Covid19で渡航が難しくなっていたスペインを3年ぶりに訪れた印象をまとめてみる。

スペインは3年ぶり(前回は2019年11月28日から12月18日のバレアレス諸島)、Caminoは4年ぶり(前回は2018年の10月23日から11月28日のカタルーニャの道)。この間に3年にわたるパンデミック。

今回は「検証」が主目的の旅だった。検証項目は

・コロナの影響はどの程度残っているか。

 宿、飲食店などの営業状態

 観光客の数や観光の制限

 地元の人々の生活の変化

・往復の空路へのコロナとウクライナ戦争の影響

 航空運賃

 混雑度

 出入国時の変化

・私たちの体力の変化

 コロナ禍の生活の影響

 加齢の影響

これらについて一つ一つ報告する。2週間という短期間、大部分が小都市や小さな町、コロナでなくても人混みの嫌いな私たちの経験からの印象なので、客観性や一般性はないと受け取ってもらいたい。

○宿の営業状態へのコロナの影響

全くと言って良いほど影響は感じられなかった。入口や部屋に消毒液を設置してあるところもあったが、私達も含めて使用する人は少なかったように思う。また、コロナの影響で廃業したと思えるような宿は目立たなかった。宿が無くなっていて宿泊に苦労することもなかった。

○飲食店の営業状態へのコロナの影響

テーブルを丁寧に拭く様子がコロナ以前には見られなかったものだが、それ以外には変化は感じられなかった。日本の飲食店のようなパーティションでの仕切り、入店時の手の消毒、店内でのマスク着用などもなかった。一部のレストランでは従業員がマスクをしていたが、バルではそんな姿を見かけることも少なかった。廃業したバルを見かけることはあったが、コロナ前にもあったことで、コロナの影響によるものなのかどうかは判断できない。廃業が特に増えたとは思えなかった。

〇地元の人々の生活の変化

マスクは、コロナ以前はつけている人が皆無だったので、それと比べると年齢に関係なく屋外でもつけている人を見かけた。しかし比率はせいぜい1割程度か。公共交通機関内では8割ほどがマスク着用だったようだ。小さな店の中でも客はマスク無しがほとんどで、店員は着用している人もいると言った程度だった。

〇航空運賃

燃料サーチャージも含めた実質運賃は、日系や欧州系の航空会社のは1人約30万円で、コロナ以前の2倍以上に上がっていた。3年前は1人約10万円、4年前は約20万円。しかし今回利用したカタール航空では約15万円だったので、移動時間が若干増えたとはいえ、大幅な負担増とはならなかった。

〇航空機内の混雑度

往復とも成田・ドバイ間は搭乗率8割ほど、ドバイ・マドリー間はほぼ満席だった。就航している便数が全体では大幅に減っていることを考えれば、乗客数の減少と減便が見合っていたのだろうか。

〇空港の混雑度

成田空港は閑散としていて、店の多くも閉まっていた。一方、ドバイやマドリーでは店が全て営業しており、コロナ以前と同様の混み具合だった。(ドバイは今回が初めてなので比較できないが)

〇出入国時の変化

成田空港での出国時についてはほぼコロナ以前に戻っていた。利用者が少ないため手続等に時間がかからず、むしろ快適になっていた。

成田空港での帰国時については、コロナ対策でのワクチン接種証明の提示などで手続きが少し増えたが、短時間で済むものだった。

ドバイでのトランジットでは全く手続き不要だった。

マドリーでの入出国時はコロナ以前に完全に戻っていた。

〇コロナ禍の生活の私たちの体力への影響

私たちの生活自体がコロナ禍でも大きく変わってはいなかった。毎日の散歩の距離が若干短くなっていたようにも思うが、それでも1日1万歩は歩いていたので、影響は少なかったと思う。

〇加齢による体力への影響

私達も70歳前後となり、少しずつ体力の衰えは感じ始めていた。そのため、4年前にCamino Catalánを歩いた時までは1日20㎞が目安で、場合によっては25㎞、最大限は30㎞を覚悟して予定を立てていたが、今回は15㎞が目安で、20㎞をぎりぎりの許容範囲として予定を立てた。しかし後半は20㎞を越してもそんなに疲れることもなく、体力の衰えは予想外に少なかったと感じた。この調子ならあと10年は1日20㎞程度歩けそうな気もする。しかし同じペースで衰えが進む保証はない。どこかで急激に衰えることもあるだろう。そう考えると、歩けるうちに歩いておこうとも思う。先ずは奥州街道の平泉から三厩、そしてCamino Portugués。

全体として、スペイン旅行あるいはCaminoについては、東アジアからの訪問者が激減していることを除いては、コロナ以前と大差なくなっている。著しい感染再拡大がなければ、来年にはさらにコロナ以前の状態が完全復活するだろう。

