15:00 今日は8時半に起き,シャワーを浴びる.朝は湯が出る.9時半頃宿の勘定を済ませ,荷物だけ預けてカテドラルに向かう.日曜日の朝の町は静かで,人通りもあまり多くない.しかしカテドラルにはもう多くの参拝者が来て例の祭壇の裏のキリスト像に触れようという人の長い列が出来ている.10時半近くなってやっとミサが始まったので録音するが,周りが騒がしく,うまく音がとれているかどうか.

10時40分頃になって,列車に乗らなければならないので宿へ向かう.宿で荷物を受け取り,駅へ着いたのは11時10分頃.駅のカフェで軽い食事.定刻に少し遅れて列車が来る.

タルゴなのでどんな列車かと思ったら,ディーゼル機関車に引かれた,2年前に座れなくて荷物置き場で過ごしたカタラン・タルゴと同形式のもの.座席は2等でもゆったりと大きく,エアコンが利いて静か.1時頃,斜め後ろの人が座席に食事を運ばせて食べ始めたので,私たちは食堂車に行く.カウンター形式で,タラとステーキが出る.タラは真空包装してあるものを温めるだけだが,なかなか美味い.ステーキは骨付きで車内で焼いて出す.あとはチーズと果物とカフェ.値段は町中のレストランより高いが,味はまあまあ.これで又,念願が一つかなった.あと1時間半程でサモーラに着く.

配偶者は今,前の席の子供3人を相手に遊んでいる.ちょっと揺れが大きくて書きにくい.

外の景色は少しずつ大きな樹が少なくなり,次第に乾燥してきているのが分かるが,この辺りはやたらとトンネルが多い.トンネルをくぐりながら徐々に高度を上げて行っているようだ.

18:50 サモーラ駅には定刻に15分程遅れ,17時頃に到着.駅を出た所は閑散としており,坂の上の方に新興アパートが見える.通りがかりの人に中心街の方向を尋ね,歩きはじめる.道の両側は出来たばかりや,まだ建設中の団地.5分も歩かないうちにアパートの一つにペンションの表示があるので入ってみる.苦労して階段を3階まで上り,ブザーを押すが,誰も出て来ない.仕方なく又中心街への道を歩きはじめる.やがて手持ちの地図の範囲内に到着.オスタルを見つけるが,ツーリスモが近いので先ずそちらへ行ってみる.しかしツーリスモは休み.少し道を引き返して途中見たオスタルに行くが,満員.そのすぐ裏手のオスタルに行き,部屋がとれる.ベッドに洗面台がついた小さな部屋で850pts..建物の最上階にあってエレベーターもないが,面倒なのでここに決める.投宿は18時.荷物の整理を少ししてから町に出,歩行者専用になっているツーリスモ前の道(Calle de Santa Clara)を歩く.人出がだいぶ多くなって来ている.夕方の散歩だろうか.パラドールがあるのでそこに入り,中のバルでリモナーダを飲んで一休み.

パラドールは石造りのがっちりした建物で,比較的大きなもの.もとがどんな用途の建物だったのかは不明だが,内部もきれいで落ち着いた雰囲気.今座っている所も木の床がピカピカにみがかれ,大きな総皮張りのソファが間隔をとって置いてある.こういう所に泊まれたらとも思うが,高いので休むだけにしよう.これでパラドールに入るという目的も達成.

サモーラの町は観光地でもないので,道行く人々はほとんど地元の人ばかりで,私達が歩いていると日本人が珍しいのだろう,振り返る人もいる.このような何ということもない普通の町に一晩泊まるのも,観光地などよりよほど興味深いものがある.これからローマ橋や城壁を見ながら夜まで町中を散歩しようと思っているが,人々のどんな生活が見られるか楽しみである.

19:20 サモーラはさすがにスペイン中央部メセタに近いせいか,駅を出て日向に入った途端に陽光の強さを感じる.今朝までの涼しいガリシアとは違う,スペインの太陽.それでもやはり影に入ると汗はさっと引いて行く.大地は赤茶けた不毛に近い様相を見せ,人の手の入らない荒野と,やっと耕作のあとの見える所でもせいぜい牧草しか作っていない様子.しかもその牧草も夏の今は刈り取られたあとの枯れた茎が残されているのみで,秋までは放置されるようだ.

23:30 パラドールの裏手の坂を下りてドゥエロ川にかかるローマ橋へ行く.

橋はアスファルト舗装の二車線の道路になっている.下の石造の部分がローマ時代のものなのだろうが,あまり古さを感じさせない.橋の半ばまで歩いて行ってみる.水は沢山流れているが,あまりきれいではない.向こう岸では人々が泳いでいるようだ.橋を引き返し,城壁へ向かって川沿いの道を行く.それ程高くはないが,あまり崩れずに城壁が残り,その内側が公園になっていて,そろそろ散歩の人々が出てきている.ファランヘ党のマークの矢を束ねたものがつけられた十字架がある公園などにも寄りながらパラドールの前の道まで戻る.

