動画 Calzada de Valdunciel〜Villanueva de Cañedo

7時起床。

昨夜は寒かった。暖房は断続的にしか入らず、しかも弱い。靴下を履いてダウンの上着を着てベッドに入ったが、夜中に何度も目が覚め、もう一着ダウンを重ね着した。

6時ごろから物音が聞こえ始め、6時半ごろにはいくつかの部屋で起きて支度を始めている気配。下の食堂からも物音。

8時過ぎに朝食をとりに外出しようと下に降りると、もう誰もいない。部屋の扉も全て開けてあり、全員出発し終えた模様。朝食のために国道に出たところにあるEl Pozoに行くが、Tostadaを注文するとパンはない、とのぶっきらぼうな返事。カウンターにも何もないので、さっさと諦めて近くのガソリンスタンドに行くことにする。ドイツ人夫婦がいたが、彼らは食べられたのだろうか。ガソリンスタンドはもちろん営業していて、コーヒーの自販機はないのでジュースを買い、マフィン12個入りの袋を買う。少し多いが、朝食と歩く途中の栄養補給には良いだろう。買ったものを宿に持ち帰り、食堂で食べる。なんとも味気ないが食べられるだけでもよしとしなければ。

9時過ぎにAlbergueを後にする。誰もいない。

前の道がCamino。今日は朝から晴れて空気は冷たいが風はない。ダウンも着て、手袋もすると、歩いてちょうど良い気候。

歩きはじめて数十メートルで町の外れ、舗装道路が終わり牧草地の中をほぼ一直線に伸びる道になる。

右手の小高いところにオブジェがあるが、これは麦畑にコウノトリを描いたもの。

しばらくすると分かれ道にPeregrinoの絵看板もあったが。

一人の男が2頭のシェパードを連れて散歩していたが、町から1〜2kmほどのところで引き返していった。

あとは直線の道を緩やかに上ったり下ったりしながら、広大な農地の中を進む。

変化はせいぜい牧草の育ち具合、耕耘だけが済んだ畑、ごく稀に現れる野菜を作っているらしい畑。

ようやく人影を見かけたのは、遠くの畑で巨大な散水機を修理している男たち。

昨日の豪雨で心配していた道の状態だが、排水の良い細かい砂利状の土のおかげで、水たまりは少なく順調に進むことができた。

ところが地図上では国道に出るように見える部分が近づくと、一気の道の状況は悪化し、土は白っぽい粘土質や赤土に、そこを大型農耕車が通って掘り返し練り返し、泥水が溜まり、歩ける部分を必死で探しながら進むことにある。それでもどうしても泥に靴を踏み入れざるを得ないところがあり、一瞬で泥で靴は覆われてしまう。

防水機能で内部まで水が入ってくることはなかったが、靴の表面は泥に覆われてしまう。

そんな時、配偶者が泥で滑ってバランスを崩し、もう少しで転倒という危機に。なんとか杖のおかげもあって体勢を立て直すことができたが、そこで転倒すると完全に泥の中に倒れ込み、バックパックも含めて身体中が泥に覆われてしまうところだった。危機一髪。

そこから先は高速道路に沿って進む道で、上ったり下ったりが繰り返される。

そんな中でも時折水溜りが邪魔をする。やがてCaminoが高架になった高速道路の下に入ったところで、柱に描かれた黄色い矢印が左右両方向を指している。Caminoの方向としては左が正しいように思え、そちらにはSin Aguaと書き添えられている。しかしその先に見えるのは大きな水溜り。Caminoの方角の正反対を示す右向きの矢印にはCon Aguaと書かれている。単純なスペイン語だが、ここでは何を意味するか理解できない。ともかく左は越えられそうもない水溜りが見えるので、右に進んでみる。するとしばらく引き返すような方向に進んだ道は国道に出て、Caminoの進むべき方向に行くようになる。

下を見ると、Caminoの左向きの矢印が示した方向に進んだ道は川の流れに行手を阻まれている。真夏の渇水期には渡れるのかもしれないが、今は久しぶりに靴カバーを使ったとしてもとても渡れないほどの水量。

しばらく国道を進むとまた高速道路を潜って反対側に出て、もとのCaminoの延長上に戻ることになる。

腰を下ろして休む場所もなく、ようやく見つけた乾いたコンクリート面にバックパックを下ろし、Caminoを示す細い石柱になんとか座って休憩。バナナやマフィンで体力回復。再び歩き始めるとすぐに木のベンチが置かれている。これまでに例のない手作りベンチの設置。残念。

