動画 Santiago de Compostela〜Madrid

7時起床。8時過ぎからホテルの食堂で朝食ビュッフェ。内容に特に変わったものはないが、ミニクロワッサンがクロワッサンの形をしたパンだったのでがっかり。またチョコパイ、ビスコッチョ、レーズンパイなども小さいので試してみたが、あまり美味しくない。ジュースは3種、コーヒーも数種類あって熱いのが飲めるので、飲み物に不満はない。あとはチーズ、ヨークハム、メンブリージョ、生ハムでごく普通。ホテルの朝食にしては10€と安いので文句は言えない。

9時20分にチェックアウトしてSantiago de Compostela駅へ。雨が心配だったが、朝から晴れ間がのぞき、気温は一桁だが寒くはない。駅まではほとんど下りなので楽。

途中、アラメダ公園前を通る。入口に「パレスチナに自由を」の横断幕。少しだけ公園内に入りAs dúas Maríasにあいさつ。

駅に着いてみるとずいぶん混んでいる。やはりSemana Santaの影響なのだろうか。早めに着いたので待つことになるが、駅舎内のベンチは全て埋まっている。駅前のベンチが空いていたので座って待つが、寒くはないので助かる。10時36分発で、10時15分ごろから荷物検査。比較的順調に進み、ホームへ。例によってホームは分かるが乗車位置は不明。私たちは12号車だが、どちらが先頭かもわからない。幸い5分前に列車はやって来た上に私たちが待っていた位置の近くに12号車が停まったので戸惑うことはなかった。座席は2列+3列配置で、私たちは3列の窓側と真ん中。車内はほぼ満席。この混み具合だと駅に来て切符を買おうとした人の中には乗れなかった人もいるのではないか。

定刻に発車。最初の停車駅はOurense。車窓の風景は一昨日まで歩いていた時と同じ。あんな道を歩いたのだと、ほんの数日しか経っていないのに懐かしくさえある。Ourenseの次はZamoraに停車。これも懐かしい風景。そして終着のMadrid Chamartín駅。その間はうとうとしながらだが、景色は起伏の少ない大平原。ここの道は楽だけど退屈かもしれない、村や町が離れていそうでその点は大変だろうなどとぼんやり考えていた。

Chamartín 駅に着いてAtocha駅へ移動しなければならないが、ホームはどこかと到着ホームから近郊線の方に歩いていると、Atocha行きの列車が出るとの表示を見つける。そのホームに上がり停まっている列車に乗ると、近くにいる女性が「これは行かないよ、Atochaへは7番線だよ」と叫ぶ。慌てて降りてみるがとうの女性もよく分かっていないようで右往左往している。ところがホームの電光掲示板を見ると向かいの列車がAtochaを通る。その列車に乗り込むとすぐに発車。乗客の一人に確かめるとAtochaに停まるとのこと。

Atocha駅に着いて予約してある駅前のHotel Mediodíaにチェックイン。部屋は異様に広い。まるで二部屋分で半分にベッド、反対側の壁にロッカーと机。その間のがらんとした空間にテーブルと椅子2脚が置いてあるが、何もない空間が広がりダンスが踊れるほど。バスルームも狭めのホテルの倍はある。二つ星ホテルだが、冷蔵庫もありテレビも画面が大きい。これならMadridの定宿にしても良いかもしれない。

15時近いので昼食に出かける。部屋の窓から見るとすぐそこにMuseo Nacional Centro de Arte Reina Sofíaが見える。以前そこのレストランで昼食をとって良かった記憶があるので、行くことに。確かにホテルから1分と近いが、美術館は今日は休み。レストランは空いているので入るが、どうも記憶と違う。

飲み物はVino tintoとAgua con gas。料理はTortilla de patata individualとRigatoni con gambones al ajillo。パンにサラミとオリーブがついてきた。どれも美味しかったが、小洒落ていて量は少な目、値段は高め。さすがにMadrid中心部だ。

食事中に雨が少し降り、寒くなって来たので、一度ホテルに戻り重ね着をして傘を持って出かけ直す。Museo Pladoの夕方の無料入場が目的。

18時からだが、17時15分に着くともう長い行列。プラド美術館の正面から見て左端が入場口だが、列は美術館の中央にまで伸びている。係員に前もって入場券を入手する必要はないかを確認して列に並ぶ。雨は降っておらず、風はあるものの重ね着をして来たおかげで寒くはない。

18時から無料入場が始まって列が進みはじめる。窓口に着いて入場券をもらい、別n入口に移動して荷物検査。これに少し時間がかかり、入場できたのは18時15分だった。

今回は配偶者がベラスケスのラス・メニーナスをもう一度じっくり見たいという希望を叶えるため。入場するとすぐベラスケスの部屋に直行。ラス・メニーナスをじっくり、近く遠く鑑賞。さらに他の作品も。しかし私としてはベラスケスは好きではない。絵は確かに上手いと思うが。主席宮廷画家が描いた宮廷画家の作品の典型を絵に描いたようなもの。主席宮廷画家という地位の官僚が、忠実に職務を遂行したもの。

ベラスケスの次に他の作家はには目もくれずゴヤを見に行く。彼が描いた王侯貴族の肖像画から見て取れるのは、露骨なほどの王家の人間たちの醜い内面。こんな作品を描くゴヤを宮廷画家に据え置いていたのが不思議。宮廷内の権力闘争が微妙なバランスでゴヤの地位を保たせていたのだろうか。それにしてもこうした醜い内面を容赦なく描き、ナポレオン戦争の惨禍を、さらに晩年には自宅に「黒い絵」で人間の愚かさや醜さを描いたゴヤは、一体何を訴え残したかったのだろう。そんなゴヤが最後にたどり着いた「ボルドーのミルク売り娘」の静謐な優しさは、救いととるべきなのか敗北と見做すべきなのか。

20時に閉館。館員に追い出されるようにして退館。2時間だけとはいえ、毎日これだけのものを無料で見せてくれるスペインは、それだけで日本より優れていると言える。比較しても無意味だが。

ホテルの近くの店で軽い夕食。Vino tontoとAgua Con gas、そしてTres Pinchos。これは3種のピンチョスの盛り合わせ。美味しかったが、これまた小洒落て量は少なく値段は高め。オリーブがついてきた。

帰路、Atocha駅が照明で浮き上がっていた。

ホテルに戻りシャワー、日記、配偶者は洗濯。部屋にはエアコンもあるが、スチーム暖房も緩く入っている。

 

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