映画「PLAN 75」(早川千絵 監督)
少子高齢化社会の問題を解決する手段として「PLAN 75」という制度が採用された社会。75歳以上になると自らの生死を選択できるという仕組み。死は自ら選択することが出来、いつでも撤回出来ることとされていて、強制はどこにも働いていないように見える制度。この制度の下で、募集業務、事務、死を選択した人々のケア、死後の処理などの制度を担う若い人たちがいる。一方には、さまざまな事情で死を選択した老人たちがいる。両者の生活や心の動きを通してこうした制度をつくり出す社会について考えさせられる作品だ。
「PLAN75」として想定された制度には確かに強制はどこにもないが、応募者には10万円が支給されるとなっていることから、これが生活困窮者を主な対象としていることが示唆されている。
自分の死期は自分で決定するという自由を保障した制度に見えるが、これは「役に立つかどうか」で人を区分けし、「役に立たない者は生きる価値がない」と人々に無言の圧力をかけ、また人々にそう思い込ませる現在の社会状況を示している。
映画では、PLAN 75制度を淡々と担っていた若い人たちが、PLANに応募して死を迎えようとする人、死を迎えた人たちに接する中で、「役に立たない」と見做され自らもそう思った人たちも生きているだけで生きている価値があると思うようになる。
特に経済的有用性が至上の価値とされることの多い今、この作品が提起している問いは大きいと感じた。
https://dosperegrinos.net/2022/06/22/%e6%98%a0%e7%94%bb%e3%80%8cplan-75%e3%80%8d%ef%bc%88%e6%97%a9%e5%b7%9d%e5%8d%83%e7%b5%b5%e3%80%80%e7%9b%a3%e7%9d%a3%ef%bc%89//images/2022/06/origin-700x989.jpg/images/2022/06/origin-150x150.jpg映画・テレビPLAN75 高齢化社会 有用性少子高齢化社会の問題を解決する手段として「PLAN 75」という制度が採用された社会。75歳以上になると自らの生死を選択できるという仕組み。死は自ら選択することが出来、いつでも撤回出来ることとされていて、強制はどこにも働いていないように見える制度。この制度の下で、募集業務、事務、死を選択した人々のケア、死後の処理などの制度を担う若い人たちがいる。一方には、さまざまな事情で死を選択した老人たちがいる。両者の生活や心の動きを通してこうした制度をつくり出す社会について考えさせられる作品だ。
「PLAN75」として想定された制度には確かに強制はどこにもないが、応募者には10万円が支給されるとなっていることから、これが生活困窮者を主な対象としていることが示唆されている。
自分の死期は自分で決定するという自由を保障した制度に見えるが、これは「役に立つかどうか」で人を区分けし、「役に立たない者は生きる価値がない」と人々に無言の圧力をかけ、また人々にそう思い込ませる現在の社会状況を示している。
映画では、PLAN 75制度を淡々と担っていた若い人たちが、PLANに応募して死を迎えようとする人、死を迎えた人たちに接する中で、「役に立たない」と見做され自らもそう思った人たちも生きているだけで生きている価値があると思うようになる。
特に経済的有用性が至上の価値とされることの多い今、この作品が提起している問いは大きいと感じた。Andrés
andres@nifty.comAdministratorDos Peregrinos
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