品川にある「街道文庫」に行ってきた。

店主は長年街道歩き(私たちの感覚では街道走り)を続けてきた人で、その間に集めた街道・宿場・旅などに関する本を売っている。古書店ではあるが、売らない・売れない・売りたくない本も多数あるとのこと。

インターネットで調べたところ、住所は品川区北品川2丁目2−10。

右のような店の写真も載っている。

営業時間・定休日は不定となっているので、営業しているかどうか不安になりながら出かけてみた。

現地に着いてみると、店が見当たらない。あらためて住所を確認してみると、該当の場所にはたこ焼き屋が営業中。写真と見比べてみると、入口の大きさや上部の紺色のシェードなどがそっくり。

「街道文庫」は廃業したのか移転したのか。たこ焼屋さんに訊ねると、移転したとのこと。2~300メートル先の左に入ったところだと教えてくれた。

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行ってみると、民家のような建物。営業中の札が出ていたので安心してドアを開ける。中は暗く、幅50センチほどの通路を挟んで本がぎっしり詰まった書棚が並んでいる。奥から店主が出てきて電灯を点けてくれる。

ざっと一通り店内を巡ってみたが、通路が狭くてかがむこともままならず、目の高さあたりの本しか見られない。確かに街道関係の資料が多数そろっている。

店主に話を聞く。去年の春と秋、2回に分けてサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路、Camino Francésを歩いたそうで、その経験からいくつかアドヴァイスしてくれる。

●地図(ガイドブック)はミシュランのは主要な一本道しか載せていない。古道も載せてあるものも併用して寄り道するのが楽しい。

●持ち物は「あった方が便利」と思うような物は持って行かないこと。必要最低限のものだけにする。どうしても必要になれば現地でも買えるのだから。そう言って見せてくれたバッグは、普通のデイバッグと小さなナップザック。これに着替え1組を詰めて、あとは寝袋だけだったそうだ。

●クレデンシャル(巡礼手帳)は日本で発行しているものが美しく、他の巡礼者と話す時のきっかけになるので良い。

●小さな田舎町のバルで、ちょっとした隙に財布・携帯電話・巡礼手帳を盗まれた。巡礼手帳は近所に捨ててあった。

●2014年4月版の巡礼宿リストのコピー(Les Refuges sur le Camino Francès)を下さった。

今月末に奥州街道を白河から仙台まで歩くつもりだと伝えると、国土地理院の25,000分の1地図に街道を記入したものを貸してくれた。近くのコンビニでコピー。

8月には再び移転して、今度は喫茶店と併設になるとのこと。そうなるとゆっくり本も探せるし話もできるだろう。移転後に再訪することを約束してきた。

商売っ気抜きでいろいろ教えてくれた。こういう場所は貴重。経営は楽ではなさそうだが、何とか存続してほしいと思う。次回はゆっくり本を探して購入したい。

por Andrés

Andrésサンティアゴ巡礼Camino,Santiago,サンティアゴ,巡礼品川にある「街道文庫」に行ってきた。 店主は長年街道歩き(私たちの感覚では街道走り)を続けてきた人で、その間に集めた街道・宿場・旅などに関する本を売っている。古書店ではあるが、売らない・売れない・売りたくない本も多数あるとのこと。 インターネットで調べたところ、住所は品川区北品川2丁目2−10。 右のような店の写真も載っている。 営業時間・定休日は不定となっているので、営業しているかどうか不安になりながら出かけてみた。 現地に着いてみると、店が見当たらない。あらためて住所を確認してみると、該当の場所にはたこ焼き屋が営業中。写真と見比べてみると、入口の大きさや上部の紺色のシェードなどがそっくり。 「街道文庫」は廃業したのか移転したのか。たこ焼屋さんに訊ねると、移転したとのこと。2~300メートル先の左に入ったところだと教えてくれた。 行ってみると、民家のような建物。営業中の札が出ていたので安心してドアを開ける。中は暗く、幅50センチほどの通路を挟んで本がぎっしり詰まった書棚が並んでいる。奥から店主が出てきて電灯を点けてくれる。 ざっと一通り店内を巡ってみたが、通路が狭くてかがむこともままならず、目の高さあたりの本しか見られない。確かに街道関係の資料が多数そろっている。 店主に話を聞く。去年の春と秋、2回に分けてサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路、Camino Francésを歩いたそうで、その経験からいくつかアドヴァイスしてくれる。 ●地図(ガイドブック)はミシュランのは主要な一本道しか載せていない。古道も載せてあるものも併用して寄り道するのが楽しい。 ●持ち物は「あった方が便利」と思うような物は持って行かないこと。必要最低限のものだけにする。どうしても必要になれば現地でも買えるのだから。そう言って見せてくれたバッグは、普通のデイバッグと小さなナップザック。これに着替え1組を詰めて、あとは寝袋だけだったそうだ。 ●クレデンシャル(巡礼手帳)は日本で発行しているものが美しく、他の巡礼者と話す時のきっかけになるので良い。 ●小さな田舎町のバルで、ちょっとした隙に財布・携帯電話・巡礼手帳を盗まれた。巡礼手帳は近所に捨ててあった。 ●2014年4月版の巡礼宿リストのコピー(Les Refuges sur le Camino Francès)を下さった。 今月末に奥州街道を白河から仙台まで歩くつもりだと伝えると、国土地理院の25,000分の1地図に街道を記入したものを貸してくれた。近くのコンビニでコピー。 8月には再び移転して、今度は喫茶店と併設になるとのこと。そうなるとゆっくり本も探せるし話もできるだろう。移転後に再訪することを約束してきた。 商売っ気抜きでいろいろ教えてくれた。こういう場所は貴重。経営は楽ではなさそうだが、何とか存続してほしいと思う。次回はゆっくり本を探して購入したい。 por Andrés退職者夫婦の旅と日常(スペイン・旅・留学・巡礼・映画・思索・本・・・)