12世紀のイングランドで、大聖堂の建設に生涯をかけた修道院長のフィリップと建築職人のトム、トムの死後そのあとを継いだ義子のジャックを中心に、王侯貴族やキリスト教会内での権力争いを交えて半世紀の物語が繰り広げられる。

1989年に発表され、1991年に邦訳も出版されている。刊行当時、書店で横積みになっていた記憶がある。それが日本の書店だったか、スペインのだったかは定かでないが。

ケン・フォレットの「針の眼」はずいぶん昔に読んだが、「大聖堂」は手にすることがなかった。しかし、この夏に訪れたビトリアのサンタ・マリア大聖堂、修復中の工事現場を見学したのだが、作者は「大聖堂」を書くに当たってここを参考にしたということだったので読んでみることにしたのだ。

確かにサンタ・マリア大聖堂の工事現場を思い起こさせる描写は何カ所かに見られる。

作品全体としては、娯楽小説なので読者を最後まで飽きさせないようにとの意図は感じられるし、決して出来の悪いものではないが、とにかく長かった。文庫本600ページほどのが3冊で計1800ページ。暇つぶしには適した作品。

続編として「大聖堂-果てしなき世界」が出ているが、これもほぼ同じ分量。今のところそちらに手を出そうとは思わない。

por Andrés

/images/2016/10/5e5f56d005aba5ff2c7831d72601a87b-644x327.jpg/images/2016/10/5e5f56d005aba5ff2c7831d72601a87b-150x150.jpgAndrés書籍・雑誌12世紀のイングランドで、大聖堂の建設に生涯をかけた修道院長のフィリップと建築職人のトム、トムの死後そのあとを継いだ義子のジャックを中心に、王侯貴族やキリスト教会内での権力争いを交えて半世紀の物語が繰り広げられる。 1989年に発表され、1991年に邦訳も出版されている。刊行当時、書店で横積みになっていた記憶がある。それが日本の書店だったか、スペインのだったかは定かでないが。 ケン・フォレットの「針の眼」はずいぶん昔に読んだが、「大聖堂」は手にすることがなかった。しかし、この夏に訪れたビトリアのサンタ・マリア大聖堂、修復中の工事現場を見学したのだが、作者は「大聖堂」を書くに当たってここを参考にしたということだったので読んでみることにしたのだ。 確かにサンタ・マリア大聖堂の工事現場を思い起こさせる描写は何カ所かに見られる。 作品全体としては、娯楽小説なので読者を最後まで飽きさせないようにとの意図は感じられるし、決して出来の悪いものではないが、とにかく長かった。文庫本600ページほどのが3冊で計1800ページ。暇つぶしには適した作品。 続編として「大聖堂-果てしなき世界」が出ているが、これもほぼ同じ分量。今のところそちらに手を出そうとは思わない。 por Andrés退職者夫婦の旅と日常(スペイン・旅・留学・巡礼・映画・思索・本・・・)