8時過ぎ起床。空は雲に覆われ霧雨。Paradorは朝食付きなので、食堂に行く。ビュッフェだがParadorのにしては大したことはない。オレンジジュースは作り置き、パンはミニクロワッサンとボージョ、あとはトーストして食べる類。チーズ、ハムなどは3~4種類ずつ。果物はメロン、スイカ、パイナップル、トマト。コーヒーとミルクはポットにたっぷり持ってきてくれる。テーブルにメニューがあり、卵料理やソーセージ類は注文に応じて温かいものを作ってくれるそうなので、プレーンとハムチーズのオムレツを頼む。そんなにたくさんは食べられないが、久しぶりのビュッフェ朝食でお腹いっぱいになる。

11時ごろにチェックアウトし、荷物を預けて出かける。隣の教会が11時半のミサの時間しか中に入れないので、それまで旧市街を散歩。幸い雨はやんでいる。

旧市街の何ということのない路地。静かで人通りは少なく、洗濯物があちこちに干して垂れ下がり生活感がある。

11時半少し前に教会の入口に行くが、閉まっている。掲示をもう一度よく見てみると11時半のミサは別の場所でのよう。ミサが目的ではなく教会内を見るのが目的なので、ここはあきらめる。

丘を下って川沿いの新市街に出、船着き場から渡し船に乗って対岸のフランスに行く。船は結構混んでいる。丘の上から見ると対岸の町の向こう、砂浜の海水浴場の沖に大型クルーズ客船が停泊している。対岸に着いて海水浴場のある方に進むと雨がまともに降ってくる。傘を差さざるを得ない。公衆トイレがあり、無料だがそんなに汚れてはいない。海岸に着くとさすがに雨で気温も低めとあって砂浜に人影はほとんどなく泳ぐ人もいない。

サーファーだけが海に入っている。1kmほど歩いてツーリスモに着く。地図をもらうが、特に見るべきものはないようだ。近くに教会があったので行ってみると中に入ることはできたが、新しいもので特別のものはない。

住宅街を抜けて川沿いの道に出、旧市街に向かって歩く。遊歩道が整備され、子供の遊び場やマウンテンバイクの練習場などもあるが、町の様子はスペイン側と大差ない。看板の文字はもちろんフランス語だが、バスク語も併記されているのでなおさらスペイン側から来ても変化は少ない。川を遡るように歩くが、湾曲しているのでいつまでも右側にHondarribiaの丘、Paradorや隣の教会が見える。

旧市街に着くと坂道を上る。上り切ったあたりにレストランが数軒並んだ一角があったので昼食にする。1時半だが、ここでは昼食を終わりかけている人が多い。一軒に入ってMenú del día。一皿目も二皿目も2品ずつしかないので、両方を選択する。一皿目は魚のスープとサラダ。魚のスープは素朴な家庭料理といった感じ。サラダはごく普通。二皿目はタイのような魚のプランチャと牛のレバーのステーキだった。レバーは大きなのが2枚。無理して少し食べるが、3~4口が限度。30数年前もそうだったが、フランスで食事をするとなぜかレバーや脳みそなどに当たる。どうも困ったものだ。魚はごく普通。デザートはリキュールのしみたケーキ。選択はできない。ワインはグラス1杯で水はペリエだが、これらは別料金。合計二人で34ユーロ。スペインではこの内容だとせいぜい20ユーロちょっとだろう。San Sebastianで物価が高くなったと感じていたが、フランスはそれ以上。

Irunまで歩こうかとも思ったが、ちょっと遠いので元の船着き場に戻ることにする。雨はやみ陽も差し始めている。散歩する人もいくらかいる。

川にはウインドサーフィン学校で練習する一団。

船着き場には乗船を待つ人の列ができていたが、全員が座れる状態で出発。5分で対岸に。

エレベーターを使ってParadorのすぐ下まで上り、Paradorの入口に向かうと、途中でテラスへ通じる入口が開いていたので入る。

晴れてきて対岸がよく見える。

Paradorで荷物を受け取り、Irun行きのバス停を教えてもらって出発。坂を下りバス停で待っていると、同じバスを待っていたおばさんがIrunに行くのかと尋ねてくれ、駅へ行くと言うとこのバスだと教えてくれ、下車時にもバス停を教えてくれた。

