合計距離: 22933 m
最高点の標高: 1052 m
最低点の標高: 583 m
累積標高(上り): 1140 m
累積標高(下り): -1373 m
総所要時間: 07:39:04

22.2㎞ 39,500歩

6時半起床。黒い雲があるが雨は降っていない。

8時から朝食。ホテルの食堂に降りてみると私たち二人の分だけテーブルが用意されている。夜、物音がしていたので他に宿泊客がいるのかと思っていたが、私たちだけだったようだ。

clip_image001朝食のビュッフェはごく普通のものだが、昨日とは別の青年がスクランブルエッグを作ってくれる。お弁当としてBocedillo con Jamón y Quesoを作ってもらうと、ビュッフェに置いてある果物も自由に持って行って良いと言ってくれる。Hospedería San Juan de la Peñaのことについて何か知っているかたずねると、閉まっているとのこと。自分はバルセローナの出身でここに来てまだ2年なので、この地域のことはよく知らないがとのこと。だから昨夜予約しようとしても出来なかったわけだ。しかしホテル予約サイトではどこも満室との表示だし、電話をしても自動応答で「スタッフは忙しいので数分後にかけ直してください」。どこにも閉鎖との情報が出ていない。困ったものだ。しかしホテルの人の情報で、これ以上無駄に予約を試みることはなくなったし、他の方途を考え始めることができる。

9時10分に出発。今日はAmeliaのリュックにBocadilloや果物などと雨具だけを詰めて私が背負い、身軽になって歩く。出発時は降っていなかったが、ほんの30分ほどで雨が落ちてくる。わずかだが予報では降ることになっているので、道端で早々に雨支度。Ameliaはレインコートを着込み、私はポンチョ。

clip_image002田舎道から山道に変わるが、そんなにひどい状態ではない。

clip_image003出発して1時間少しでSarsamarcuelloの村に到着。まだ休むような時間ではないし休む場所もないが、上りが連続したこともあって暑くなってきたので、1枚上着を脱ぐことにして村の中に進み、ベンチで着替え。

村を出ると急な上り坂がはじまる。

clip_image004まだ村から数百メートルしか離れていないところでイノシシらしきものの死体が2つ路上に放置されている。近くには骨も少しだが散乱している。あとで宿のレセプションの青年Daniに聞いたところ、この辺の山にはイノシシがたくさんいて、先週も恋人と村を歩いていたらイノシシがすぐそばを通り抜けて行ったそうだ。猟師はよく食べるとも言っていた。

clip_image005坂を上り続け、やがて城跡のようなものが見えてきた。

clip_image006見る角度が変わってくると、右側の塔のように見えたものが壁一枚だけが残ったものだと分かる。

clip_image007さらに近づいて見ると、そこは羊の山になっていた。

clip_image008羊飼いたちは手前のErmitaのところでおしゃべりし、牧羊犬だけが働いている。

clip_image009今度は谷の向こうに地層が露わになった崖が見える。

clip_image010次は断崖。

clip_image011奇岩の間から遠くの岩山が。

道は下りで泥道が続き、さらにはがれ沢でしかないようなところもあり、歩きにくい。

しかし最後の景色がそれまでの道の苦労を帳消しにしてくれた。

clip_image012切り立った岩の壁が切り取られたようになり

clip_image013そこに私たちの歩く道が続いて行く。

clip_image014やがて岩の切れ目の向こうに遠くの家が見えてくる。

clip_image015岩の間では車一台が通れる程度の道幅。

橋がかけられているが、2~30㎝ほどの石の欄干があるだけ。

clip_image016下を覗くと足がすくむ。写真では伝わらないが。

clip_image017ここから町が見えてきた。

麓に降りると猟師が一人鉄砲を抱えて立っていた。少し先には3人の鉄砲を担いだ猟師が猟犬を従えて林の縁を歩いていた。

clip_image018舗装道路に出て高架で線路を越える。

clip_image019今日のさしあたりの目的地、Estación Santa María y la Peñaに到着。

clip_image020線路の具合からすると鉄道は使われているように思える。

clip_image021近くのRestauranteで昼食にしようと思って入ったが、カウンターの中の魔女と思しき女性は、食事はできないし食べ物もないと言う。

clip_image022飲み物だけはあるとのことなのでリモナーダとコーラを頼み、持参のBocadilloなどで昼食にする。その間に衝立の向こうで件の魔女とその数人の知り合いが食事をはじめた。

clip_image023ここで迎えのタクシーを待っても良かったが、明日の行程を少しでも楽にするためにCarreteraを歩いてCaminoが山道に入るところまで2㎞ほど進む。

clip_image024ここがその入口だが、いきなり粘土状の急な上り。小雨が降っているが天気予報ではこのあと本降りになり、明日も一日中雨。躊躇してしまう。

タクシーに電話をし迎えを頼む。ところが話は聞いているが時間が指定されていなかったので車は出かけていて、2~3時間待ってほしいとの返事。他にタクシーや方法はないかと聞いてもないとの返事。どうしようもないので車が戻ってきたら電話をくれることにして切る。そんなに待つのは嫌なのでホテルに電話してみる。応対してくれた人は、Daniに迎えに行けるかどうか聞いてみると言ってくれる。数分後にDaniから電話がかかり、迎えに来てくれるとのこと。駅で待ち合わせる。本当に助かった。

