恵比寿ガーデンシネマでフランス映画「ぜんぶ、フィデルのせい」(http://www.fidel.jp/index2.html)を観た。

 70年代初め、何不自由なく暮らしていた9歳の少女アンナだったが、突然両親が左翼思想に目覚めてしまい、「貧乏暮らし」を強いられてしまう。豊かな生活を捨てさせられた不満を身体中にみなぎらせて両親にぶつかるアンナ。何を考えているのか、まったく説得力を持たない両親の言動。アンナたちのアパートに出入りする活動家たちのコミカルでさえある様子。次々に入れ替わるメイド。贅沢な生活をしていた頃から雇われていた最初のメイドはカストロ政権下から逃れてきた亡命キューバ人。彼女の口癖が映画のタイトルになっている。「貧乏暮らし」になってから雇われた、2番目のメイドは軍事独裁政権からの亡命ギリシア人。3番目は南ベトナム難民。そんな人々に囲まれている中でアンナは自分で考え、何かを感じ取ってゆく。

 9.11(1973年)、CIAの全面的支援を得て行われたピノチェト将軍の軍事クーデターにより民主的選挙で形成されたアジェンデ政権が倒された。(http://www.diplo.jp/articles01/0110.html)そのニュースを聞いて立ち尽くす父親を見て、アンナは両親を理解する。「親はなくとも子は育つ」とか「親があっても子は育つ」とか言われるが、親の姿勢や考えとは無関係に子どもは独力で成長して行くものだとのメッセージが伝わってきた。

 とにかくアンナ役のニナ・ケルヴェルのふくれっ面と演技がすばらしい。「いるいる、こんな子、いっぱいいる」「小学生のころ、みんなああいう表情をしたことがあった」と誰もが思うことだろう。この子役の演技だけでも一見の価値あり。

por Andres

Andres y Amelia映画・テレビ 恵比寿ガーデンシネマでフランス映画「ぜんぶ、フィデルのせい」(http://www.fidel.jp/index2.html)を観た。  70年代初め、何不自由なく暮らしていた9歳の少女アンナだったが、突然両親が左翼思想に目覚めてしまい、「貧乏暮らし」を強いられてしまう。豊かな生活を捨てさせられた不満を身体中にみなぎらせて両親にぶつかるアンナ。何を考えているのか、まったく説得力を持たない両親の言動。アンナたちのアパートに出入りする活動家たちのコミカルでさえある様子。次々に入れ替わるメイド。贅沢な生活をしていた頃から雇われていた最初のメイドはカストロ政権下から逃れてきた亡命キューバ人。彼女の口癖が映画のタイトルになっている。「貧乏暮らし」になってから雇われた、2番目のメイドは軍事独裁政権からの亡命ギリシア人。3番目は南ベトナム難民。そんな人々に囲まれている中でアンナは自分で考え、何かを感じ取ってゆく。  9.11(1973年)、CIAの全面的支援を得て行われたピノチェト将軍の軍事クーデターにより民主的選挙で形成されたアジェンデ政権が倒された。(http://www.diplo.jp/articles01/0110.html)そのニュースを聞いて立ち尽くす父親を見て、アンナは両親を理解する。「親はなくとも子は育つ」とか「親があっても子は育つ」とか言われるが、親の姿勢や考えとは無関係に子どもは独力で成長して行くものだとのメッセージが伝わってきた。  とにかくアンナ役のニナ・ケルヴェルのふくれっ面と演技がすばらしい。「いるいる、こんな子、いっぱいいる」「小学生のころ、みんなああいう表情をしたことがあった」と誰もが思うことだろう。この子役の演技だけでも一見の価値あり。 por Andres退職者夫婦の旅と日常(スペイン・旅・留学・巡礼・映画・思索・本・・・)