同じバスから降りた二人連れが自分たちも駅に行くと言って先導してくれる。駅に着くとそこは近郊線の切符しか売っておらず、通路を使って反対側に移動。国際線ホームを出たところに遠距離切符売り場があった。自販機ではエラーが出て買えず窓口で買うことに。1等しか残っていないが仕方ないのでそれにする。いったんAmeliaのクレジットカードで買うが、最後にエラーが出て買えない。窓口の人が10分待ってくれというので、他の客を先にする。間もなく呼ばれて再度購入手続き。先刻はプロモーションということで少し安かったが、今度はもうプロモーションは適用できないとのことで少し高くなる。またAmeliaのクレジットカードで買おうと暗証番号も入れ手続きが進むが、最後でエラーが出て買えない。もう一度やってもダメ。私のカードでやり直してもらうが、それでもダメ。残り3席しかないとのことなので、仕方なく現金払いにする。無事何とか切符は手に入った。残り3席なので席は離れるかと思ったが、隣り合った席だった。

駅を出てホテルに向かう。1㎞ほど。駅はさびれた感じだったが、通りは賑やかで思っていたより大きな街。30年前のIrunはHendayeから陸路で国境を超え、駅に着くとすぐに列車に乗ったので町についての記憶は全くないが、少なくとも都会ではなかったと思う。それとも駅構内の印象に引きずられているのだろうか。人通りの多いメインストリート。両側には商店が並んでいる。晴れて陽が照っているので陰の側を歩いて行く。

ホテルは少し横にそれたところだったが、繁華街に隣接するのに裏には林や藪が続いていて妙。チェックインすると3人部屋になっているとのこと。同料金でダブルのスーペリアに換えられると言うのでそうしてもらう。ネットでの予約で去年も同様のことがあった。去年は2人部屋料金にしてくれたが、今回は料金は変わらず。

部屋に入ってメールをチェックすると、駅での切符購入でカード支払いが成立しているとの通知。駅でのエラーで購入できなかったというのは機械の不良だったのか駅員のミスだったのか。いずれにしてもAmeliaのも支払い済みになっている可能性が大。それも3回か4回。カード会社に電話するが、営業時間外なので、明朝電話しなおすことに。カードを使っていてこんなことは初めて。エラーが出たときは決済もできていなかったので不都合はなかったのだが、今回は4重5重の支払いになっているかもしれない。

Barcelonaのホテルを予約。1泊だけしてアンドラに移動する予定。

7時過ぎたので出かける。夕食の場所を探しながらメインストリートを歩く。人通りも多く、店も多い。途中の広場で休憩。テラス席で1時間ほど日記を書いて過ごす。

一つ裏の通りにある広場に何軒か大きなBarが並んでいたので、ピンチョスが一番多く並んでいる店に入る。それでも品数は多くない。生ハムとアンチョビの小さなボカディージョとなすの天ぷらとチーズの載ったピンチョス。二人ともチャコリ。店員は若い女の子で元気がよく愛想も良く感じが良いのだが、ピンチョスはどうということもないもの。San SebastiánやVitoriaと比べると大幅に劣る。値段は大差ないのだが。

ホテルの方に戻り、近くの広場に客の結構入っている店があったのでのぞいてみる。

月曜と火曜はビールかTinto de veranoとピンチョス1品で2ユーロとあるので試してみる。Tinto de veranoはどうせ安物なので期待するものではない。ピンチョスはチキンのケバブにする。注文すると飲み物はすぐに渡してくれるが、食べ物は出ない。かわりに名前を聞かれる。こんなことは初めてなので何を聞かれたかわからなかった。席について飲んでいるとスピーカーでPablo, por favor.とかSanchesとか名前を呼ぶのが聞こえる。やがて私の名前が呼ばれたのでカウンターに行くと注文したピンチョスを渡された。チェーン店で新しい方式の店だったのだ。あらためて店内を見渡すと若い客がほとんどだった。ピンチョス単品でも1ユーロちょっとと安いので当然か。味は作り立てを出すので値段のわりに悪くはない。

