日露首脳会談で「北方領土」問題が協議されているそうだ。2島返還かなどと取り沙汰されているが、最も重要なことが抜け落ちている。安倍やプーチンはもちろんのこと、メディアの多くも無視あるいは失念していることがある。「北方領土」に住む人々や、そこを故郷あるいは祖先の地とする人々の意思だ。彼らの意思を顧みることなく権力者の都合で領有権が決定されようとしている。これこそが最大の問題だ。

単純に推測すれば、現在生活している人々はロシア領であることを望むだろうし、かつて住んでいた人々は日本領を希望するだろう。この相反する意思をどう調整し解決するか、非常に難しいことなのは誰にでもわかる。

しかし、もし政治に価値があるとすれば、両者の意思をできる限り生かしつつ粘り強く妥協点を探って行くことだろう。国家の都合、権力者の利益のために人々を置き去りにするべきではない。そんな形で領土が返ってきただとか守られただとかというのは、国家や権力を人々よりも上位に置く思考方法で、戦前の日本やソ連時代から一歩も出ていないことを示している。

Andrés政治・経済・国際日記・コラム・つぶやき日露首脳会談で「北方領土」問題が協議されているそうだ。2島返還かなどと取り沙汰されているが、最も重要なことが抜け落ちている。安倍やプーチンはもちろんのこと、メディアの多くも無視あるいは失念していることがある。「北方領土」に住む人々や、そこを故郷あるいは祖先の地とする人々の意思だ。彼らの意思を顧みることなく権力者の都合で領有権が決定されようとしている。これこそが最大の問題だ。単純に推測すれば、現在生活している人々はロシア領であることを望むだろうし、かつて住んでいた人々は日本領を希望するだろう。この相反する意思をどう調整し解決するか、非常に難しいことなのは誰にでもわかる。しかし、もし政治に価値があるとすれば、両者の意思をできる限り生かしつつ粘り強く妥協点を探って行くことだろう。国家の都合、権力者の利益のために人々を置き去りにするべきではない。そんな形で領土が返ってきただとか守られただとかというのは、国家や権力を人々よりも上位に置く思考方法で、戦前の日本やソ連時代から一歩も出ていないことを示している。退職者夫婦の旅と日常(スペイン・旅・留学・巡礼・映画・思索・本・・・)