2㎞歩いて駅に戻り迎えを待つ。30分以上待つ。

clip_image025待っている間に列車がやって来た。1両だけのディーゼル車で乗客は数人。この駅での乗降はない。貼ってあった時刻表を見ると一日に上り2本、下り3本だけ。この町には宿はないので、当初はここから列車で最寄りの大きな街に移動して泊まるつもりだった。時刻表がインターネットで見つからなかったのであきらめたのだが、この本数ではやめておいてよかった。

Daniが迎えてくれ、ホテルに戻る。Caminoがまっすぐここに来ているのに対し、自動車道路は大きく迂回している。そのためホテルまで40分近くかかる。Daniには本当にお世話になった。お礼のしようもないので、ガソリン代として30€渡した。車中での話で、Daniは来年結婚するそうだ。途中で通りかかったホテルを指し、ここで婚約者が働いていると嬉しそうに話していた。あまりおしゃべりな人ではないが、本当に良い人だった。

ホテルに戻り、明日の計画を考え直す。タクシーで今日の終着点まで行き、歩いてMonasterio de San Juan de la Peñaへ行く。そこでタクシーを呼び、Santa Cruz de la SerósかJacaに移動して泊まる。これが考えていた予定だった。しかし雨でぬかるんでいるのが確実な、急な上りの続く道を行くのは危険かもしれない。何しろ道の情報がない。タクシーを呼んでもどのくらい待たされるか分からない。

そこで急遽大幅に予定を変更。明朝、タクシーでAyerbe駅まで行き、そこからRenfeでJacaへ移動。Jacaに2泊してJacaの見学とMonasterio de San Juan de la Peñaの見学。その後、Monasterio de San Juan de la PeñaからCamino歩きを再開する。

タクシーに電話して、今日はもう必要なくなった旨と明朝9時半の迎えの予約をし、インターネットでJacaのホテル2泊の予約をした。

20時に昨日の昼食で使ったレストランへ夕食に出かける。昼がBocadilloだけだったのでおなかが空いた。夜はBarだけだが、Raciónは頼める。リオハのグラスワインと

