたので、本降りにならないうちにと歩を速めたが、幸い間もなく止んだ。
栗の巨木
栗の巨木
栗の巨木の説明
栗の巨木の説明

町の手前に栗の巨木。樹齢800年、直径2.7m、周囲8.5m。「1000年栗」。杉などが長寿なのは珍しくないが、栗がこんなにとは知らなかった。
Triacastelaに着いて、予約してありAmeliaが着いているはずの宿Complexo Xacobeoを探す。予約サイトではビジネスホテルとなっていて、この小さな町にビジネスホテルとはと不思議だったのだが、行き着いてみるとAlbergueと同じ建物。入るとラウンジでAmeliaは日記を書いていた。体調はひどくなさそう。Farmaciaで胃腸薬とアクエリアスのようなものをつくる粉薬を買ってきたそうだ。
部屋は新しく清潔。3人部屋で、宿の人はもう一人来るかと思ったそうだが、Booking.comでこの部屋しか空きがないと表示されたと言うと、大丈夫だと言って部屋代は2人部屋の料金40ユーロにしてくれた。3人だと55なのだが。
シャワーを浴びてから買い物に行く。Ameliaも体調が回復してきたようなので、一緒に出掛ける。
多くの人が墓参に
多くの人が墓参に

教会に行くが、閉まっている。ここの教会は墓地の中にあり、墓地には何人もが花を持って訪れている。明後日が諸聖人の日だからだろう、多くの墓に花が置かれている。
スーパーで買い物。Farmaciaで、食べるのはバナナ、ヨーグルト、お米を軟らかく煮て塩味で、つまりお粥が良いと言われたそう。宿の台所が使えるのでお粥をと思ったが、お米1袋が多すぎる。結局、バナナ、ヨーグルト、インスタントスープ、ミネラルウォーターを買う。
宿に戻ってAmeliaはインスタントスープを指定以上の時間をかけて柔らかく煮て食べる。カップ1杯食べられたので少し安心。
別棟のレストラン
別棟のレストラン

私の夕食は、この宿の別棟にあるレストランが美味しいと言うので、そこにする。Ameliaはスープだけ。私はMenú del Díaで一皿目はEnsalada mixta、二皿目はLomo a la Plancha。
Ensalada mixta
Ensalada mixta

サラダは新鮮で盛り付けもきれい。ピーマンは生ではなく焼いて皮をむいたもの。量が多いのでとても食べきれない。Lomoも美味しい。肉は多かったが全部食べてしまった。
Queso de O Cebreiro con Miel
Queso de O Cebreiro con Miel

