ニコス・カザンザキス「キリスト最後のこころみ」
イエスの生涯を描いたものだが、聖書の記述を大幅に換骨奪胎した作品。ユダを裏切り者ではなく、イエスの「神の子」としての生涯を完成するために十字架にかけられるよう、イエスに懇願されて手配した、弟子たちの中で唯一信頼された人物として描いている。
2段組み500ページ近い長編だが、重要なのは最後の60ページほど。イエスは十字架にかけられるが、天使が現れて救い出す。イエスはマグダラのマリアと結ばれた後、ラザロの姉妹と結婚し、多くの子供をつくって一人の人間として幸福な生涯を送る。しかしそれは悪魔が仕組んだ「夢」で、イエスはこの誘惑を払いのけて十字架上の死を受け入れることになる。
イエスの迷いや苦しみを主題に据え、非常に人間的な姿を描いている。聖書との食い違いや、福音書記者のマタイを十二使徒のひとりと混同するなどは、責めるべきではないだろう。しかしこの作品からは、なぜ救いをこの世に求めてはいけないのか、という疑問はかえって深まるばかりでだった。
por Andrés
https://dosperegrinos.net/2011/09/24/%e3%83%8b%e3%82%b3%e3%82%b9%e3%83%bb%e3%82%ab%e3%82%b6%e3%83%b3%e3%82%b6%e3%82%ad%e3%82%b9%e3%80%8c%e3%82%ad%e3%83%aa%e3%82%b9%e3%83%88%e6%9c%80%e5%be%8c%e3%81%ae%e3%81%93%e3%81%93%e3%82%8d%e3%81%bf/書籍・雑誌イエスの生涯を描いたものだが、聖書の記述を大幅に換骨奪胎した作品。ユダを裏切り者ではなく、イエスの「神の子」としての生涯を完成するために十字架にかけられるよう、イエスに懇願されて手配した、弟子たちの中で唯一信頼された人物として描いている。 2段組み500ページ近い長編だが、重要なのは最後の60ページほど。イエスは十字架にかけられるが、天使が現れて救い出す。イエスはマグダラのマリアと結ばれた後、ラザロの姉妹と結婚し、多くの子供をつくって一人の人間として幸福な生涯を送る。しかしそれは悪魔が仕組んだ「夢」で、イエスはこの誘惑を払いのけて十字架上の死を受け入れることになる。 イエスの迷いや苦しみを主題に据え、非常に人間的な姿を描いている。聖書との食い違いや、福音書記者のマタイを十二使徒のひとりと混同するなどは、責めるべきではないだろう。しかしこの作品からは、なぜ救いをこの世に求めてはいけないのか、という疑問はかえって深まるばかりでだった。 por AndrésAndres y Amelia SubscriberDos Peregrinos
コメントを残す