総選挙を振り返って(3)成長と分配
今回の総選挙で一応の争点になったのが「成長なくして分配なし」と「分配なくして成長なし」だ。一見真っ向から対立するもののように思えるが、これらは現在の世界が抱える問題を全く捉えられていないという点で、いずれも選択の対象にならない。
重要な問題になればなるほどその本質は素朴な疑問で指摘できる。例えば原発の安全性について、原子力ムラの住人たちが技術的な説明を事細かに説明してみても、東京湾岸に火力発電所は建ち並んでいるのに原発は一基もなく、大都市から遠く離れた所に原発は点在しているのに大規模な火力発電所はないのはなぜかと問うてみるだけで充分だった。
現在の世界で問うべきなのは、「成長が先か分配が先か」ではなく「成長を止めて平等な分配を」だ。
地球が有限だという自明の事実を無視してどこまでも成長を続けようというのは馬鹿げている。にもかかわらず国政に関わっている政党は全て、経済成長を唱えている。そのためのバラマキ、大盤振る舞いを競っているし、多くの人々もそれを望んでいるし、少なくとも否定はしなかったというのが現状だ。しかしほんの少しでも現実に目を向ければ、成長を求め続けることが無謀だと言うことが見て取れる事態はいくらでも転がっている。例えば中国人が経済発展で魚をたくさん食べるようになったから太平洋での日本の漁獲量が減ってきているというようなことだ。
限界点は迫っている、あるいはもう超えてしまっているのかもしれない。緊急の課題は成長のための経済対策ではなく、地球が許容しうるのはどの程度の人類全体の生活水準なのかを明らかにすることだ。
https://dosperegrinos.net/2021/11/25/%e7%b7%8f%e9%81%b8%e6%8c%99%e3%82%92%e6%8c%af%e3%82%8a%e8%bf%94%e3%81%a3%e3%81%a6%ef%bc%883%ef%bc%89%e6%88%90%e9%95%b7%e3%81%a8%e5%88%86%e9%85%8d/政治・経済・国際日記・コラム・つぶやき分配,成長,総選挙今回の総選挙で一応の争点になったのが「成長なくして分配なし」と「分配なくして成長なし」だ。一見真っ向から対立するもののように思えるが、これらは現在の世界が抱える問題を全く捉えられていないという点で、いずれも選択の対象にならない。 重要な問題になればなるほどその本質は素朴な疑問で指摘できる。例えば原発の安全性について、原子力ムラの住人たちが技術的な説明を事細かに説明してみても、東京湾岸に火力発電所は建ち並んでいるのに原発は一基もなく、大都市から遠く離れた所に原発は点在しているのに大規模な火力発電所はないのはなぜかと問うてみるだけで充分だった。 現在の世界で問うべきなのは、「成長が先か分配が先か」ではなく「成長を止めて平等な分配を」だ。 地球が有限だという自明の事実を無視してどこまでも成長を続けようというのは馬鹿げている。にもかかわらず国政に関わっている政党は全て、経済成長を唱えている。そのためのバラマキ、大盤振る舞いを競っているし、多くの人々もそれを望んでいるし、少なくとも否定はしなかったというのが現状だ。しかしほんの少しでも現実に目を向ければ、成長を求め続けることが無謀だと言うことが見て取れる事態はいくらでも転がっている。例えば中国人が経済発展で魚をたくさん食べるようになったから太平洋での日本の漁獲量が減ってきているというようなことだ。 限界点は迫っている、あるいはもう超えてしまっているのかもしれない。緊急の課題は成長のための経済対策ではなく、地球が許容しうるのはどの程度の人類全体の生活水準なのかを明らかにすることだ。Andrés andres@nifty.comAdministratorDos Peregrinos
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