デザートはQueso de O Cebreiro con Miel。セブレイロのチーズにハチミツをかけたもの。チーズは癖がなくモッツァレラよりさらにあっさりしたもの。とてもおいしい。ワインは1本、栓を抜いてくれる。このMenúで10ユーロは安い。Ameliaはやはりスープを食べきれず、8割がた残す。
このレストランに日本人3人組がいた。一人は宿で見かけた青年。あとの二人は女性。食事を終えて青年が帰るときに声をかける。彼はSaint Jeanからで今日で20日目だそうだ。さすがに若く速い。スペイン語はまるでだめでスペインも初めてだが、uno, éste, Dóndeで何とかやっているそうだ。たくましく感じのよい青年だった。しばらくして女性のうちの一人が通りかかって話す。彼女は仕事を辞めてきたがSaint Jeanからだとこの辺りが冬になって厳しそうなのでBurgosから出発したそうだ。Albergueが基本で2度ほどは息抜きにホテル。昨日今日で日本人に何人か会ったそうで、この辺に今は日本人がたまっている模様。私たちが日本人に会うのはSan Zoilo以来半月ぶり。健康を願って別れる。
明日はAmeliaの体調を考えて10km先のSamos泊まりとする。Sarriaに2泊するつもりだったので、日程的には変化なし。しかし日本人やこの二日間顔なじみになった高齢者グループとはおそらくお別れだろう。
今夜は暖房がよく効いている。明日も雨にならなければよいが。
por Andrés
Andrésフランス人の道 Camino FrancésCamino,Francés,Santiago,サンティアゴ,フランス人の道,巡礼久しぶりに雨が降っていない。空は一部に青空がのぞいているが、黒雲も少しありどうなるか予測できない。天気予報にはO CebreiroはないのでTriacastelaで調べると、曇りで雨の予報は出ていない。 昨夜はずっとお腹が張ってトイレに行ってもガスばかり出て、その時には楽になるが、すぐにまたお腹が張ると言うことの繰り返し。ベッドに入っても始終ガスが出ていた。朝起きるとだいぶ楽になっていて、お腹が空いた感触もあり、トイレを済ませるとすっかり回復したような感じ。 一方Ameliaは、昨夜は元気になりかけていたのに今朝はまた調子が悪く下痢。 朝食は下のBarで、TostadaとAmeliaはTé、私はCafé con leche。しかしAmeliaはパン一切れの柔らかい部分を食べるのがやっと。とても今日の行程約22kmは歩けそうにない。宿の人に下痢だが薬はないかと尋ねると、TriacastelaのFarmacia(薬局)へ行くようにとのこと。ミネラルウォーターとレモンを持ってきてくれたが、アクエリアスを持っているからと断る。12時までは部屋を使えるそうなので、それまでAmeliaは休んでタクシーを呼んでもらうことにする。 私は9時過ぎに出発。念のためリュックにカバーをかける。ポンチョは着ないで、代わりに上着を一枚重ね着。手袋はなくても困らない程度の寒さ。O Cebreiroは10月末では寒いと考えてダウンジャケットも持ってきていたのだが、杞憂だった。しかし風が非常に強く、時には歩いていてふらつくほど。 O Cebreiroの村は、教会と、あとは宿屋と土産物屋だけ。 雲も霧もかかっていないので、今日は遠くまで見通せる。 昨日は全く視界が効かなかったので、山奥のへき地を歩いているような気がしたが、今日見てみると山奥には違いないものの、森と同じくらい牧草地が広がり、数軒から十数軒といった村とも呼べないほどの集落が数百メートルの間隔で点在している。 Caminoは間もなく土の道になる。昨夜までの雨でどんなにひどい状態になっているかと心配していたが、水たまりや泥道もあるにはあるが、泥が靴底につくこともないし、水たまりや泥に入り込まなけらばならないこともないので、歩くのに特に困難はない。 今日は、広い土の道と舗装道路を少しだけ通ったが、大部分はいつものCamino。林間の道は少なく、牧場の間など見通しの良いところが多い。これだと特に女性はトイレに困るのではないか。 出発後1時間ほどでPeregrinoの大きな像。ちょうど先客が写真を撮りあっていたので、私もカメラを出して撮ってもらった。今日の天候通り、風で飛ばされないように帽子を押さえる姿。 Mojón(道標)は500mおきに置かれているが、今日のところは1kmごとの写真を撮ることにする。このMojón、Santiagoまでの残りの距離を示してくれるので、特に800km近くのところから出発した者にとっては百数十kmとなった今は歩く励みになるが、一方では残り少なさに寂しい思いも出てくる。この数年間、Caminoを歩くことを最大の目的にしてきたので、これが終わったら次は何を目指すのかを考えなければならない。 Castillaを歩いていたころと違って次々に集落を通ることになる。