目が覚めたのは9時だった。部屋が高い建物に囲まれた中庭に面し、曇り空なのでいつまでも薄暗かったからだろうか。

部屋で朝食。出かけたのは11時過ぎ。ホテルを出るとかすかに霧雨。Ameliaはダウンジャケットを着ているのでフードをかぶれば済むが、私は長袖一枚だったので部屋に戻ってウインドブレーカーを着て出直す。結局今日は一日中ウインドブレーカーを着て丁度良い気候だった。最高気温は18度ぐらいで、半そで姿もいるが、多くの人は長袖の上のもう一枚着ている。

カテドラルの横にあるJardin Reyes Caudillosをのぞいてみる。小さな庭を囲む壁にローマ帝国の偉人の肖像がいくつも並んでいる。

10人ほどの観光客を引き連れたローマ兵姿の男性がガイドをしていたが、時々刀を抜いて振り回してみたりなかなか芝居っ気のあるガイドだった。

広場に出ると昨日も見かけた貴婦人姿の女性が、こちらは別のガイドが案内する団体と一緒に歩いていた。

カテドラルのわきを抜けてMuseo de Bellas Artes de Asturias(Palacio de Velarde)に行く。入場無料。名前の通りアストゥリアスの画家の作品がほとんどだが、ゴヤ、ベラスケス、ピカソ、ダリ、ミロ、ソロージャ、グレコなどの作品もある。地方の美術館としては質が高いのではないか。ただ、Palacioだった部分と新築部分が2階でしかつながっておらず、展示場がわかりにくいのが難だった。

再びカテドラル前の広場に出ると、民族音楽の楽隊が演奏している。バグパイプを中心にしたもの。しかし集まった見物客は2~30人で、せっかくの演奏が少し寂しいものになっていた。やがて楽隊は演奏しながら行進して去っていった。

Ayuntamientoの方に行って、TurismoでNarancoへの行き方を教えてもらう。C. Uriaのバス停からA2のバスだとのこと。1時間に1本だが時刻表はない。

近くのレストランで昼食。Menú del díaで一皿目はSopa de FideuaとEnsalada mixta。二皿目はDorada al hornoとChuleta。Agua con gasとVino tinto。デザートはJabadaとCafé con leche。Fideuaは小さめだが普通のマカロニだった。魚介スープのだしは良く出ていたが、少し塩っぱい。Doradaは半身で、確かに鯛の味はする。本当は丸々一匹の塩釜焼を食べたいのだが、Menúでは無理だろう。この店は混んでいてカウンターで席の空くのを待つ人が何組もいるのだが、料理を出すのがのんびりしていて、はかどらない。私たちの食事も久しぶりに2時間近くかかってしまった。

近くのPlaza y Mercado del Fontánに行く。Mercadoは昼休みで入れない。Plazaは完全に建物に囲まれたもので、広場に面して2軒のレストランがあってまだ昼食をとっている人も多い。上階が厨房になっているらしく、調理人の姿が窓に見えた。なかなか雰囲気の良い広場だった。

Universidadに行くが入れない。何の表示もないので入れるのかどうかもわからない。

十分に時間があるので、そのままNarancoへ行くことにしてC. Uriaへ行く。Oviedo一番の繁華街だそうだが、時間のせいか人通りはそんなに多くない。バス停があったので路線図を見てみるとA2のバスは確かにNarancoに行く。しかし他の路線は時刻表があるが、A2は始発と最終の時刻があってあとは1時間に1本と書いてあるだけ。何分とも書いていない。電光掲示板を見ると10分ほどでA2が来ると出ているので待つ。別の路線のバスが来たので運転手にNarancoに行きたいがと言ってみると、A2でこのバス停で良いとのこと。

やって来たA2のバスに乗り込む際にも確認する。親切な運転手で、私たちが行こうとしていたSanta María de Narancoへのバス停では数人の乗客が同じ目的だったのだが、降車時に道筋を丁寧に教えてくれた。

