キューバに行こう。3年前の秋、まだ在職中に思いついて冬休みに出かけようとしたが、もう航空券は満席で諦めるしかなかった。

キューバへの旅を思い立ったのは、一言で記せば「カストロが生きているうちに」というわけだった。「社会主義」が存続している間に、じかにその状況に触れてみたいという気持ちだったのだ。

ソ連・東欧諸国の社会主義が崩壊し、中国は「共産党支配下の資本主義」の道を邁進し、北朝鮮はキム王朝の持続だけを国家目標とするようになっている中で、キューバだけはまだ、かつての社会主義の夢を見させてくれるような要素を持っているのかもしれない。

もちろん、ソ連・東欧諸国と同様、キューバが社会主義を名乗ってはいても、本来の社会主義や共産主義からはかけ離れたもの、という正論に私も同意する。それでも「社会主義」を掲げた人々が、世界中に「社会主義」の夢を与えた国が、現実にどのような社会を築いているのかをどうしても見てみたいと思った。

10日ほど前、カストロの死亡あるいは重体説が流れた。ベネズエラのチャベス大統領が「カストロは公の場に再び姿を見せることはないかもしれない」といった内容の発言をしたことや、過去1か月間その動静がほとんど伝わっていないというようなことを根拠としたものだった。キューバ共産党機関紙「グランマ」のデジタル版を見ても、確かにカストロ署名の論評が、以前は5日に1本以上のペースで書かれていたのが、12月16日を最後に、1か月以上掲載されていなかった。

しかし今日(22日)付の「グランマ」に、カストロがキューバ訪問中のアルゼンチン大統領と水曜日に会談したとの記事が出ている。少なくとも「死亡説」は否定されたようだ。ただし記事はごく短いもので、会談内容に具体的言及はなく、写真も載せられていないことなどを考え合わせると、「重体説」は否定できない。

「旅行者」でしかない私たちにどこまで実態が見えるかはおぼつかないが、空気を感じ取ってこようと思っている。

por Andres

Andres y Ameliaキューバ旅行キューバに行こう。3年前の秋、まだ在職中に思いついて冬休みに出かけようとしたが、もう航空券は満席で諦めるしかなかった。キューバへの旅を思い立ったのは、一言で記せば「カストロが生きているうちに」というわけだった。「社会主義」が存続している間に、じかにその状況に触れてみたいという気持ちだったのだ。ソ連・東欧諸国の社会主義が崩壊し、中国は「共産党支配下の資本主義」の道を邁進し、北朝鮮はキム王朝の持続だけを国家目標とするようになっている中で、キューバだけはまだ、かつての社会主義の夢を見させてくれるような要素を持っているのかもしれない。もちろん、ソ連・東欧諸国と同様、キューバが社会主義を名乗ってはいても、本来の社会主義や共産主義からはかけ離れたもの、という正論に私も同意する。それでも「社会主義」を掲げた人々が、世界中に「社会主義」の夢を与えた国が、現実にどのような社会を築いているのかをどうしても見てみたいと思った。10日ほど前、カストロの死亡あるいは重体説が流れた。ベネズエラのチャベス大統領が「カストロは公の場に再び姿を見せることはないかもしれない」といった内容の発言をしたことや、過去1か月間その動静がほとんど伝わっていないというようなことを根拠としたものだった。キューバ共産党機関紙「グランマ」のデジタル版を見ても、確かにカストロ署名の論評が、以前は5日に1本以上のペースで書かれていたのが、12月16日を最後に、1か月以上掲載されていなかった。しかし今日(22日)付の「グランマ」に、カストロがキューバ訪問中のアルゼンチン大統領と水曜日に会談したとの記事が出ている。少なくとも「死亡説」は否定されたようだ。ただし記事はごく短いもので、会談内容に具体的言及はなく、写真も載せられていないことなどを考え合わせると、「重体説」は否定できない。「旅行者」でしかない私たちにどこまで実態が見えるかはおぼつかないが、空気を感じ取ってこようと思っている。por Andres退職者夫婦の旅と日常(スペイン・旅・留学・巡礼・映画・思索・本・・・)