ハルノ宵子『隆明だもの』晶文社
吉本隆明の長女が父親のことを書いたもの。隆明が主ではあるが、母や妹の吉本ばななも含めて、吉本家の暮らしが描かれている。隆明の著書からは全く推し測ることのできない暮らし、特に最晩年のほとんど失明状態だったころのことは、決して熱心な読者ではなかった私が「吉本もついに書けなくなってしまったのか。対談類ばかりで」と思っていた時期だったので腑に落ちるものがあった。
私小説作家ではないのだから、生活実態を知ったからと言って著書の読み方が変わるものではない。しかしわずかではあるが触れられている娘からの読みと、一読者である私からのそれとの違いが興味深かった。
一方で著者、ハルノ宵子は隆明の根幹を最も学び受け継いでいるようにも思えた。「群れるな。ひとりが一番強い」という。
https://dosperegrinos.net/2024/11/03/%e3%83%8f%e3%83%ab%e3%83%8e%e5%ae%b5%e5%ad%90%e3%80%8e%e9%9a%86%e6%98%8e%e3%81%a0%e3%82%82%e3%81%ae%e3%80%8f%e6%99%b6%e6%96%87%e7%a4%be//images/2024/11/仮001-700x1001.webp/images/2024/11/仮001-150x150.webp書籍・雑誌ハルノ宵子,吉本隆明,隆明だもの吉本隆明の長女が父親のことを書いたもの。隆明が主ではあるが、母や妹の吉本ばななも含めて、吉本家の暮らしが描かれている。隆明の著書からは全く推し測ることのできない暮らし、特に最晩年のほとんど失明状態だったころのことは、決して熱心な読者ではなかった私が「吉本もついに書けなくなってしまったのか。対談類ばかりで」と思っていた時期だったので腑に落ちるものがあった。 私小説作家ではないのだから、生活実態を知ったからと言って著書の読み方が変わるものではない。しかしわずかではあるが触れられている娘からの読みと、一読者である私からのそれとの違いが興味深かった。 一方で著者、ハルノ宵子は隆明の根幹を最も学び受け継いでいるようにも思えた。「群れるな。ひとりが一番強い」という。Andrés andres@nifty.comAdministratorDos Peregrinos
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