まずは、和田山奈緒のシャンソン、そしてとジム・オルーク(ギター)、大友良英(エレクトリック・ベース)、勝井祐二(エレクトリック・ヴァイオリン)のトリオによる演奏。シャンソンは「枯葉」「さくらんぼの実るころ」。初めて聴く歌手だが、なかなか良い。2曲だけだったのは残念。トリオはジャンルとしては現代音楽というべきか。現代音楽は好きではないのだが、この演奏は悪くなかった。しかしあの時間帯に現代音楽の類を聴かせるのは、それが主目的で来ている観客ではないのだから、奏者に対しても失礼ではないだろうか。演奏中に左右を見てみると、少なくとも半数は居眠りしていた。 次に映画「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」のメイキング・フィルムの上映と、鈴木邦男、雨宮処凛、若松孝二、平岡正明によるトーク。メイキングは、山岳キャンプでの「総括」場面の撮影過程が中心。あの時代を知らない若い役者たちの、撮影が進む中で次第に連合赤軍メンバーの精神状態に入り込んでゆく様子が伝わってきた。トークの方は、全体として非常に散漫で、単なる与太話に終始したような印象だった。 最後に若松孝二監督の古い映画2本が上映された。「壁の中の秘事」(1965年)と「餌食」(1979年)。「壁の中の秘事」は当時の都市中産層にとっては小さな夢だったはずの「団地生活」が、閉塞感を強いただけだったといった内容。「餌食」はアメリカ帰りのロック歌手が、持ち帰ったレゲエ音楽を昔の音楽仲間を通して売り込もうとするが、商業主義に走った彼らに相手にされず、といった内容。テンポをはじめ確かに古さを感じさせられる映画ではあったが、意外にも楽しむことができた。 主題であるはずの映画「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」についてはメイキングでわずかに触れることができただけだったが、楽しめた5時間半だった。はたして映画そのものはどうなのだろうか。テアトル新宿で3月公開予定。 por Andres
https://dosperegrinos.net/2008/01/09/%e8%8b%a5%e6%9d%be%e5%ad%9d%e4%ba%8c%e3%83%bb%e3%83%ac%e3%83%88%e3%83%ad%e3%82%b9%e3%83%9a%e3%82%af%e3%83%86%e3%82%a3%e3%83%96%e3%82%aa%e3%83%bc%e3%83%ab%e3%83%8a%e3%82%a4%e3%83%88/Andres y Amelia映画・テレビ若松孝二・レトロスペクティブオールナイト「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」公開決定記念テアトル新宿 2008/1/6 午前0時~午前5時30分
まずは、和田山奈緒のシャンソン、そしてとジム・オルーク(ギター)、大友良英(エレクトリック・ベース)、勝井祐二(エレクトリック・ヴァイオリン)のトリオによる演奏。シャンソンは「枯葉」「さくらんぼの実るころ」。初めて聴く歌手だが、なかなか良い。2曲だけだったのは残念。トリオはジャンルとしては現代音楽というべきか。現代音楽は好きではないのだが、この演奏は悪くなかった。しかしあの時間帯に現代音楽の類を聴かせるのは、それが主目的で来ている観客ではないのだから、奏者に対しても失礼ではないだろうか。演奏中に左右を見てみると、少なくとも半数は居眠りしていた。 次に映画「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」のメイキング・フィルムの上映と、鈴木邦男、雨宮処凛、若松孝二、平岡正明によるトーク。メイキングは、山岳キャンプでの「総括」場面の撮影過程が中心。あの時代を知らない若い役者たちの、撮影が進む中で次第に連合赤軍メンバーの精神状態に入り込んでゆく様子が伝わってきた。トークの方は、全体として非常に散漫で、単なる与太話に終始したような印象だった。 最後に若松孝二監督の古い映画2本が上映された。「壁の中の秘事」(1965年)と「餌食」(1979年)。「壁の中の秘事」は当時の都市中産層にとっては小さな夢だったはずの「団地生活」が、閉塞感を強いただけだったといった内容。「餌食」はアメリカ帰りのロック歌手が、持ち帰ったレゲエ音楽を昔の音楽仲間を通して売り込もうとするが、商業主義に走った彼らに相手にされず、といった内容。テンポをはじめ確かに古さを感じさせられる映画ではあったが、意外にも楽しむことができた。 主題であるはずの映画「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」についてはメイキングでわずかに触れることができただけだったが、楽しめた5時間半だった。はたして映画そのものはどうなのだろうか。テアトル新宿で3月公開予定。por AndresAndres y AmeliaSubscriberDos Peregrinos
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