ホテルに戻りシャワー、日記の続き。今夜は少し早く終わった。

por Andrés

/images/2016/07/P71264571-644x430.jpg/images/2016/07/P71264571-150x150.jpgAndrésスペイン旅行8時過ぎ起床。空は雲に覆われ霧雨。Paradorは朝食付きなので、食堂に行く。ビュッフェだがParadorのにしては大したことはない。オレンジジュースは作り置き、パンはミニクロワッサンとボージョ、あとはトーストして食べる類。チーズ、ハムなどは3~4種類ずつ。果物はメロン、スイカ、パイナップル、トマト。コーヒーとミルクはポットにたっぷり持ってきてくれる。テーブルにメニューがあり、卵料理やソーセージ類は注文に応じて温かいものを作ってくれるそうなので、プレーンとハムチーズのオムレツを頼む。そんなにたくさんは食べられないが、久しぶりのビュッフェ朝食でお腹いっぱいになる。 11時ごろにチェックアウトし、荷物を預けて出かける。隣の教会が11時半のミサの時間しか中に入れないので、それまで旧市街を散歩。幸い雨はやんでいる。 旧市街の何ということのない路地。静かで人通りは少なく、洗濯物があちこちに干して垂れ下がり生活感がある。 11時半少し前に教会の入口に行くが、閉まっている。掲示をもう一度よく見てみると11時半のミサは別の場所でのよう。ミサが目的ではなく教会内を見るのが目的なので、ここはあきらめる。 丘を下って川沿いの新市街に出、船着き場から渡し船に乗って対岸のフランスに行く。船は結構混んでいる。丘の上から見ると対岸の町の向こう、砂浜の海水浴場の沖に大型クルーズ客船が停泊している。対岸に着いて海水浴場のある方に進むと雨がまともに降ってくる。傘を差さざるを得ない。公衆トイレがあり、無料だがそんなに汚れてはいない。海岸に着くとさすがに雨で気温も低めとあって砂浜に人影はほとんどなく泳ぐ人もいない。 サーファーだけが海に入っている。1kmほど歩いてツーリスモに着く。地図をもらうが、特に見るべきものはないようだ。近くに教会があったので行ってみると中に入ることはできたが、新しいもので特別のものはない。 住宅街を抜けて川沿いの道に出、旧市街に向かって歩く。遊歩道が整備され、子供の遊び場やマウンテンバイクの練習場などもあるが、町の様子はスペイン側と大差ない。看板の文字はもちろんフランス語だが、バスク語も併記されているのでなおさらスペイン側から来ても変化は少ない。川を遡るように歩くが、湾曲しているのでいつまでも右側にHondarribiaの丘、Paradorや隣の教会が見える。 旧市街に着くと坂道を上る。上り切ったあたりにレストランが数軒並んだ一角があったので昼食にする。1時半だが、ここでは昼食を終わりかけている人が多い。一軒に入ってMenú del día。一皿目も二皿目も2品ずつしかないので、両方を選択する。一皿目は魚のスープとサラダ。魚のスープは素朴な家庭料理といった感じ。サラダはごく普通。二皿目はタイのような魚のプランチャと牛のレバーのステーキだった。レバーは大きなのが2枚。無理して少し食べるが、3~4口が限度。30数年前もそうだったが、フランスで食事をするとなぜかレバーや脳みそなどに当たる。どうも困ったものだ。魚はごく普通。デザートはリキュールのしみたケーキ。選択はできない。ワインはグラス1杯で水はペリエだが、これらは別料金。合計二人で34ユーロ。スペインではこの内容だとせいぜい20ユーロちょっとだろう。San Sebastianで物価が高くなったと感じていたが、フランスはそれ以上。 Irunまで歩こうかとも思ったが、ちょっと遠いので元の船着き場に戻ることにする。雨はやみ陽も差し始めている。散歩する人もいくらかいる。 川にはウインドサーフィン学校で練習する一団。 船着き場には乗船を待つ人の列ができていたが、全員が座れる状態で出発。5分で対岸に。 エレベーターを使ってParadorのすぐ下まで上り、Paradorの入口に向かうと、途中でテラスへ通じる入口が開いていたので入る。 晴れてきて対岸がよく見える。 Paradorで荷物を受け取り、Irun行きのバス停を教えてもらって出発。坂を下りバス停で待っていると、同じバスを待っていたおばさんがIrunに行くのかと尋ねてくれ、駅へ行くと言うとこのバスだと教えてくれ、下車時にもバス停を教えてくれた。 