clip_image026Calamares fritos

clip_image027Revuertos de seta

どちらも美味しかった。若いCamareraは笑顔が感じよく、対応も良い。

店内はほとんど男性客が占め、結構若い人も多い。Daniも来ていた。

1時間ほどで終えてホテルに戻り、シャワー、日記。

今日は歩きと電話連絡で疲れた。

/images/2018/11/clip_image007-18-644x430.png/images/2018/11/clip_image007-18-150x150.pngAndrésカタルーニャの道 Camino CatalánCamino,Catalan,Santiago,カタルーニャ,カタロニア,サンティアゴ,巡礼22.2㎞ 39,500歩 6時半起床。黒い雲があるが雨は降っていない。 8時から朝食。ホテルの食堂に降りてみると私たち二人の分だけテーブルが用意されている。夜、物音がしていたので他に宿泊客がいるのかと思っていたが、私たちだけだったようだ。 朝食のビュッフェはごく普通のものだが、昨日とは別の青年がスクランブルエッグを作ってくれる。お弁当としてBocedillo con Jamón y Quesoを作ってもらうと、ビュッフェに置いてある果物も自由に持って行って良いと言ってくれる。Hospedería San Juan de la Peñaのことについて何か知っているかたずねると、閉まっているとのこと。自分はバルセローナの出身でここに来てまだ2年なので、この地域のことはよく知らないがとのこと。だから昨夜予約しようとしても出来なかったわけだ。しかしホテル予約サイトではどこも満室との表示だし、電話をしても自動応答で「スタッフは忙しいので数分後にかけ直してください」。どこにも閉鎖との情報が出ていない。困ったものだ。しかしホテルの人の情報で、これ以上無駄に予約を試みることはなくなったし、他の方途を考え始めることができる。 9時10分に出発。今日はAmeliaのリュックにBocadilloや果物などと雨具だけを詰めて私が背負い、身軽になって歩く。出発時は降っていなかったが、ほんの30分ほどで雨が落ちてくる。わずかだが予報では降ることになっているので、道端で早々に雨支度。Ameliaはレインコートを着込み、私はポンチョ。 田舎道から山道に変わるが、そんなにひどい状態ではない。 出発して1時間少しでSarsamarcuelloの村に到着。まだ休むような時間ではないし休む場所もないが、上りが連続したこともあって暑くなってきたので、1枚上着を脱ぐことにして村の中に進み、ベンチで着替え。 村を出ると急な上り坂がはじまる。 まだ村から数百メートルしか離れていないところでイノシシらしきものの死体が2つ路上に放置されている。近くには骨も少しだが散乱している。あとで宿のレセプションの青年Daniに聞いたところ、この辺の山にはイノシシがたくさんいて、先週も恋人と村を歩いていたらイノシシがすぐそばを通り抜けて行ったそうだ。猟師はよく食べるとも言っていた。 坂を上り続け、やがて城跡のようなものが見えてきた。 見る角度が変わってくると、右側の塔のように見えたものが壁一枚だけが残ったものだと分かる。 さらに近づいて見ると、そこは羊の山になっていた。 羊飼いたちは手前のErmitaのところでおしゃべりし、牧羊犬だけが働いている。 今度は谷の向こうに地層が露わになった崖が見える。 次は断崖。 奇岩の間から遠くの岩山が。 道は下りで泥道が続き、さらにはがれ沢でしかないようなところもあり、歩きにくい。 しかし最後の景色がそれまでの道の苦労を帳消しにしてくれた。 切り立った岩の壁が切り取られたようになり そこに私たちの歩く道が続いて行く。 やがて岩の切れ目の向こうに遠くの家が見えてくる。 岩の間では車一台が通れる程度の道幅。 橋がかけられているが、2~30㎝ほどの石の欄干があるだけ。 下を覗くと足がすくむ。写真では伝わらないが。 ここから町が見えてきた。 麓に降りると猟師が一人鉄砲を抱えて立っていた。少し先には3人の鉄砲を担いだ猟師が猟犬を従えて林の縁を歩いていた。 舗装道路に出て高架で線路を越える。 今日のさしあたりの目的地、Estación Santa María y la Peñaに到着。 線路の具合からすると鉄道は使われているように思える。 近くのRestauranteで昼食にしようと思って入ったが、カウンターの中の魔女と思しき女性は、食事はできないし食べ物もないと言う。 飲み物だけはあるとのことなのでリモナーダとコーラを頼み、持参のBocadilloなどで昼食にする。その間に衝立の向こうで件の魔女とその数人の知り合いが食事をはじめた。 ここで迎えのタクシーを待っても良かったが、明日の行程を少しでも楽にするためにCarreteraを歩いてCaminoが山道に入るところまで2㎞ほど進む。 ここがその入口だが、いきなり粘土状の急な上り。小雨が降っているが天気予報ではこのあと本降りになり、明日も一日中雨。躊躇してしまう。 タクシーに電話をし迎えを頼む。ところが話は聞いているが時間が指定されていなかったので車は出かけていて、2~3時間待ってほしいとの返事。他にタクシーや方法はないかと聞いてもないとの返事。どうしようもないので車が戻ってきたら電話をくれることにして切る。そんなに待つのは嫌なのでホテルに電話してみる。応対してくれた人は、Daniに迎えに行けるかどうか聞いてみると言ってくれる。数分後にDaniから電話がかかり、迎えに来てくれるとのこと。駅で待ち合わせる。本当に助かった。 2㎞歩いて駅に戻り迎えを待つ。30分以上待つ。 待っている間に列車がやって来た。1両だけのディーゼル車で乗客は数人。この駅での乗降はない。貼ってあった時刻表を見ると一日に上り2本、下り3本だけ。この町には宿はないので、当初はここから列車で最寄りの大きな街に移動して泊まるつもりだった。時刻表がインターネットで見つからなかったのであきらめたのだが、この本数ではやめておいてよかった。 Daniが迎えてくれ、ホテルに戻る。Caminoがまっすぐここに来ているのに対し、自動車道路は大きく迂回している。そのためホテルまで40分近くかかる。Daniには本当にお世話になった。お礼のしようもないので、ガソリン代として30€渡した。車中での話で、Daniは来年結婚するそうだ。途中で通りかかったホテルを指し、ここで婚約者が働いていると嬉しそうに話していた。あまりおしゃべりな人ではないが、本当に良い人だった。 ホテルに戻り、明日の計画を考え直す。タクシーで今日の終着点まで行き、歩いてMonasterio de San Juan de la Peñaへ行く。そこでタクシーを呼び、Santa Cruz de la SerósかJacaに移動して泊まる。これが考えていた予定だった。しかし雨でぬかるんでいるのが確実な、急な上りの続く道を行くのは危険かもしれない。何しろ道の情報がない。タクシーを呼んでもどのくらい待たされるか分からない。 そこで急遽大幅に予定を変更。明朝、タクシーでAyerbe駅まで行き、そこからRenfeでJacaへ移動。Jacaに2泊してJacaの見学とMonasterio de San Juan de la Peñaの見学。その後、Monasterio de San Juan de la PeñaからCamino歩きを再開する。 タクシーに電話して、今日はもう必要なくなった旨と明朝9時半の迎えの予約をし、インターネットでJacaのホテル2泊の予約をした。 20時に昨日の昼食で使ったレストランへ夕食に出かける。昼がBocadilloだけだったのでおなかが空いた。夜はBarだけだが、Raciónは頼める。リオハのグラスワインと Calamares fritos Revuertos de seta どちらも美味しかった。若いCamareraは笑顔が感じよく、対応も良い。 店内はほとんど男性客が占め、結構若い人も多い。Daniも来ていた。 1時間ほどで終えてホテルに戻り、シャワー、日記。 今日は歩きと電話連絡で疲れた。退職者夫婦の旅と日常(スペイン・旅・留学・巡礼・映画・思索・本・・・)