竹下節子の著作はこれまでに10冊ほど読んできて、カトリック信者だろうとは推測しつつも必要を感じなかったため確認せずにきた。この書の帯には「バロック音楽演奏家」と記されているが、これも間違ではないが、各著作の奥付けなどにはキリスト教史研究者というような肩書きとなっている。実際、そのつもりでこれまで各著書に触れてきたし、内容はもちろん記述のスタイルも日本人キリスト者特有の言い回しはほとんど見られず、その分だけこちらを納得させる部分が多かった。だからこそ10冊もを手に取ってきた。しかしこの「渡り鳥の見たキリスト教」はブログの記事をまとめたもので、油断して地が出てしまったからか、護教的姿勢が散見され、同時に日本人キリスト者の口調も目につくこととなっている。前半は比較的同意できるものだったが、後半は教皇を支持するという姿勢が前面に出てしまい、党派性が目についてかえって説得力が失なわれている。

/images/2022/02/65138dde181075eea65ce9b76f45c615-700x990.jpg/images/2022/02/65138dde181075eea65ce9b76f45c615-150x150.jpgAndrés書籍・雑誌キリスト教,竹下節子竹下節子の著作はこれまでに10冊ほど読んできて、カトリック信者だろうとは推測しつつも必要を感じなかったため確認せずにきた。この書の帯には「バロック音楽演奏家」と記されているが、これも間違ではないが、各著作の奥付けなどにはキリスト教史研究者というような肩書きとなっている。実際、そのつもりでこれまで各著書に触れてきたし、内容はもちろん記述のスタイルも日本人キリスト者特有の言い回しはほとんど見られず、その分だけこちらを納得させる部分が多かった。だからこそ10冊もを手に取ってきた。しかしこの「渡り鳥の見たキリスト教」はブログの記事をまとめたもので、油断して地が出てしまったからか、護教的姿勢が散見され、同時に日本人キリスト者の口調も目につくこととなっている。前半は比較的同意できるものだったが、後半は教皇を支持するという姿勢が前面に出てしまい、党派性が目についてかえって説得力が失なわれている。退職者夫婦の旅と日常(スペイン・旅・留学・巡礼・映画・思索・本・・・)