まもなく今日の宿に向かうためにCaminoを離れて高速道路を越えて右方向へ進む。

高速道路を越え、並行する国道を渡ったところに、数日前に助けられた鉄道廃線跡の遊歩道、Ferrocarril Via de la Plata がある。あの道の延長なのか、同様の意図で作られたものなのかは分からないが、そこから北の方へは遊歩道が作られており、南の方は整備されていない。明日、この道を進むかどうか検討してみよう。

牧場の中をまっっすぐに東に向かって2kmほど進んで、今夜の宿Castillo del Buen Amorに到着。

敷地入口の門は閉じられているが、ブザーを押すとすぐに開けてくれる。そこからまた数百メートル歩いて城に到着。

途中ではロバがこちらを見つめ、桜のような並木があり、久しぶりに葡萄畑も見える。13時。

城を改装して作ったらしいまるでパラドールのような宿。結婚式場も併設しているらしい。

チェックイン時に14時からの昼食のレストランのテーブルを予約。内部は複雑で、部屋まで案内してもらう。レセプションから外に出て狭い階段を下ると向き合って部屋がある。左側が私たちの部屋。

入ると暖かく暖房の効いた部屋。広い部屋、重そうな家具、窓はプールのある庭に面した小さなものが一つだけ。広いシャワーコーナーと、それとは別にバスタブ。

これで宿泊費は昨夜の2倍ほどだが、部屋の占有面積は3倍、快適さは数十倍、こちらは朝食付き。また一部の私営Albergueの価格の異常さを感じる。

14時にレストランに行くと、客は私たちだけ。

アラカルトで、Selección de Ibéricos de Bellota ‘Juan Fco Gil e Hijos’ y ‘La Hoja de Carrasco’: Jamón, Lomo, Chorizo y Salchichón Ibéricos とEnslada de Escarola con Granada, Cecina de León y Vinagreta de nuestro Syrah Escarole とCostilla bérica de “La Hoja de Carrasco。

 

飲み物はグラスワイン赤とAgua Con gas。

デザートはTorrija de Brioche CaramelizadaとSuflé de Chocolate Caliente。

そして最後はCafé cortado。味も良く量も適度で、CamareraもCamareroも静かに落ち着いていて、調理場からの物音や話し声もほとんど聞こえず、静かな音楽が低く流れる。心地よい2時間以上をかけた昼食。最後まで他の客は来なかった。

城の内外を少し散策してみる。城としては小さいが、内部は複雑で、レセプション、いくつかのサロン、レストラン、カフェテリア、二十数室あると思われる客室が点在している。

部屋に戻って明日の宿の予約。El Cubo de Tierra del Vino まで歩き、そこからバスでZamoraに移動して2泊。

昼寝、シャワー、日記、洗濯。

21時半ごろからサロンでコロッケ、マンサニージャ、Agua Con gasで軽い夕食をとりながら日記。他のサロンにも客がいるが、話し声は聞こえてこない。静かな夜。

