コンサート Trobadors de la Corona d’Aragó
以前(6月5日)、ブログに書いたValencia大学礼拝堂での無料コンサート、春のシリーズは終わって、今度は中庭で"SERENATES2008"というシリーズで8回行われた。22時30分からなのでなかなか聴きに行けなかったが、この週末は二夜続けて聴くことができた。
金曜日はソプラノ独唱。sopranoはMaria José Martos、pianoはMarisa Blanes。柔らかい声で、特にピアノやピアニッシモが美しく心地よかった。
土曜日は"Amores e cansó.Trobadors de la Corona d’Aragó"と題して、12~13世紀アラゴン王国の吟遊詩を、古楽器を使って演奏。
mezzosoprano:Pilar Esteban
flautes:David Antich
viola/rabel:Carles Magraner
ud/lla üt medieval/guiterna/viola de roda:Efrén López
percussions:Pau Ballester
flautesは6種類ほどを使い分けていた。分かりにくいが、写真の真ん中のものはちょっと変わっていて、二股に分かれている。
viola(手前)はビオラ・ダ・ガンバで、rabel(その奥の小さなもの)はバイオリンの祖型のような小さな弦楽器。
これらがud/lla üt medieval/guiternaに該当するのだろうが、どれがどれに当たるのかは分からない。
そしてこれがおそらくviola de rodaというもの。これまで見たことのない楽器で、横にして抱え込み、写真の下部にあるハンドルをぐるぐる回して音をだし、写真上部の弦を押さえて音程を変えるもの。どんな仕組みで音が出るのかは不明だ。
percussionsはこの3種。
これにメゾソプラノが加わっての演奏だった。
最高。素晴らしい音楽、演奏だった。
とにかく5人全員が、音楽全体はもちろんのこと、一つ一つの音を大事に大事にし、ていねいに扱っているのが、かれらのすべての挙措から伝わってくる。
曲は、決して古臭くなく、アレンジしてあるように思えるが、現代に媚びているのではなく、彼らが曲を大切にすればこうならざるを得ないだろうと自然に納得できるもの。もしも12世紀のままの演奏をされたらかえって不自然に感じられただろう。
もう一度繰り返すが素晴らしいコンサートだった。1時間半たらずのの演奏だったが、これほどまでに心にしみるものは何十年振りだったろうか。
por Andres

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