パレスチナ問題の連続セミナー4回目。
主催はミーダーン<パレスチナ・対話のための広場>http://midan.exblog.jp/
私は初めての参加だったのだが。

主催者も含めて三十数名の参加で、二十歳前後から中高年まで様々な世代が集まっていた。

今回のテーマは「アラファート時代と自治政府」。PLOや自治政府内での彼の行動の意義と問題点を奈良本英佑氏(中東現代史/法政大学経済学部教員)が話し、続いて太田昌国氏(民族問題・ラテンアメリカ研究/現代企画室)がパレスチナ問題については全くの素人とことわった上で、自らの同時代体験としてパレスチナ問題の概史を語った。その中で共通して指摘されたのは「抵抗と権力の課題」だった。具体的には抵抗運動の中で、特に強大な敵に立ち向かう武装闘争の中で組織化を進め有効な闘争を形成するためにアラファートが果たした役割の大きさと、一方で巨額の使途不明金にあらわれているような腐敗。太田氏は、こうした矛盾を克服するには民衆に徹底したリコール権を保障するしかないと、吉本隆明に同調する主張を行った。

パレスチナは湾岸戦争以降、より一層困難な闘いを強いられている。パレスチナ内部での権力の腐敗や対立。イスラエルによる「壁」の建設に見られるようなパレスチナ人の日常生活までも恒常的に破壊しようとする支配。それらを目にすると、支配される者が支配する側に立った時に、自分たちが闘っていた権力の悪しき行動を繰り返してしまう、イスラエルがナチスの方法を、アラファトたちがイスラエルの方法を採ってしまう、そういう人間の弱さのようなものを思い知らされてしまう。これを断ち切るには支配―被支配の関係を廃棄するしかないのだろうが、太田氏などの言う「リコール権」で果たして可能なのだろうか。

por Andres

Andres y Amelia日記・コラム・つぶやきパレスチナ問題の連続セミナー4回目。主催はミーダーン<パレスチナ・対話のための広場>http://midan.exblog.jp/私は初めての参加だったのだが。主催者も含めて三十数名の参加で、二十歳前後から中高年まで様々な世代が集まっていた。今回のテーマは「アラファート時代と自治政府」。PLOや自治政府内での彼の行動の意義と問題点を奈良本英佑氏(中東現代史/法政大学経済学部教員)が話し、続いて太田昌国氏(民族問題・ラテンアメリカ研究/現代企画室)がパレスチナ問題については全くの素人とことわった上で、自らの同時代体験としてパレスチナ問題の概史を語った。その中で共通して指摘されたのは「抵抗と権力の課題」だった。具体的には抵抗運動の中で、特に強大な敵に立ち向かう武装闘争の中で組織化を進め有効な闘争を形成するためにアラファートが果たした役割の大きさと、一方で巨額の使途不明金にあらわれているような腐敗。太田氏は、こうした矛盾を克服するには民衆に徹底したリコール権を保障するしかないと、吉本隆明に同調する主張を行った。パレスチナは湾岸戦争以降、より一層困難な闘いを強いられている。パレスチナ内部での権力の腐敗や対立。イスラエルによる「壁」の建設に見られるようなパレスチナ人の日常生活までも恒常的に破壊しようとする支配。それらを目にすると、支配される者が支配する側に立った時に、自分たちが闘っていた権力の悪しき行動を繰り返してしまう、イスラエルがナチスの方法を、アラファトたちがイスラエルの方法を採ってしまう、そういう人間の弱さのようなものを思い知らされてしまう。これを断ち切るには支配―被支配の関係を廃棄するしかないのだろうが、太田氏などの言う「リコール権」で果たして可能なのだろうか。por Andres退職者夫婦の旅と日常(スペイン・旅・留学・巡礼・映画・思索・本・・・)