7時起床。

clip_image001朝から快晴。気温は低め。

中心街のパン屋さんで朝食。

clip_image002いつものクロワッサン、Café con lecheと角の生えた(?)クロワッサンにChocolate。角は香ばしく甘いチョコレートに合う。

PB242548奥の中庭ではハトも朝食中。

ロマンチック美術館を見てから電車に乗ってカザルスゆかりの地を巡る予定だったが、美術館は閉館中。予定の1本前の電車に乗れそうなので駅に急ぐ。無事に10時14分発の電車に乗れた。しかしこれが今日の行程の最後で悲劇を生むことに。

10時42分にSt. VicenÇ de Calders駅に到着。当初の予定ではここでR4に乗り換えて隣のEl Vendrell駅に行くつもりだったが、1本早い電車で来たのでR4の電車までは30分以上待たなければならない。そこでEl Vendrellの方は後回しにして、ここで降りてSant SalvadorのMuseu Pau Casalsに向かう。

clip_image004駅の出口は、町の中心がありSant Salvadorもあるのとは反対側しかない。駅から2~3分なのにこんな様子。

clip_image00510分ほど歩いて線路の反対側に出ると、新しい住宅やリゾート住宅などが立ち並ぶ地区になる。

clip_image006駅から30分ほどで浜辺に面したMuseu Pau Casals(カザルス記念館)に到着。

ここはカザルスが亡命するまで使っていた別荘。

clip_image007内部は撮影禁止になっている。カザルスの生涯をたどる遺品などが展示され、国連でのスピーチや「鳥の歌」の演奏を映像で流している。彼の独裁に反対し自由や平和を求めた人生がよく伝わってくる。

clip_image008広い中庭があり、

clip_image0092階から見ると遊歩道と砂浜を隔てて地中海が広がっている。カザルスは毎夏ここで過ごしたそうだが、海の間近な家で、チェロは大丈夫だったのだろうか。

clip_image010海の反対側の道路を隔てた向かいにAuditori Pau Casals(カザルス・ホール)がある。発表会でも終わったのか、子ども連れの人々が出てくるところだった。

再び海岸に出て遊歩道を少し歩き、昼食。

clip_image011Casinet。外見はどうということもない田舎のレストラン。空いているので砂浜のテント内の席を頼むと、予約で一杯とのこと。店内はというと、そこも予約で埋まっていて、空いているのは入口近くの数テーブルだけ。しかもそこも予約があるので15時までに空けてくれとのこと。13時15分なので私たちには十分な時間。

clip_image012ウエルカムドリンクはパイナップルジュース。

clip_image013clip_image014先ず、ラビオリの蜂蜜かけとオリーブを刻んで魚のすり身と合わせて揚げたものが供される。後者は初めて味わうものでちょっと変わったものだが、美味しい。

clip_image015一皿目はトマトサラダ。普通のトマト、ミニトマト、黒トマトが入っているが、黒トマトも美味しい。

PB242577メインはパエージャ。二人分を一つの鍋に作ってくれるが、大きな鍋に薄くつくるので、おこげをたっぷり食べることができる。最後の方は味が沁みすぎて塩っぱくなってしまったが、先日の作り置きのとは違って美味しかった。

白ワインを二人で1本近く飲み、ほろ酔い気分で店を出る。ここから隣駅のEl Vendrell近くのカザルスの生家に行く。午後の開館が17時なので、5㎞ほどだが歩いて行くことにする。

PB242585町を出ると自動車道路になり、Caminoを歩いていた時の気分になる。

PB242588大きな石ころだらけのブドウ畑。水はけがよいからだろうか。

PB242589El Vendrellの街に入る手前で遊歩道がはじまり、ベンチがあったので座ってしばらく昼寝。心地よく酔いを醒ますことができた。

PB242591街の中心の広場にはカザルス像。

PB242593PB242595カザルスの父親がオルガン奏者を務めていたEsglésia Parroquial del Vendrell(ベンドレイ教会)の前には、カザルス父子の像。

PB242602Barで17時を過ぎるまで時間をつぶし、ガイドブックに受付はCasa Museu Angel Guimeráにあると記載されているので行ってみると、Casa Nadiua Pau Casals(カザルスの生家)へ行くようにとの札が下がっている。

