原題 ¨Cerrar los ojos¨

監督 ビクトル・エリセ

2023年製作スペイン映画


50年前の「ミツバチのささやき」、40年前の「エル・スール」、30年前の「マルメロの陽光」に続くビクトル・エリセ30年ぶりの長編作品。

エリセの新作に出会えるとは予想もしていなかったが、この作品は紛れもなくエリセ作品だ。画面には前3作と同じ空気が流れ、記されているのは「失踪」あるいは「喪失」と「再生」。

50年前にSoy AnaとささやいたAna Torrentoが今作品でも同じ言葉を記憶を失った父親にかける。同じ役者に同じセリフを語らせることで50年隔たった二つの作品が結ばれる。1940年生まれのエリセ監督、寡作であることもあって、この作品が遺作になる可能性も大きい。しかし変わらないテーマ、同じトーンを持ち続けながらも決して自己模倣に陥らなかったことから、さらに次の作品を期待したくなる。一方でここで終えても悔いは残らないと思わせる作品だった。

/images/2024/02/image-30-jpg.webp/images/2024/02/image-30-150x150.webpAndrés映画・テレビビクトル・エリセ,映画,瞳をとじて原題 ¨Cerrar los ojos¨ 監督 ビクトル・エリセ 2023年製作スペイン映画 50年前の「ミツバチのささやき」、40年前の「エル・スール」、30年前の「マルメロの陽光」に続くビクトル・エリセ30年ぶりの長編作品。 エリセの新作に出会えるとは予想もしていなかったが、この作品は紛れもなくエリセ作品だ。画面には前3作と同じ空気が流れ、記されているのは「失踪」あるいは「喪失」と「再生」。 50年前にSoy AnaとささやいたAna Torrentoが今作品でも同じ言葉を記憶を失った父親にかける。同じ役者に同じセリフを語らせることで50年隔たった二つの作品が結ばれる。1940年生まれのエリセ監督、寡作であることもあって、この作品が遺作になる可能性も大きい。しかし変わらないテーマ、同じトーンを持ち続けながらも決して自己模倣に陥らなかったことから、さらに次の作品を期待したくなる。一方でここで終えても悔いは残らないと思わせる作品だった。退職者夫婦の旅と日常(スペイン・旅・留学・巡礼・映画・思索・本・・・)