バス停から10分ほど細い坂道を上ると、Centro de Recepción e Interpretación del Prerománicoがある。そこで訊ねると、まずSanta María de Narancoに行き、その入口で入場券を買うようにとのこと。ガイドがそこを案内して、つぎにSan Miguel de Lilloにも案内してくれるそうだ。

早速さらに坂道を登ってゆくと道を間違えてしまい、着いたのはSan Miguel de Lilloの方だった。入口の掲示を見ると確かにSanta María de Narancoの入口で入場券を買うようにと書いてある。Santa María de Narancoまではそこから3分ほど。行ってみるとちょうどガイドによる案内が始まるところで、私たちは間に合わなかった。

次回は40分後。周囲から写真を撮ったり景色を眺めたりしながら待つ。親子四人連れが来て、姉弟がレポーターの真似事のビデオ撮影を始める。姉が撮影し、小学校低学年くらいの弟がレポーター。「ここがSanta María de Naranco」だとか、「遠くに見えるのがサッカー場」だとかいろいろと説明し、最後にAdiósとあいさつする。なかなかうまい。きっと将来はそうした職業につきたいのだろう。Santa María de Narancoをうまく発音できず、何度もやり直していた。

5時半ごろにガイドのおじさんがやってきて入口のドアを開け、入場券を売り始める。2か所共通で3ユーロ。5時40分から上階の鍵を開けて中に入れてくれ、説明。

ここは世界遺産だが、教会だと書いてあるガイドブックもあったのになぜPalacio de Santa María de Narancoと表示されているのか不思議に思っていたが、最初はラミロ1世が離宮として建てたものだったとのことで納得。王の離宮としては小さく、山奥のロマネスク教会にふさわしい大きさだが、考えてみると国王とはいってもイスラム支配下でわずかに取り残されたキリスト教支配地域のアストゥリアスの国王など、言ってみれば地方豪族程度だったのだろう。

内部は一部屋で柱頭彫刻や壁の紋章のような彫刻に特徴がある。

下階の端は浴場だったところだそうだが、それらしき雰囲気はない。

次にSan Miguel de Lilloへ移動。こちらは正真正銘の教会で、十字型のもの。ロマネスク教会より軽い感じがする。内壁の一部にかすかに壁画が残っている。こちらは内部撮影禁止で、傷んでいるところも散見される。ロマネスクの前身だが、ロマネスクとローマとの中間という印象は確かにある。緑の中に立つこの二つのプレロマネスク建築は、周りの景色とともに一見の価値がある。

Centroでトイレを借り、中の展示を見てからバス停へ降りる。大部分の客は車で来ている。カテドラル前の閑散とした様子とは違い、ここには1時間に50人以上の人が訪れているようだった。

バス停で待つが、いつバスが来るのかはわからない。往路はずっと上りなのでOviedoの街中から歩いてくるのは大変だが、帰路は下りだけなので歩けなくはない。しかし6人のスペイン人がやってきてバスを待ち始めたので、私たちも待ち続けると、10分もしないでバスが来た。往路と同じ運転手。