Casa Nadiuaは一軒隔てたところにあった。入ると女性が出てきて、今ここは子供たちが見学中なのでCasa Museu Angel Guimeráを先ず見るようにと言って連れて行ってくれる。館内の展示はカタルーニャ語での説明ばかりだからCastellano(スペイン語)で案内するとのことで、一緒に館内を巡る。

Angel Guimeráについては全く予備知識がなかったが、なかなか興味深いものだった。カタルーニャ語で執筆した詩人・劇作家で、カタルーニャ民族主義運動の主要活動家でもあった。そのためノーベル文学賞の候補に何度もノミネートされたが、スペイン政府の圧力で受賞には至らなかったと言われている。Mar i Cel(海と空)、Terra Baixa(低地)などは映画化されたりオペラ化されたりするとともに、今でも毎年のように演劇、ミュージカル、テレビドラマなどで上演されているそうで、ここでもその一部をビデオで見せてくれた。

案内してくれた女性がそれほどゆっくりというわけではないのだが、分かりやすい発音と語彙で説明してくれたので、おおむね理解することができた。

案内が終わってカザルスの生家に戻るが、まだ子供たちの見学が終わっていないのでBarで少し時間をつぶしてきてほしいとのこと。

PB242604広場には散歩などの人が沢山出てきている。20分ほどして戻ると子どもたちの見学は終わっていて、先ほどとは別のここの担当の女性が案内してくれる。

PB242609カザルスの実家は裕福ではなかったようで、室内は質素な感じ。

PB242610資料類の展示は少なく、カザルスの幼少期の生活を感じ取るのがここの主目的。

PB242613ここは30分ほどで見学を終えた。

PB242616最後にEsglésia Parroquial del Vendrellに戻ってみる。なぜか鐘楼が紫色にライトアップされている。

PB242617ちょうどミサが終わって人々が出てくるところだった。中にはカザルスの父親が、そしてたまにはカザルス自身が弾いたであろうオルガンがある。

他に見るべきものはないが、

PB242619ロマネスク風の聖母子像に祈る姿があった。

ここまでは順調だったが、ここからSitgesに帰り着くまでが大変だった。

El Vendrell駅に向かうが、駅らしい建物はあるが、そこは駅ではなかった。駅の場所をたずねると反対側だからずっと回って行けとのこと。

ガードをくぐって線路の反対側に出ても駅らしきものはない。通りがかりの人にたずねると、ここを通って行けと別のガードの入口まで連れて行ってくれる。

しかし元のところに戻っても金網の向こうにホームは見えるのに入口がない。やっと見つけたのは最初に行った建物の脇にある細い通路。ようやくホームに出られた。

切符を買って待つ。30分ほど待たなければならないが、1時間に1本の路線なので仕方ない。ホームでは寒いので狭い切符売り場で待つ。ところが電光掲示板に出た発車時刻では20分以上の遅れ。1時間近く待たなければならないようだ。ホームでは高校生たちが騒ぎながら待っている。

少し遅れを取り戻して、十数分遅れで電車は来た。

隣のSt. VicenÇ de Calders駅まで乗って、R2線に乗り換えてSitgesに帰るのだが。

電車がSt. VicenÇ de Calders駅に着くと、間もなく別のホームからSitges方面行の電車が発車してしまう。乗り換え客は誰一人乗ることができない。

駅舎に行って時刻表を見ると次は特急でSitgesには停まらず、1時間以上待たなければならない。10分や20分遅れるのは日常茶飯事で、現に私たちが乗ってきた電車は遅れている。その到着を見ていながらさっさと発車してしまったことに腹が立つ。近郊線の電車の外側は落書きだらけだが、こんな運行状況を経験すると私も落書きでもしてやりたくなる。

寒いので構内のBarでコーヒーを飲みながら待つ。ここのCamareraは大きな金切り声で客とやりあったりしてうるさいことこの上ない。さらにトイレに行こうとするともう閉店だからと鍵をかけてしまって使わせてくれない。駅にはここしかトイレはないというのに。

10分ほど遅れてきた電車でようやくSitgesに帰り着くことができた。前の電車が数分発車を遅らせてくれれば1時間以上も待たずに済んだのに。ホテルに帰り着いたのは23時前。疲れた。