この頃にはものすごい人出で,道は歩行者でぶつかりながら歩くほどの混雑になる.沿道の店は全部閉まっているのに,ウィンドーを覗きながら人々が通る.見渡すと,道が狭いせいもあるが,人の頭で道が埋められている.前に行ったミランダのよう.又ここの若いカップルはスペインにしては珍しく人目をはばからずに密着している.途中,食べ物屋はないかと探して行くが,見つからないので,ホセ・アントニオ通りに出て一軒のバルに入る.Vinoを頼むと小さなグラスに一杯ついで出す.つまみを二皿(ナスの揚げ物とゆで卵).あまり食べるものがないので場所を移すことにして勘定を聞くと最初に答えた若いボーイは90pts.,払う時に来た中年の方は60pts.と言うので,60pts.払う.只みたいに安い.すぐ近くのレストランに入り,卵,ハム,サラダ,Zumo de Tomateを頼む.トマトサラダだと思っていたら出て来たのはトマトジュース.これは苦手だが,一寸飲んでみるとそれ程不味くはない.レストランを出て又ほんの少し散歩してから宿に戻る.人出はいくらか少なくなっており,カフェももう店じまいをしている.

城壁からは郊外が見渡せたが,古い家を取り壊して新しいアパートを次々に建てている様子が見られる.新しいアパートの間にはプールも造られている.また畑の方を見ると,スプリンクラーで撒水している部分だけが緑になっていて,そのすぐ隣の土地は茶色に枯れている.いかにこの地方では夏の水が耕地にとって決定的かがよく分かる.

東洋人が珍しく,通るとこちらを眺めたり振り返ったりするだけではなく,後ろで何か言っているのが聞こえる.

このサモーラの町には靴屋が多い.散歩の人々は精一杯着飾って通りに出てきている.どこのパーティーに出るのかと思うような服装の女性.濃い化粧をした女.小学生ぐらいの女の子も口紅をつけて歩いている.特に子供たち,それも家族連れで散歩している子供たちはまさに子供服のファッションショーをやっているようだ.