街に着いてC. Uriaで降車。Corte Inglésの前だった。7時ごろという時間のせいか、人通りが多く、やっとOviedoの賑わいを目にすることができた。

宿の方に向かうが、Cafeteríaに入って休憩。Chocolate y Churroと紅茶。ここのChocolateは少し薄い。客はほとんど中高年の女性。

ホテルに戻り、Ameliaは少し昼寝。私は今日はあまり眠くならなかった。

軽い夕食後、シャワーを浴び日記を書いたら、今日も12時を過ぎてしまった。

por Andrés

/images/2016/07/P7025641_21-644x430.jpg/images/2016/07/P7025641_21-150x150.jpgAndrésスペイン旅行目が覚めたのは9時だった。部屋が高い建物に囲まれた中庭に面し、曇り空なのでいつまでも薄暗かったからだろうか。 部屋で朝食。出かけたのは11時過ぎ。ホテルを出るとかすかに霧雨。Ameliaはダウンジャケットを着ているのでフードをかぶれば済むが、私は長袖一枚だったので部屋に戻ってウインドブレーカーを着て出直す。結局今日は一日中ウインドブレーカーを着て丁度良い気候だった。最高気温は18度ぐらいで、半そで姿もいるが、多くの人は長袖の上のもう一枚着ている。 カテドラルの横にあるJardin Reyes Caudillosをのぞいてみる。小さな庭を囲む壁にローマ帝国の偉人の肖像がいくつも並んでいる。 10人ほどの観光客を引き連れたローマ兵姿の男性がガイドをしていたが、時々刀を抜いて振り回してみたりなかなか芝居っ気のあるガイドだった。 広場に出ると昨日も見かけた貴婦人姿の女性が、こちらは別のガイドが案内する団体と一緒に歩いていた。 カテドラルのわきを抜けてMuseo de Bellas Artes de Asturias(Palacio de Velarde)に行く。入場無料。名前の通りアストゥリアスの画家の作品がほとんどだが、ゴヤ、ベラスケス、ピカソ、ダリ、ミロ、ソロージャ、グレコなどの作品もある。地方の美術館としては質が高いのではないか。ただ、Palacioだった部分と新築部分が2階でしかつながっておらず、展示場がわかりにくいのが難だった。 再びカテドラル前の広場に出ると、民族音楽の楽隊が演奏している。バグパイプを中心にしたもの。しかし集まった見物客は2~30人で、せっかくの演奏が少し寂しいものになっていた。やがて楽隊は演奏しながら行進して去っていった。 Ayuntamientoの方に行って、TurismoでNarancoへの行き方を教えてもらう。C. Uriaのバス停からA2のバスだとのこと。1時間に1本だが時刻表はない。 近くのレストランで昼食。Menú del díaで一皿目はSopa de FideuaとEnsalada mixta。二皿目はDorada al hornoとChuleta。Agua con gasとVino tinto。デザートはJabadaとCafé con leche。Fideuaは小さめだが普通のマカロニだった。魚介スープのだしは良く出ていたが、少し塩っぱい。Doradaは半身で、確かに鯛の味はする。本当は丸々一匹の塩釜焼を食べたいのだが、Menúでは無理だろう。この店は混んでいてカウンターで席の空くのを待つ人が何組もいるのだが、料理を出すのがのんびりしていて、はかどらない。私たちの食事も久しぶりに2時間近くかかってしまった。 近くのPlaza y Mercado del Fontánに行く。Mercadoは昼休みで入れない。Plazaは完全に建物に囲まれたもので、広場に面して2軒のレストランがあってまだ昼食をとっている人も多い。上階が厨房になっているらしく、調理人の姿が窓に見えた。なかなか雰囲気の良い広場だった。 Universidadに行くが入れない。何の表示もないので入れるのかどうかもわからない。 十分に時間があるので、そのままNarancoへ行くことにしてC. Uriaへ行く。Oviedo一番の繁華街だそうだが、時間のせいか人通りはそんなに多くない。バス停があったので路線図を見てみるとA2のバスは確かにNarancoに行く。しかし他の路線は時刻表があるが、A2は始発と最終の時刻があってあとは1時間に1本と書いてあるだけ。何分とも書いていない。電光掲示板を見ると10分ほどでA2が来ると出ているので待つ。別の路線のバスが来たので運転手にNarancoに行きたいがと言ってみると、A2でこのバス停で良いとのこと。 やって来たA2のバスに乗り込む際にも確認する。親切な運転手で、私たちが行こうとしていたSanta María de Narancoへのバス停では数人の乗客が同じ目的だったのだが、降車時に道筋を丁寧に教えてくれた。 バス停から10分ほど細い坂道を上ると、Centro de Recepción e Interpretación del Prerománicoがある。そこで訊ねると、まずSanta María de Narancoに行き、その入口で入場券を買うようにとのこと。ガイドがそこを案内して、つぎにSan Miguel de Lilloにも案内してくれるそうだ。 早速さらに坂道を登ってゆくと道を間違えてしまい、着いたのはSan Miguel de Lilloの方だった。入口の掲示を見ると確かにSanta María de Narancoの入口で入場券を買うようにと書いてある。Santa...退職者夫婦の旅と日常(スペイン・旅・留学・巡礼・映画・思索・本・・・)