/images/2018/12/PB242593-644x430.jpg/images/2018/12/PB242593-150x150.jpgAndrésカタルーニャの道 Camino Catalánスペイン旅行Camino,Catalan,Sant Salvador,Santiago,Vendrell カタルーニャ,カタロニア,サンティアゴ,巡礼7時起床。 朝から快晴。気温は低め。 中心街のパン屋さんで朝食。 いつものクロワッサン、Café con lecheと角の生えた(?)クロワッサンにChocolate。角は香ばしく甘いチョコレートに合う。 奥の中庭ではハトも朝食中。 ロマンチック美術館を見てから電車に乗ってカザルスゆかりの地を巡る予定だったが、美術館は閉館中。予定の1本前の電車に乗れそうなので駅に急ぐ。無事に10時14分発の電車に乗れた。しかしこれが今日の行程の最後で悲劇を生むことに。 10時42分にSt. VicenÇ de Calders駅に到着。当初の予定ではここでR4に乗り換えて隣のEl Vendrell駅に行くつもりだったが、1本早い電車で来たのでR4の電車までは30分以上待たなければならない。そこでEl Vendrellの方は後回しにして、ここで降りてSant SalvadorのMuseu Pau Casalsに向かう。 駅の出口は、町の中心がありSant Salvadorもあるのとは反対側しかない。駅から2~3分なのにこんな様子。 10分ほど歩いて線路の反対側に出ると、新しい住宅やリゾート住宅などが立ち並ぶ地区になる。 駅から30分ほどで浜辺に面したMuseu Pau Casals(カザルス記念館)に到着。 ここはカザルスが亡命するまで使っていた別荘。 内部は撮影禁止になっている。カザルスの生涯をたどる遺品などが展示され、国連でのスピーチや「鳥の歌」の演奏を映像で流している。彼の独裁に反対し自由や平和を求めた人生がよく伝わってくる。 広い中庭があり、 2階から見ると遊歩道と砂浜を隔てて地中海が広がっている。カザルスは毎夏ここで過ごしたそうだが、海の間近な家で、チェロは大丈夫だったのだろうか。 海の反対側の道路を隔てた向かいにAuditori Pau Casals(カザルス・ホール)がある。発表会でも終わったのか、子ども連れの人々が出てくるところだった。 再び海岸に出て遊歩道を少し歩き、昼食。 Casinet。外見はどうということもない田舎のレストラン。空いているので砂浜のテント内の席を頼むと、予約で一杯とのこと。店内はというと、そこも予約で埋まっていて、空いているのは入口近くの数テーブルだけ。しかもそこも予約があるので15時までに空けてくれとのこと。13時15分なので私たちには十分な時間。 ウエルカムドリンクはパイナップルジュース。 先ず、ラビオリの蜂蜜かけとオリーブを刻んで魚のすり身と合わせて揚げたものが供される。後者は初めて味わうものでちょっと変わったものだが、美味しい。 一皿目はトマトサラダ。普通のトマト、ミニトマト、黒トマトが入っているが、黒トマトも美味しい。 メインはパエージャ。二人分を一つの鍋に作ってくれるが、大きな鍋に薄くつくるので、おこげをたっぷり食べることができる。最後の方は味が沁みすぎて塩っぱくなってしまったが、先日の作り置きのとは違って美味しかった。 白ワインを二人で1本近く飲み、ほろ酔い気分で店を出る。ここから隣駅のEl Vendrell近くのカザルスの生家に行く。午後の開館が17時なので、5㎞ほどだが歩いて行くことにする。 町を出ると自動車道路になり、Caminoを歩いていた時の気分になる。 大きな石ころだらけのブドウ畑。水はけがよいからだろうか。 El Vendrellの街に入る手前で遊歩道がはじまり、ベンチがあったので座ってしばらく昼寝。心地よく酔いを醒ますことができた。 街の中心の広場にはカザルス像。 カザルスの父親がオルガン奏者を務めていたEsglésia Parroquial del Vendrell(ベンドレイ教会)の前には、カザルス父子の像。 Barで17時を過ぎるまで時間をつぶし、ガイドブックに受付はCasa Museu Angel Guimeráにあると記載されているので行ってみると、Casa Nadiua Pau Casals(カザルスの生家)へ行くようにとの札が下がっている。 