映画「宝島」
原作の小説は出版後間もない頃に読んでいて、映画を観ているうちに内容を思い出せた。しかし細部は違っているのかも知れない。
登場人物たちの思い出の中も含めると沖縄戦末期からはじまり、沖縄「返還」までのコザ(現在の沖縄市の、また沖縄の歴史を主人公オンを中心とした数人の人々の、オンを探しもとめる航跡として描いている。3時間を超える長い作品だが、波乱万丈の物語で飽きることはなかった。
あくまでも娯楽作品なので、これを沖縄の歴史そのものと受け取ると間違ってしまうこともあるが、大筋としては正確に辿られていると言って良いだろう。特に沖縄の人々の米軍への接し方、日本政府への思いなどは、本音も含めてよく描かれていると思う。
最近は沖縄問題、基地問題は忘れ去られ、中国の脅威に対抗して軍備を増強し強い日本に、といった勇ましい声ばかりが聞こえてくる。特に若い人の間にそんな考えが広まっているようだ。高石首相や自民・維新政権への若年層での支持率の高さ、参政党への投票の多さなどはその表れなのだろう。
しかし軍は人々を守るのか、まして米軍は他国民を守るのか、といった疑問に歴史を検証しながら答える人は少ない。自衛隊の災害救助で助かったとか、東日本大震災時に米軍のトモダチ作戦は頼りになったとかのすり替え返答しか聞こえて来ない。
この映画のクライマックスになっているコザ暴動も、50年以上も前のことで、私にとっては同時代の出来事だが、若い人たちにとっては歴史のかなたのエピソードでしかないのだろう。
こんなことを映画館を出て考えていた。
https://dosperegrinos.net/2025/10/30/%e6%98%a0%e7%94%bb%e3%80%8c%e5%ae%9d%e5%b3%b6%e3%80%8d/映画・テレビコザ,宝島,映画,沖縄原作の小説は出版後間もない頃に読んでいて、映画を観ているうちに内容を思い出せた。しかし細部は違っているのかも知れない。 登場人物たちの思い出の中も含めると沖縄戦末期からはじまり、沖縄「返還」までのコザ(現在の沖縄市の、また沖縄の歴史を主人公オンを中心とした数人の人々の、オンを探しもとめる航跡として描いている。3時間を超える長い作品だが、波乱万丈の物語で飽きることはなかった。 あくまでも娯楽作品なので、これを沖縄の歴史そのものと受け取ると間違ってしまうこともあるが、大筋としては正確に辿られていると言って良いだろう。特に沖縄の人々の米軍への接し方、日本政府への思いなどは、本音も含めてよく描かれていると思う。 最近は沖縄問題、基地問題は忘れ去られ、中国の脅威に対抗して軍備を増強し強い日本に、といった勇ましい声ばかりが聞こえてくる。特に若い人の間にそんな考えが広まっているようだ。高石首相や自民・維新政権への若年層での支持率の高さ、参政党への投票の多さなどはその表れなのだろう。 しかし軍は人々を守るのか、まして米軍は他国民を守るのか、といった疑問に歴史を検証しながら答える人は少ない。自衛隊の災害救助で助かったとか、東日本大震災時に米軍のトモダチ作戦は頼りになったとかのすり替え返答しか聞こえて来ない。 この映画のクライマックスになっているコザ暴動も、50年以上も前のことで、私にとっては同時代の出来事だが、若い人たちにとっては歴史のかなたのエピソードでしかないのだろう。 こんなことを映画館を出て考えていた。 Andrés andres@nifty.comAdministratorDos Peregrinos




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