/images/2022/12/image3-1.png/images/2022/12/image3-1-150x150.pngAndrésイギリス人の道スペイン旅行Camino,コロナ,スペイン,影響,旅行Covid19で渡航が難しくなっていたスペインを3年ぶりに訪れた印象をまとめてみる。 スペインは3年ぶり(前回は2019年11月28日から12月18日のバレアレス諸島)、Caminoは4年ぶり(前回は2018年の10月23日から11月28日のカタルーニャの道)。この間に3年にわたるパンデミック。 今回は「検証」が主目的の旅だった。検証項目は ・コロナの影響はどの程度残っているか。  宿、飲食店などの営業状態  観光客の数や観光の制限  地元の人々の生活の変化 ・往復の空路へのコロナとウクライナ戦争の影響  航空運賃  混雑度  出入国時の変化 ・私たちの体力の変化  コロナ禍の生活の影響  加齢の影響 これらについて一つ一つ報告する。2週間という短期間、大部分が小都市や小さな町、コロナでなくても人混みの嫌いな私たちの経験からの印象なので、客観性や一般性はないと受け取ってもらいたい。 ○宿の営業状態へのコロナの影響 全くと言って良いほど影響は感じられなかった。入口や部屋に消毒液を設置してあるところもあったが、私達も含めて使用する人は少なかったように思う。また、コロナの影響で廃業したと思えるような宿は目立たなかった。宿が無くなっていて宿泊に苦労することもなかった。 ○飲食店の営業状態へのコロナの影響 テーブルを丁寧に拭く様子がコロナ以前には見られなかったものだが、それ以外には変化は感じられなかった。日本の飲食店のようなパーティションでの仕切り、入店時の手の消毒、店内でのマスク着用などもなかった。一部のレストランでは従業員がマスクをしていたが、バルではそんな姿を見かけることも少なかった。廃業したバルを見かけることはあったが、コロナ前にもあったことで、コロナの影響によるものなのかどうかは判断できない。廃業が特に増えたとは思えなかった。 〇地元の人々の生活の変化 マスクは、コロナ以前はつけている人が皆無だったので、それと比べると年齢に関係なく屋外でもつけている人を見かけた。しかし比率はせいぜい1割程度か。公共交通機関内では8割ほどがマスク着用だったようだ。小さな店の中でも客はマスク無しがほとんどで、店員は着用している人もいると言った程度だった。 〇航空運賃 燃料サーチャージも含めた実質運賃は、日系や欧州系の航空会社のは1人約30万円で、コロナ以前の2倍以上に上がっていた。3年前は1人約10万円、4年前は約20万円。しかし今回利用したカタール航空では約15万円だったので、移動時間が若干増えたとはいえ、大幅な負担増とはならなかった。 〇航空機内の混雑度 往復とも成田・ドバイ間は搭乗率8割ほど、ドバイ・マドリー間はほぼ満席だった。就航している便数が全体では大幅に減っていることを考えれば、乗客数の減少と減便が見合っていたのだろうか。 〇空港の混雑度 成田空港は閑散としていて、店の多くも閉まっていた。一方、ドバイやマドリーでは店が全て営業しており、コロナ以前と同様の混み具合だった。(ドバイは今回が初めてなので比較できないが) 〇出入国時の変化 成田空港での出国時についてはほぼコロナ以前に戻っていた。利用者が少ないため手続等に時間がかからず、むしろ快適になっていた。 成田空港での帰国時については、コロナ対策でのワクチン接種証明の提示などで手続きが少し増えたが、短時間で済むものだった。 ドバイでのトランジットでは全く手続き不要だった。 マドリーでの入出国時はコロナ以前に完全に戻っていた。 〇コロナ禍の生活の私たちの体力への影響 私たちの生活自体がコロナ禍でも大きく変わってはいなかった。毎日の散歩の距離が若干短くなっていたようにも思うが、それでも1日1万歩は歩いていたので、影響は少なかったと思う。 〇加齢による体力への影響 私達も70歳前後となり、少しずつ体力の衰えは感じ始めていた。そのため、4年前にCamino Catalánを歩いた時までは1日20㎞が目安で、場合によっては25㎞、最大限は30㎞を覚悟して予定を立てていたが、今回は15㎞が目安で、20㎞をぎりぎりの許容範囲として予定を立てた。しかし後半は20㎞を越してもそんなに疲れることもなく、体力の衰えは予想外に少なかったと感じた。この調子ならあと10年は1日20㎞程度歩けそうな気もする。しかし同じペースで衰えが進む保証はない。どこかで急激に衰えることもあるだろう。そう考えると、歩けるうちに歩いておこうとも思う。先ずは奥州街道の平泉から三厩、そしてCamino Portugués。 全体として、スペイン旅行あるいはCaminoについては、東アジアからの訪問者が激減していることを除いては、コロナ以前と大差なくなっている。著しい感染再拡大がなければ、来年にはさらにコロナ以前の状態が完全復活するだろう。退職者夫婦の旅と日常(スペイン・旅・留学・巡礼・映画・思索・本・・・)