城はライトアップされている。



/images/2025/03/IMG_0823-700x394.webp/images/2025/03/IMG_0823-150x150.webpAndrés銀の道 Camino de la PlataCamino,Camino de la Plata,Santiago,サンティアゴ,巡礼動画 Calzada de Valdunciel〜Villanueva de Cañedo 7時起床。 昨夜は寒かった。暖房は断続的にしか入らず、しかも弱い。靴下を履いてダウンの上着を着てベッドに入ったが、夜中に何度も目が覚め、もう一着ダウンを重ね着した。 6時ごろから物音が聞こえ始め、6時半ごろにはいくつかの部屋で起きて支度を始めている気配。下の食堂からも物音。 8時過ぎに朝食をとりに外出しようと下に降りると、もう誰もいない。部屋の扉も全て開けてあり、全員出発し終えた模様。朝食のために国道に出たところにあるEl Pozoに行くが、Tostadaを注文するとパンはない、とのぶっきらぼうな返事。カウンターにも何もないので、さっさと諦めて近くのガソリンスタンドに行くことにする。ドイツ人夫婦がいたが、彼らは食べられたのだろうか。ガソリンスタンドはもちろん営業していて、コーヒーの自販機はないのでジュースを買い、マフィン12個入りの袋を買う。少し多いが、朝食と歩く途中の栄養補給には良いだろう。買ったものを宿に持ち帰り、食堂で食べる。なんとも味気ないが食べられるだけでもよしとしなければ。 9時過ぎにAlbergueを後にする。誰もいない。 前の道がCamino。今日は朝から晴れて空気は冷たいが風はない。ダウンも着て、手袋もすると、歩いてちょうど良い気候。 歩きはじめて数十メートルで町の外れ、舗装道路が終わり牧草地の中をほぼ一直線に伸びる道になる。 右手の小高いところにオブジェがあるが、これは麦畑にコウノトリを描いたもの。 しばらくすると分かれ道にPeregrinoの絵看板もあったが。 一人の男が2頭のシェパードを連れて散歩していたが、町から1〜2kmほどのところで引き返していった。 あとは直線の道を緩やかに上ったり下ったりしながら、広大な農地の中を進む。 変化はせいぜい牧草の育ち具合、耕耘だけが済んだ畑、ごく稀に現れる野菜を作っているらしい畑。 ようやく人影を見かけたのは、遠くの畑で巨大な散水機を修理している男たち。 昨日の豪雨で心配していた道の状態だが、排水の良い細かい砂利状の土のおかげで、水たまりは少なく順調に進むことができた。 ところが地図上では国道に出るように見える部分が近づくと、一気の道の状況は悪化し、土は白っぽい粘土質や赤土に、そこを大型農耕車が通って掘り返し練り返し、泥水が溜まり、歩ける部分を必死で探しながら進むことにある。それでもどうしても泥に靴を踏み入れざるを得ないところがあり、一瞬で泥で靴は覆われてしまう。 防水機能で内部まで水が入ってくることはなかったが、靴の表面は泥に覆われてしまう。 そんな時、配偶者が泥で滑ってバランスを崩し、もう少しで転倒という危機に。なんとか杖のおかげもあって体勢を立て直すことができたが、そこで転倒すると完全に泥の中に倒れ込み、バックパックも含めて身体中が泥に覆われてしまうところだった。危機一髪。 そこから先は高速道路に沿って進む道で、上ったり下ったりが繰り返される。 そんな中でも時折水溜りが邪魔をする。やがてCaminoが高架になった高速道路の下に入ったところで、柱に描かれた黄色い矢印が左右両方向を指している。Caminoの方向としては左が正しいように思え、そちらにはSin Aguaと書き添えられている。しかしその先に見えるのは大きな水溜り。Caminoの方角の正反対を示す右向きの矢印にはCon Aguaと書かれている。単純なスペイン語だが、ここでは何を意味するか理解できない。ともかく左は越えられそうもない水溜りが見えるので、右に進んでみる。するとしばらく引き返すような方向に進んだ道は国道に出て、Caminoの進むべき方向に行くようになる。 下を見ると、Caminoの左向きの矢印が示した方向に進んだ道は川の流れに行手を阻まれている。真夏の渇水期には渡れるのかもしれないが、今は久しぶりに靴カバーを使ったとしてもとても渡れないほどの水量。 しばらく国道を進むとまた高速道路を潜って反対側に出て、もとのCaminoの延長上に戻ることになる。 腰を下ろして休む場所もなく、ようやく見つけた乾いたコンクリート面にバックパックを下ろし、Caminoを示す細い石柱になんとか座って休憩。バナナやマフィンで体力回復。再び歩き始めるとすぐに木のベンチが置かれている。これまでに例のない手作りベンチの設置。残念。 まもなく今日の宿に向かうためにCaminoを離れて高速道路を越えて右方向へ進む。 高速道路を越え、並行する国道を渡ったところに、数日前に助けられた鉄道廃線跡の遊歩道、Ferrocarril Via de la Plata がある。あの道の延長なのか、同様の意図で作られたものなのかは分からないが、そこから北の方へは遊歩道が作られており、南の方は整備されていない。明日、この道を進むかどうか検討してみよう。 牧場の中をまっっすぐに東に向かって2kmほど進んで、今夜の宿Castillo del Buen Amorに到着。 敷地入口の門は閉じられているが、ブザーを押すとすぐに開けてくれる。そこからまた数百メートル歩いて城に到着。 途中ではロバがこちらを見つめ、桜のような並木があり、久しぶりに葡萄畑も見える。13時。 城を改装して作ったらしいまるでパラドールのような宿。結婚式場も併設しているらしい。 チェックイン時に14時からの昼食のレストランのテーブルを予約。内部は複雑で、部屋まで案内してもらう。レセプションから外に出て狭い階段を下ると向き合って部屋がある。左側が私たちの部屋。 入ると暖かく暖房の効いた部屋。広い部屋、重そうな家具、窓はプールのある庭に面した小さなものが一つだけ。広いシャワーコーナーと、それとは別にバスタブ。 これで宿泊費は昨夜の2倍ほどだが、部屋の占有面積は3倍、快適さは数十倍、こちらは朝食付き。また一部の私営Albergueの価格の異常さを感じる。 14時にレストランに行くと、客は私たちだけ。 アラカルトで、Selección de Ibéricos de Bellota 'Juan Fco Gil e Hijos' y 'La Hoja de Carrasco': Jamón, Lomo, Chorizo y Salchichón Ibéricos とEnslada de Escarola con Granada, Cecina de León y Vinagreta de nuestro Syrah...退職者夫婦の旅と日常(スペイン・旅・留学・巡礼・映画・思索・本・・・)