同じバスから降りた二人連れが自分たちも駅に行くと言って先導してくれる。駅に着くとそこは近郊線の切符しか売っておらず、通路を使って反対側に移動。国際線ホームを出たところに遠距離切符売り場があった。自販機ではエラーが出て買えず窓口で買うことに。1等しか残っていないが仕方ないのでそれにする。いったんAmeliaのクレジットカードで買うが、最後にエラーが出て買えない。窓口の人が10分待ってくれというので、他の客を先にする。間もなく呼ばれて再度購入手続き。先刻はプロモーションということで少し安かったが、今度はもうプロモーションは適用できないとのことで少し高くなる。またAmeliaのクレジットカードで買おうと暗証番号も入れ手続きが進むが、最後でエラーが出て買えない。もう一度やってもダメ。私のカードでやり直してもらうが、それでもダメ。残り3席しかないとのことなので、仕方なく現金払いにする。無事何とか切符は手に入った。残り3席なので席は離れるかと思ったが、隣り合った席だった。 駅を出てホテルに向かう。1㎞ほど。駅はさびれた感じだったが、通りは賑やかで思っていたより大きな街。30年前のIrunはHendayeから陸路で国境を超え、駅に着くとすぐに列車に乗ったので町についての記憶は全くないが、少なくとも都会ではなかったと思う。それとも駅構内の印象に引きずられているのだろうか。人通りの多いメインストリート。両側には商店が並んでいる。晴れて陽が照っているので陰の側を歩いて行く。 ホテルは少し横にそれたところだったが、繁華街に隣接するのに裏には林や藪が続いていて妙。チェックインすると3人部屋になっているとのこと。同料金でダブルのスーペリアに換えられると言うのでそうしてもらう。ネットでの予約で去年も同様のことがあった。去年は2人部屋料金にしてくれたが、今回は料金は変わらず。 部屋に入ってメールをチェックすると、駅での切符購入でカード支払いが成立しているとの通知。駅でのエラーで購入できなかったというのは機械の不良だったのか駅員のミスだったのか。いずれにしてもAmeliaのも支払い済みになっている可能性が大。それも3回か4回。カード会社に電話するが、営業時間外なので、明朝電話しなおすことに。カードを使っていてこんなことは初めて。エラーが出たときは決済もできていなかったので不都合はなかったのだが、今回は4重5重の支払いになっているかもしれない。 Barcelonaのホテルを予約。1泊だけしてアンドラに移動する予定。 7時過ぎたので出かける。夕食の場所を探しながらメインストリートを歩く。人通りも多く、店も多い。途中の広場で休憩。テラス席で1時間ほど日記を書いて過ごす。 一つ裏の通りにある広場に何軒か大きなBarが並んでいたので、ピンチョスが一番多く並んでいる店に入る。それでも品数は多くない。生ハムとアンチョビの小さなボカディージョとなすの天ぷらとチーズの載ったピンチョス。二人ともチャコリ。店員は若い女の子で元気がよく愛想も良く感じが良いのだが、ピンチョスはどうということもないもの。San SebastiánやVitoriaと比べると大幅に劣る。値段は大差ないのだが。 ホテルの方に戻り、近くの広場に客の結構入っている店があったのでのぞいてみる。 月曜と火曜はビールかTinto de veranoとピンチョス1品で2ユーロとあるので試してみる。Tinto de veranoはどうせ安物なので期待するものではない。ピンチョスはチキンのケバブにする。注文すると飲み物はすぐに渡してくれるが、食べ物は出ない。かわりに名前を聞かれる。こんなことは初めてなので何を聞かれたかわからなかった。席について飲んでいるとスピーカーでPablo, por favor.とかSanchesとか名前を呼ぶのが聞こえる。やがて私の名前が呼ばれたのでカウンターに行くと注文したピンチョスを渡された。チェーン店で新しい方式の店だったのだ。あらためて店内を見渡すと若い客がほとんどだった。ピンチョス単品でも1ユーロちょっとと安いので当然か。味は作り立てを出すので値段のわりに悪くはない。 ホテルに戻りシャワー、日記の続き。今夜は少し早く終わった。 por Andrés退職者夫婦の旅と日常(スペイン・旅・留学・巡礼・映画・思索・本・・・)