1994年、アマゾンを思わせるジャングルの中の茶色の川沿いの町サン・クリストバルが舞台。理解できない言葉を話す子どもたちがどこからともなく現れ、物乞いや盗みで人々を次第に不安にさせ、ついにスーパーを襲撃する。数か月後、32人の子どもたちがそろって死んでしまう。この件に関わった当時の社会福祉課課長が、22年後に事件の推移を語る。

著者は現代スペインの作家だが、この作品はラテンアメリカの空気を濃密に帯びていて、ジャングルの高湿度の風がまとわりついてくるようだ。純粋なフィクションなのだが、ドキュメンタリーを読んでいると勘違いさせられる「非現実的なリアリティ」とでも言うべき性格を備えている。

訳文も見事で、一気に読ませる魅力がある。

/images/2022/03/371f66a0a9c2ab31de6b8e9d76fafaaa-700x992.jpg/images/2022/03/371f66a0a9c2ab31de6b8e9d76fafaaa-150x150.jpgAndrés書籍・雑誌きらめく共和国,アンドレス・バルバ,スペイン,現代作家1994年、アマゾンを思わせるジャングルの中の茶色の川沿いの町サン・クリストバルが舞台。理解できない言葉を話す子どもたちがどこからともなく現れ、物乞いや盗みで人々を次第に不安にさせ、ついにスーパーを襲撃する。数か月後、32人の子どもたちがそろって死んでしまう。この件に関わった当時の社会福祉課課長が、22年後に事件の推移を語る。 著者は現代スペインの作家だが、この作品はラテンアメリカの空気を濃密に帯びていて、ジャングルの高湿度の風がまとわりついてくるようだ。純粋なフィクションなのだが、ドキュメンタリーを読んでいると勘違いさせられる「非現実的なリアリティ」とでも言うべき性格を備えている。 訳文も見事で、一気に読ませる魅力がある。退職者夫婦の旅と日常(スペイン・旅・留学・巡礼・映画・思索・本・・・)