Casa Nadiuaは一軒隔てたところにあった。入ると女性が出てきて、今ここは子供たちが見学中なのでCasa Museu Angel Guimeráを先ず見るようにと言って連れて行ってくれる。館内の展示はカタルーニャ語での説明ばかりだからCastellano(スペイン語)で案内するとのことで、一緒に館内を巡る。 Angel Guimeráについては全く予備知識がなかったが、なかなか興味深いものだった。カタルーニャ語で執筆した詩人・劇作家で、カタルーニャ民族主義運動の主要活動家でもあった。そのためノーベル文学賞の候補に何度もノミネートされたが、スペイン政府の圧力で受賞には至らなかったと言われている。Mar i Cel(海と空)、Terra Baixa(低地)などは映画化されたりオペラ化されたりするとともに、今でも毎年のように演劇、ミュージカル、テレビドラマなどで上演されているそうで、ここでもその一部をビデオで見せてくれた。 案内してくれた女性がそれほどゆっくりというわけではないのだが、分かりやすい発音と語彙で説明してくれたので、おおむね理解することができた。 案内が終わってカザルスの生家に戻るが、まだ子供たちの見学が終わっていないのでBarで少し時間をつぶしてきてほしいとのこと。 広場には散歩などの人が沢山出てきている。20分ほどして戻ると子どもたちの見学は終わっていて、先ほどとは別のここの担当の女性が案内してくれる。 カザルスの実家は裕福ではなかったようで、室内は質素な感じ。 資料類の展示は少なく、カザルスの幼少期の生活を感じ取るのがここの主目的。 ここは30分ほどで見学を終えた。 最後にEsglésia Parroquial del Vendrellに戻ってみる。なぜか鐘楼が紫色にライトアップされている。 ちょうどミサが終わって人々が出てくるところだった。中にはカザルスの父親が、そしてたまにはカザルス自身が弾いたであろうオルガンがある。 他に見るべきものはないが、 ロマネスク風の聖母子像に祈る姿があった。 ここまでは順調だったが、ここからSitgesに帰り着くまでが大変だった。 El Vendrell駅に向かうが、駅らしい建物はあるが、そこは駅ではなかった。駅の場所をたずねると反対側だからずっと回って行けとのこと。 ガードをくぐって線路の反対側に出ても駅らしきものはない。通りがかりの人にたずねると、ここを通って行けと別のガードの入口まで連れて行ってくれる。 しかし元のところに戻っても金網の向こうにホームは見えるのに入口がない。やっと見つけたのは最初に行った建物の脇にある細い通路。ようやくホームに出られた。 切符を買って待つ。30分ほど待たなければならないが、1時間に1本の路線なので仕方ない。ホームでは寒いので狭い切符売り場で待つ。ところが電光掲示板に出た発車時刻では20分以上の遅れ。1時間近く待たなければならないようだ。ホームでは高校生たちが騒ぎながら待っている。 少し遅れを取り戻して、十数分遅れで電車は来た。 隣のSt. VicenÇ de Calders駅まで乗って、R2線に乗り換えてSitgesに帰るのだが。 電車がSt. VicenÇ de Calders駅に着くと、間もなく別のホームからSitges方面行の電車が発車してしまう。乗り換え客は誰一人乗ることができない。 駅舎に行って時刻表を見ると次は特急でSitgesには停まらず、1時間以上待たなければならない。10分や20分遅れるのは日常茶飯事で、現に私たちが乗ってきた電車は遅れている。その到着を見ていながらさっさと発車してしまったことに腹が立つ。近郊線の電車の外側は落書きだらけだが、こんな運行状況を経験すると私も落書きでもしてやりたくなる。 寒いので構内のBarでコーヒーを飲みながら待つ。ここのCamareraは大きな金切り声で客とやりあったりしてうるさいことこの上ない。さらにトイレに行こうとするともう閉店だからと鍵をかけてしまって使わせてくれない。駅にはここしかトイレはないというのに。 10分ほど遅れてきた電車でようやくSitgesに帰り着くことができた。前の電車が数分発車を遅らせてくれれば1時間以上も待たずに済んだのに。ホテルに帰り着いたのは23時前。疲れた。退職者夫婦の旅と日常(スペイン・旅・留学・巡礼・映画・思索・本・・・)