通学路の風景
アパートから学校(aip)まで片道約40分の道を、毎日歩いて通学している。最初はいろんな道を歩いてみていたが、ここ3週間ほどは固定している。日差しが強くなってきたので、できるだけ日陰を歩けるようにと行きと帰りでは道をかえている。
途中に2~300メートルの花盛りの並木道がある。樹の名はわからないが、もう2週間くらいも満開が続き、道には毎日薄緑色の花びらの絨毯が敷かれている。次々に散っているのだが、一向に咲いている花が減っている様子はない。散る一方で新しく咲いていっているのだろうか。
また下校路には1km以上にもなるいかにも南国といった感じの並木がある。
木陰が途切れ途切れなのが難点だが、これでも太陽がほとんど真上にある時間帯に歩く時には大いに役立っている。
毎日同じ道を歩いていると気になってしまうことがいくつか出てくる。その一つが一人の物乞いの存在。登校時、いつも同じベンチに座っている。5mほど離れた路地の角に、おそらく全財産を積んでいるのだろう小さな手押し車を置いている。ただ、日によって犬を連れている時と犬のいない時があるのが不思議だが。
この男、下校時には朝のベンチから100mほど離れたスーパーマーケットの入口で、小さな折りたたみ椅子に腰かけて物乞いをしている。物乞いと言っても声をかけるでも手を出すでもおじぎをするでもなく、ただただ横にお金の少し入った金属の椀のようなものを置いてじっと座っているだけ。そして脇には例の手押し車がある。ここでは犬を見かけたことはない。
このような物乞いは結構たくさんいる。スーパーの入口2軒に1軒にはいるのではないだろうか。共通しているのは50~60歳に見える男性で、やせて白髪交じりの長いひげを生やし、顔色が悪いということ。一見詩人風といった感じなのだが、読み書きしているのはほとんど見たことがない。一人だけクロスワードパズルに取り組んでいるのを見かけたが。
旧市街の観光客の多い地域には、歩いている人に近づいて手を差し出しお金を要求する物乞いや、ウエストが1mをはるかに超えていてどう考えても食べすぎの物乞いもいるが、新市街の住宅地区では前記の詩人風しか見かけない。
どんな理由があるのだろうか。
por Andres
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