正月三が日、東京は快晴続きで、日向は温かく気持ちの良い毎日だった。近くの公園では家族連れや子供たち、お年寄りや若い人、毎日様々な人たちがやってきて遊び、散歩し、ランニングに汗を流し、飼い犬と戯れていた。2~3組の親子連れが凧揚げをしていたが、彼らには残念なことに風がほとんどなく、糸を持って走っても5mほどの高さまでしか上がらず、風に乗せられるまでに至る人はいなかった。そのせいか、毎年見られる木にかかった凧の姿もなかった。

冬の東京は良い。東京の街は大き過ぎ、人が多過ぎ、好きではない。しかし東京の冬は澄んだ青空が広がり、冷たい空気が心地良く、働いていたころは職場の窓を通して青空が目に入るたびに、「仕事を放り出して広い公園に行ってしまいたい」と思ったものだ。11月末から1月初めまでは東京で暮らすのも悪くない。

今回も年賀状をいつも通りに出した。暮れには「年賀状終い」をしようかと考え文面まで作ったのだが、賀状のやり取りも以前の半分以下にまで減ってきているし、年に一度のやり取りになっている人とは、だからこそ続ける意味があるのではと思ったのだ。これからも可能な限り続けることにした。このところ毎年のように「年賀状終い」を告げてくる人がいて寂しく感じたためでもある。

一方で、あて先不明で帰ってくる賀状も数年に一枚はある。その中の一人暮らしだった友人は、重病を患って賀状を書く力もなくなった末に亡くなってしまったと、後日遺族の方から知らされた。もう一人賀状が返送されてくる友人がいる。電話をかけても出てくれない。「この電話は使用されていません」という音声が流れるわけでもない。私と彼との間に気まずいことがあったわけでもないので、どんな状況なのか想像もできないのだが、70歳を越した者としては気がかりだ。

日差しのたっぷり入り込むわが家の居間では、暖房なしでも暖かく、まどろみたくなってしまう。世界ではクリスマスも正月も関係なく悲惨な出来事が続いていても。

/images/2023/01/faf0bedca9ed40745f6d620299dc0f81-700x434.jpg/images/2023/01/faf0bedca9ed40745f6d620299dc0f81-150x150.jpgAndrés日記・コラム・つぶやき年賀状,年賀状終い,快晴,東京,正月正月三が日、東京は快晴続きで、日向は温かく気持ちの良い毎日だった。近くの公園では家族連れや子供たち、お年寄りや若い人、毎日様々な人たちがやってきて遊び、散歩し、ランニングに汗を流し、飼い犬と戯れていた。2~3組の親子連れが凧揚げをしていたが、彼らには残念なことに風がほとんどなく、糸を持って走っても5mほどの高さまでしか上がらず、風に乗せられるまでに至る人はいなかった。そのせいか、毎年見られる木にかかった凧の姿もなかった。 冬の東京は良い。東京の街は大き過ぎ、人が多過ぎ、好きではない。しかし東京の冬は澄んだ青空が広がり、冷たい空気が心地良く、働いていたころは職場の窓を通して青空が目に入るたびに、「仕事を放り出して広い公園に行ってしまいたい」と思ったものだ。11月末から1月初めまでは東京で暮らすのも悪くない。 今回も年賀状をいつも通りに出した。暮れには「年賀状終い」をしようかと考え文面まで作ったのだが、賀状のやり取りも以前の半分以下にまで減ってきているし、年に一度のやり取りになっている人とは、だからこそ続ける意味があるのではと思ったのだ。これからも可能な限り続けることにした。このところ毎年のように「年賀状終い」を告げてくる人がいて寂しく感じたためでもある。 一方で、あて先不明で帰ってくる賀状も数年に一枚はある。その中の一人暮らしだった友人は、重病を患って賀状を書く力もなくなった末に亡くなってしまったと、後日遺族の方から知らされた。もう一人賀状が返送されてくる友人がいる。電話をかけても出てくれない。「この電話は使用されていません」という音声が流れるわけでもない。私と彼との間に気まずいことがあったわけでもないので、どんな状況なのか想像もできないのだが、70歳を越した者としては気がかりだ。 日差しのたっぷり入り込むわが家の居間では、暖房なしでも暖かく、まどろみたくなってしまう。世界ではクリスマスも正月も関係なく悲惨な出来事が続いていても。退職者夫婦の旅と日常(スペイン・旅・留学・巡礼・映画・思索・本・・・)