ジョージア(旧名グルジア)の首都トビリシの古いアパートで暮らす79歳の作家エレネ。彼女は旧ソ連時代に作品を発行禁止にされた過去がある。娘の姑ミランダがアルツハイマーの症状が出てきたためにエレネのアパートに転居してくることになったが、ミランダはソ連時代には共産党幹部だった。ある日昔の恋人だったアルチルからエレネに電話がかかってくるが、彼はミランダにも好意を抱いていたらしい。この3人の老人が絡み合う中で、過去にとらわれながらも前を向こうとしはじめるエレネの微妙な変化が描かれる。

エレネたちと同年代に近づきつつある今、身につまされるような描写の多い映画で暗い気分になったが、音楽とエレネの孫娘の姿に救われた。

岩波ホールは7月29日をもって閉館ということで、今回がここを訪れる最後かもしれない。決して足しげく通ったというわけではないが、岩波ホールの活動によって盛んになった「ミニシアター」の上映作品にはずいぶん触れてきたように思う。岩波の閉館が他のミニシアターに波及しないことを願っている。

/images/2022/03/a7c0ca0b3354a854ad373723b04f8847-700x992.jpg/images/2022/03/a7c0ca0b3354a854ad373723b04f8847-150x150.jpgAndrés映画・テレビグルジア,ジョージア,ソ連,金の糸ジョージア(旧名グルジア)の首都トビリシの古いアパートで暮らす79歳の作家エレネ。彼女は旧ソ連時代に作品を発行禁止にされた過去がある。娘の姑ミランダがアルツハイマーの症状が出てきたためにエレネのアパートに転居してくることになったが、ミランダはソ連時代には共産党幹部だった。ある日昔の恋人だったアルチルからエレネに電話がかかってくるが、彼はミランダにも好意を抱いていたらしい。この3人の老人が絡み合う中で、過去にとらわれながらも前を向こうとしはじめるエレネの微妙な変化が描かれる。 エレネたちと同年代に近づきつつある今、身につまされるような描写の多い映画で暗い気分になったが、音楽とエレネの孫娘の姿に救われた。 岩波ホールは7月29日をもって閉館ということで、今回がここを訪れる最後かもしれない。決して足しげく通ったというわけではないが、岩波ホールの活動によって盛んになった「ミニシアター」の上映作品にはずいぶん触れてきたように思う。岩波の閉館が他のミニシアターに波及しないことを願っている。退職者夫婦の旅と日常(スペイン・旅・留学・巡礼・映画・思索・本・・・)