そこには大概小さく古びた礼拝堂があるが、すべて閉まっていた。 出発して2時間ほど、上り下りが続いていたが、そんなに長くはないが急峻な上り坂に差し掛かる。 息を切らしながら上るとPuerto de Poio(Poio峠)。Barで休憩。Selloをもらう。O Cebreiroが標高1300ぐらいだったのに、ここは1335。下るばかりだと思っていたら上ったのだ。この先は本当に下る。 小さな集落をいくつか過ぎ、Mesón Betulariaで昼食。Bocadillo con Tortilla FrancesaとKAS Limón。Bocadilloはちょっと大きかったが、全部食べられた。もう体調は完全に回復したようだ。 景色は相変わらず森と牧場。そんな中、採石場らしきところが、そこだけ違和感をまき散らして見えた。 一軒だけ、ガリシア独特の高床式倉庫Hórreoがあった。実用かどうか疑わしいほどかわいらしいものだった。 今日の目的地Triacastelaまであと2kmほどのところで町が見えてきた。雨がぽつぽつ落ちてきたので、本降りにならないうちにと歩を速めたが、幸い間もなく止んだ。 町の手前に栗の巨木。樹齢800年、直径2.7m、周囲8.5m。「1000年栗」。杉などが長寿なのは珍しくないが、栗がこんなにとは知らなかった。 Triacastelaに着いて、予約してありAmeliaが着いているはずの宿Complexo Xacobeoを探す。予約サイトではビジネスホテルとなっていて、この小さな町にビジネスホテルとはと不思議だったのだが、行き着いてみるとAlbergueと同じ建物。入るとラウンジでAmeliaは日記を書いていた。体調はひどくなさそう。Farmaciaで胃腸薬とアクエリアスのようなものをつくる粉薬を買ってきたそうだ。 部屋は新しく清潔。3人部屋で、宿の人はもう一人来るかと思ったそうだが、Booking.comでこの部屋しか空きがないと表示されたと言うと、大丈夫だと言って部屋代は2人部屋の料金40ユーロにしてくれた。3人だと55なのだが。 シャワーを浴びてから買い物に行く。Ameliaも体調が回復してきたようなので、一緒に出掛ける。 教会に行くが、閉まっている。ここの教会は墓地の中にあり、墓地には何人もが花を持って訪れている。明後日が諸聖人の日だからだろう、多くの墓に花が置かれている。 スーパーで買い物。Farmaciaで、食べるのはバナナ、ヨーグルト、お米を軟らかく煮て塩味で、つまりお粥が良いと言われたそう。宿の台所が使えるのでお粥をと思ったが、お米1袋が多すぎる。結局、バナナ、ヨーグルト、インスタントスープ、ミネラルウォーターを買う。 宿に戻ってAmeliaはインスタントスープを指定以上の時間をかけて柔らかく煮て食べる。カップ1杯食べられたので少し安心。 私の夕食は、この宿の別棟にあるレストランが美味しいと言うので、そこにする。Ameliaはスープだけ。私はMenú del Díaで一皿目はEnsalada mixta、二皿目はLomo a la Plancha。 サラダは新鮮で盛り付けもきれい。ピーマンは生ではなく焼いて皮をむいたもの。量が多いのでとても食べきれない。Lomoも美味しい。肉は多かったが全部食べてしまった。 デザートはQueso de O Cebreiro con Miel。セブレイロのチーズにハチミツをかけたもの。チーズは癖がなくモッツァレラよりさらにあっさりしたもの。とてもおいしい。ワインは1本、栓を抜いてくれる。このMenúで10ユーロは安い。Ameliaはやはりスープを食べきれず、8割がた残す。 このレストランに日本人3人組がいた。一人は宿で見かけた青年。あとの二人は女性。食事を終えて青年が帰るときに声をかける。彼はSaint Jeanからで今日で20日目だそうだ。さすがに若く速い。スペイン語はまるでだめでスペインも初めてだが、uno, éste, Dóndeで何とかやっているそうだ。たくましく感じのよい青年だった。しばらくして女性のうちの一人が通りかかって話す。彼女は仕事を辞めてきたがSaint Jeanからだとこの辺りが冬になって厳しそうなのでBurgosから出発したそうだ。Albergueが基本で2度ほどは息抜きにホテル。昨日今日で日本人に何人か会ったそうで、この辺に今は日本人がたまっている模様。私たちが日本人に会うのはSan Zoilo以来半月ぶり。健康を願って別れる。 明日はAmeliaの体調を考えて10km先のSamos泊まりとする。Sarriaに2泊するつもりだったので、日程的には変化なし。しかし日本人やこの二日間顔なじみになった高齢者グループとはおそらくお別れだろう。 今夜は暖房がよく効いている。明日も雨にならなければよいが。 por Andrés退職者夫婦の旅と日常(スペイン・旅・留学・巡礼・映画・思索・本・・・)