朝食はホテルで和定食と洋定食。ごく普通のもので、質もビジネスホテルの朝食ビュッフェより少し上といった程度。

9時20分にチェックアウトして納沙布岬の「望郷の家」に向かう。小雨が降って寒い。気温は10度に満たない。

「望郷の家」やその周辺は「北方領土」関係のもので覆われている。

ごくわずか、アイヌの土地だったことに触れてあるが、それは全体の1%にも満たない。繰り返し繰り返し強調されているのは、「北方領土」が古来より日本固有の領土であるということ。アイヌの土地だったということは現実には完全に無視されている。要するに、アイヌは国家を持たなかったのでその土地を日本国家が領有することには何の問題もないが、日本は国家なのでその土地をロシアが領有しようとすることは認められない、という理屈だ。国家主義のぶつかり合いでしかないし、領土問題はどこであろうと基本的には同じだ。そんな国家主義に与する義理はないので、もちろん署名などしなかった。「望郷の家」の中に置かれた望遠鏡を覗いても、雨と霧で「北方領土」の島はかすかにしか見えなかった。

根室方向に戻り、停まったホテルの前を通過して野付半島の「トドワラ」に向かう。小雨だったものが本降りに変わる。「野付半島ネイチャーセンター」に着いて、まずは昼食。

豚丼とホタテバーガーセット。ホタテバーガーセットには牛乳500mlが付いてくる。豚丼は帯広で食べたものの方がはるかに美味しかったが、ホタテバーガーは結構美味しかった。牛乳は別海産で、もちろん美味しい。

センターの脇からトドワラへ行く「トラクターバス」があるので、晴れていれば歩ける距離だが風雨の強い今日の天気ではバスを利用するしかない。トラクターに引かれた客室だけの車両に乗る。

片道10分ほどでトドワラに着き、そこから細い木道を歩いてトドワラの近くまで行く。バス案内所の人が、「強風なので高齢者には木道を歩くのはお勧めしません。手すりもないので落ちると大変ですから」と言っていたが、歩いてみる。

雨なので傘を差して進むが、横からの強風で傘は折れそうで飛ばされないように踏ん張って歩かなければならない。木道の往復20分ほどだったが、大変な道のりだった。トドワラはほとんど消えかっていて、ほんの数本しか残っておらず、あと数年で完全に消滅しそうだ。

センターに戻って、冷え切った体を温めるのも兼ねて2階の資料展示を見て回る。写真を見ると1970年ごろは立ち枯れた木がたくさんあったのが、50年間で急減したのがよくわかる。

少し戻ったところにある「ナラワラ」はまだ残っている木が多いが、トドワラ消滅後はナラワラが観光化されて、減少速度が増すのではないか。

網走に向かって走ると途中に「天に続く道」と名付けられた長く続く一直線の道路がある。いくらか起伏はあるので、登り部分が天に続くように見えるということかもしれないが、車も少なく延々と直線を速度も変えずに走っていると眠気に襲われてウトウトしてしまい、「天国に続く」道に思えてしまった。「道の駅 葉菜野花(はなやか)小清水」で休憩して一眠り。

網走市内のホテル「ドーミーイン網走」に宿泊。夕食は隣のレストランでと思っていたが、休み。Googleマップでは営業中になっているのだが、スペインでも日本でも休業日の情報は当てにならない。

近くのお好み焼き屋に入る。どうということもない味。

ホテル向かいのコンビニで翌日の朝食にパンとヨーグルトを買って帰る。

ホテルでは大浴場を出たところでアイスキャンディーの無料サービス、21時半からは夜鳴きそばのサービス。

知床を控えているからか、外国人の宿泊者が多い。

/images/2024/06/image-57-jpg.webp/images/2024/06/image-57-150x150.webpAndrés国内旅行アイヌ,トドワラ,トラクターバス,ナラワラ,ホタテバーガー,北方領土,天に続く道,望郷の家,納沙布岬,野付半島ネイチャーセンター朝食はホテルで和定食と洋定食。ごく普通のもので、質もビジネスホテルの朝食ビュッフェより少し上といった程度。 9時20分にチェックアウトして納沙布岬の「望郷の家」に向かう。小雨が降って寒い。気温は10度に満たない。 「望郷の家」やその周辺は「北方領土」関係のもので覆われている。 ごくわずか、アイヌの土地だったことに触れてあるが、それは全体の1%にも満たない。繰り返し繰り返し強調されているのは、「北方領土」が古来より日本固有の領土であるということ。アイヌの土地だったということは現実には完全に無視されている。要するに、アイヌは国家を持たなかったのでその土地を日本国家が領有することには何の問題もないが、日本は国家なのでその土地をロシアが領有しようとすることは認められない、という理屈だ。国家主義のぶつかり合いでしかないし、領土問題はどこであろうと基本的には同じだ。そんな国家主義に与する義理はないので、もちろん署名などしなかった。「望郷の家」の中に置かれた望遠鏡を覗いても、雨と霧で「北方領土」の島はかすかにしか見えなかった。 根室方向に戻り、停まったホテルの前を通過して野付半島の「トドワラ」に向かう。小雨だったものが本降りに変わる。「野付半島ネイチャーセンター」に着いて、まずは昼食。 豚丼とホタテバーガーセット。ホタテバーガーセットには牛乳500mlが付いてくる。豚丼は帯広で食べたものの方がはるかに美味しかったが、ホタテバーガーは結構美味しかった。牛乳は別海産で、もちろん美味しい。 センターの脇からトドワラへ行く「トラクターバス」があるので、晴れていれば歩ける距離だが風雨の強い今日の天気ではバスを利用するしかない。トラクターに引かれた客室だけの車両に乗る。 片道10分ほどでトドワラに着き、そこから細い木道を歩いてトドワラの近くまで行く。バス案内所の人が、「強風なので高齢者には木道を歩くのはお勧めしません。手すりもないので落ちると大変ですから」と言っていたが、歩いてみる。 雨なので傘を差して進むが、横からの強風で傘は折れそうで飛ばされないように踏ん張って歩かなければならない。木道の往復20分ほどだったが、大変な道のりだった。トドワラはほとんど消えかっていて、ほんの数本しか残っておらず、あと数年で完全に消滅しそうだ。 センターに戻って、冷え切った体を温めるのも兼ねて2階の資料展示を見て回る。写真を見ると1970年ごろは立ち枯れた木がたくさんあったのが、50年間で急減したのがよくわかる。 少し戻ったところにある「ナラワラ」はまだ残っている木が多いが、トドワラ消滅後はナラワラが観光化されて、減少速度が増すのではないか。 網走に向かって走ると途中に「天に続く道」と名付けられた長く続く一直線の道路がある。いくらか起伏はあるので、登り部分が天に続くように見えるということかもしれないが、車も少なく延々と直線を速度も変えずに走っていると眠気に襲われてウトウトしてしまい、「天国に続く」道に思えてしまった。「道の駅 葉菜野花(はなやか)小清水」で休憩して一眠り。 網走市内のホテル「ドーミーイン網走」に宿泊。夕食は隣のレストランでと思っていたが、休み。Googleマップでは営業中になっているのだが、スペインでも日本でも休業日の情報は当てにならない。 近くのお好み焼き屋に入る。どうということもない味。 ホテル向かいのコンビニで翌日の朝食にパンとヨーグルトを買って帰る。 ホテルでは大浴場を出たところでアイスキャンディーの無料サービス、21時半からは夜鳴きそばのサービス。 知床を控えているからか、外国人の宿泊者が多い。退職者夫婦の旅と日常(スペイン・旅・留学・巡礼・映画・思索・本・・・)