2人のローマ教皇
原題 The Two Popes
2019年 イギリス・イタリア・アルゼンチン・アメリカ合作
監督 フェルナンド・メイレレス
 
辞任した前ローマ教皇ベネディクト16世(ラッツィンガー枢機卿)と、現教皇フランシスコ(ベルゴリオ枢機卿)の間でベネディクト辞任直前に行われた対話を中心に描いた映画。二人の会話や行動が半ば喜劇的に描かれている。超保守派のベネディクト16世と改革派と目されているフランシスコ、教皇と司教を辞職しようとしていたベルゴリオ、謹厳で他者を寄せ付けようとしないラッツィンガーと人懐こく民衆の間に入り込んで行くベルゴリオいうあらゆる面で正反対と言ってもいい二人。二人の会話は敵意さえ含んでいるかのようなぎくしゃくしたものだったが、次第に理解し合い親密になって行く。
この作品の第1章とも言える「ローマ法王になる日まで」よりも、映画自体も描かれているベルゴリオも明るく軽やかな印象なのは、扱われている時代の違い、ベルゴリオの立場の違い、もちろん監督の違いによるのだろう。
しかし二つの作品で描かれているカトリック教会、ベネディクト16世(ラッツィンガー枢機卿)、1970年代のベルゴリオ、教皇就任前後のベルゴリオに共通して言えるのは、最優先しているのは常に教会(組織)の存続であり、人々の救済でもイエスの教えでもないということだ。
それはカトリック教会やこの二人だけのことではなく、あらゆる組織が抱えている問題だが、それを負の側面として常に意識できているかどうかがその組織やメンバーの価値を決定づけるように思う。
Andrés映画・テレビ原題 The Two Popes 2019年 イギリス・イタリア・アルゼンチン・アメリカ合作 監督 フェルナンド・メイレレス   辞任した前ローマ教皇ベネディクト16世(ラッツィンガー枢機卿)と、現教皇フランシスコ(ベルゴリオ枢機卿)の間でベネディクト辞任直前に行われた対話を中心に描いた映画。二人の会話や行動が半ば喜劇的に描かれている。超保守派のベネディクト16世と改革派と目されているフランシスコ、教皇と司教を辞職しようとしていたベルゴリオ、謹厳で他者を寄せ付けようとしないラッツィンガーと人懐こく民衆の間に入り込んで行くベルゴリオいうあらゆる面で正反対と言ってもいい二人。二人の会話は敵意さえ含んでいるかのようなぎくしゃくしたものだったが、次第に理解し合い親密になって行く。 この作品の第1章とも言える「ローマ法王になる日まで」よりも、映画自体も描かれているベルゴリオも明るく軽やかな印象なのは、扱われている時代の違い、ベルゴリオの立場の違い、もちろん監督の違いによるのだろう。 しかし二つの作品で描かれているカトリック教会、ベネディクト16世(ラッツィンガー枢機卿)、1970年代のベルゴリオ、教皇就任前後のベルゴリオに共通して言えるのは、最優先しているのは常に教会(組織)の存続であり、人々の救済でもイエスの教えでもないということだ。 それはカトリック教会やこの二人だけのことではなく、あらゆる組織が抱えている問題だが、それを負の側面として常に意識できているかどうかがその組織やメンバーの価値を決定づけるように思う。退職者夫婦の旅と日常(スペイン・旅・留学・巡礼・映画・思索・本・・・)