Andrésスペイン旅行スペイン旅行15:00 今日は8時半に起き,シャワーを浴びる.朝は湯が出る.9時半頃宿の勘定を済ませ,荷物だけ預けてカテドラルに向かう.日曜日の朝の町は静かで,人通りもあまり多くない.しかしカテドラルにはもう多くの参拝者が来て例の祭壇の裏のキリスト像に触れようという人の長い列が出来ている.10時半近くなってやっとミサが始まったので録音するが,周りが騒がしく,うまく音がとれているかどうか. 10時40分頃になって,列車に乗らなければならないので宿へ向かう.宿で荷物を受け取り,駅へ着いたのは11時10分頃.駅のカフェで軽い食事.定刻に少し遅れて列車が来る. タルゴなのでどんな列車かと思ったら,ディーゼル機関車に引かれた,2年前に座れなくて荷物置き場で過ごしたカタラン・タルゴと同形式のもの.座席は2等でもゆったりと大きく,エアコンが利いて静か.1時頃,斜め後ろの人が座席に食事を運ばせて食べ始めたので,私たちは食堂車に行く.カウンター形式で,タラとステーキが出る.タラは真空包装してあるものを温めるだけだが,なかなか美味い.ステーキは骨付きで車内で焼いて出す.あとはチーズと果物とカフェ.値段は町中のレストランより高いが,味はまあまあ.これで又,念願が一つかなった.あと1時間半程でサモーラに着く. 配偶者は今,前の席の子供3人を相手に遊んでいる.ちょっと揺れが大きくて書きにくい. 外の景色は少しずつ大きな樹が少なくなり,次第に乾燥してきているのが分かるが,この辺りはやたらとトンネルが多い.トンネルをくぐりながら徐々に高度を上げて行っているようだ. 18:50 サモーラ駅には定刻に15分程遅れ,17時頃に到着.駅を出た所は閑散としており,坂の上の方に新興アパートが見える.通りがかりの人に中心街の方向を尋ね,歩きはじめる.道の両側は出来たばかりや,まだ建設中の団地.5分も歩かないうちにアパートの一つにペンションの表示があるので入ってみる.苦労して階段を3階まで上り,ブザーを押すが,誰も出て来ない.仕方なく又中心街への道を歩きはじめる.やがて手持ちの地図の範囲内に到着.オスタルを見つけるが,ツーリスモが近いので先ずそちらへ行ってみる.しかしツーリスモは休み.少し道を引き返して途中見たオスタルに行くが,満員.そのすぐ裏手のオスタルに行き,部屋がとれる.ベッドに洗面台がついた小さな部屋で850pts..建物の最上階にあってエレベーターもないが,面倒なのでここに決める.投宿は18時.荷物の整理を少ししてから町に出,歩行者専用になっているツーリスモ前の道(Calle de Santa Clara)を歩く.人出がだいぶ多くなって来ている.夕方の散歩だろうか.パラドールがあるのでそこに入り,中のバルでリモナーダを飲んで一休み. パラドールは石造りのがっちりした建物で,比較的大きなもの.もとがどんな用途の建物だったのかは不明だが,内部もきれいで落ち着いた雰囲気.今座っている所も木の床がピカピカにみがかれ,大きな総皮張りのソファが間隔をとって置いてある.こういう所に泊まれたらとも思うが,高いので休むだけにしよう.これでパラドールに入るという目的も達成. サモーラの町は観光地でもないので,道行く人々はほとんど地元の人ばかりで,私達が歩いていると日本人が珍しいのだろう,振り返る人もいる.このような何ということもない普通の町に一晩泊まるのも,観光地などよりよほど興味深いものがある.これからローマ橋や城壁を見ながら夜まで町中を散歩しようと思っているが,人々のどんな生活が見られるか楽しみである. 19:20 サモーラはさすがにスペイン中央部メセタに近いせいか,駅を出て日向に入った途端に陽光の強さを感じる.今朝までの涼しいガリシアとは違う,スペインの太陽.それでもやはり影に入ると汗はさっと引いて行く.大地は赤茶けた不毛に近い様相を見せ,人の手の入らない荒野と,やっと耕作のあとの見える所でもせいぜい牧草しか作っていない様子.しかもその牧草も夏の今は刈り取られたあとの枯れた茎が残されているのみで,秋までは放置されるようだ. 23:30 パラドールの裏手の坂を下りてドゥエロ川にかかるローマ橋へ行く. 橋はアスファルト舗装の二車線の道路になっている.下の石造の部分がローマ時代のものなのだろうが,あまり古さを感じさせない.橋の半ばまで歩いて行ってみる.水は沢山流れているが,あまりきれいではない.向こう岸では人々が泳いでいるようだ.橋を引き返し,城壁へ向かって川沿いの道を行く.それ程高くはないが,あまり崩れずに城壁が残り,その内側が公園になっていて,そろそろ散歩の人々が出てきている.ファランヘ党のマークの矢を束ねたものがつけられた十字架がある公園などにも寄りながらパラドールの前の道まで戻る. この頃にはものすごい人出で,道は歩行者でぶつかりながら歩くほどの混雑になる.沿道の店は全部閉まっているのに,ウィンドーを覗きながら人々が通る.見渡すと,道が狭いせいもあるが,人の頭で道が埋められている.前に行ったミランダのよう.又ここの若いカップルはスペインにしては珍しく人目をはばからずに密着している.途中,食べ物屋はないかと探して行くが,見つからないので,ホセ・アントニオ通りに出て一軒のバルに入る.Vinoを頼むと小さなグラスに一杯ついで出す.つまみを二皿(ナスの揚げ物とゆで卵).あまり食べるものがないので場所を移すことにして勘定を聞くと最初に答えた若いボーイは90pts.,払う時に来た中年の方は60pts.と言うので,60pts.払う.只みたいに安い.すぐ近くのレストランに入り,卵,ハム,サラダ,Zumo de Tomateを頼む.トマトサラダだと思っていたら出て来たのはトマトジュース.これは苦手だが,一寸飲んでみるとそれ程不味くはない.レストランを出て又ほんの少し散歩してから宿に戻る.人出はいくらか少なくなっており,カフェももう店じまいをしている. 城壁からは郊外が見渡せたが,古い家を取り壊して新しいアパートを次々に建てている様子が見られる.新しいアパートの間にはプールも造られている.また畑の方を見ると,スプリンクラーで撒水している部分だけが緑になっていて,そのすぐ隣の土地は茶色に枯れている.いかにこの地方では夏の水が耕地にとって決定的かがよく分かる. 東洋人が珍しく,通るとこちらを眺めたり振り返ったりするだけではなく,後ろで何か言っているのが聞こえる. このサモーラの町には靴屋が多い.散歩の人々は精一杯着飾って通りに出てきている.どこのパーティーに出るのかと思うような服装の女性.濃い化粧をした女.小学生ぐらいの女の子も口紅をつけて歩いている.特に子供たち,それも家族連れで散歩している子供たちはまさに子供服のファッションショーをやっているようだ.退職者夫婦の旅と日常(スペイン・旅・留学・巡礼・映画・思索・本・・・)