25年ぶりのプラド、ゲルニカ
12月13日、プラド美術館に出かけた。約25年ぶり。外観は変わっていないが、空調が整い、展示も順序だって随分見やすくなったように思う。25年前は真夏に訪れたのだが、空調がなくて窓が開け放たれ、そこからガソリンの強く臭う車の排気ガスが流れ込んできて、絵は大丈夫だろうかと心配した覚えがある。
日曜日は入館料が無料なはずと思い午前中から行ったのだが、無料なのは午後5時からだった。閉館が8時なので、それでは3時間しかない。1人8ユーロを払って入館。結局、閉館まで観て回った。
やはり今度も最も印象に残ったのはゴヤ。宮廷の人々の下劣な品性までも情け容赦なく描いた肖像画群から「黒い絵」を経て「アルルのミルク売り娘」へ。このゴヤの変化と一貫性。堀田善衛の「ゴヤ」を再読したくなった。
ピカソの「ゲルニカ」は、25年前はプラドの別館で観た。当時は「ゲルニカ」がスペインに返還されて間もないころで、分厚い防弾ガラスに閉じ込められ、機関銃を構えた護衛に守られていた。
現在は「レイナ・ソフィア文化センター」に展示され、防弾ガラスはなく女性の館員が見張っているだけ。「ゲルニカ」から数メートルの床に線が引かれ、その外から観ることになっている。観客が多いせいか、床に座り込んでじっくり見入ろうとすると、館員から注意される。
今でも「ゲルニカ」はゲルニカへ、という要求は特にバスクで強いようだが、内戦の対立を引きずって「ゲルニカ」を敵視するような状況はもうないようだ。スペイン人に聞くと、内戦を話題にすると兄弟や親戚、隣近所同士でもまだ口論になりかねないとのことなのだが。
por Andres
https://dosperegrinos.net/2010/01/05/25%e5%b9%b4%e3%81%b6%e3%82%8a%e3%81%ae%e3%83%97%e3%83%a9%e3%83%89%e3%80%81%e3%82%b2%e3%83%ab%e3%83%8b%e3%82%ab/スペイン留学生活12月13日、プラド美術館に出かけた。約25年ぶり。外観は変わっていないが、空調が整い、展示も順序だって随分見やすくなったように思う。25年前は真夏に訪れたのだが、空調がなくて窓が開け放たれ、そこからガソリンの強く臭う車の排気ガスが流れ込んできて、絵は大丈夫だろうかと心配した覚えがある。 日曜日は入館料が無料なはずと思い午前中から行ったのだが、無料なのは午後5時からだった。閉館が8時なので、それでは3時間しかない。1人8ユーロを払って入館。結局、閉館まで観て回った。 やはり今度も最も印象に残ったのはゴヤ。宮廷の人々の下劣な品性までも情け容赦なく描いた肖像画群から「黒い絵」を経て「アルルのミルク売り娘」へ。このゴヤの変化と一貫性。堀田善衛の「ゴヤ」を再読したくなった。 ピカソの「ゲルニカ」は、25年前はプラドの別館で観た。当時は「ゲルニカ」がスペインに返還されて間もないころで、分厚い防弾ガラスに閉じ込められ、機関銃を構えた護衛に守られていた。 現在は「レイナ・ソフィア文化センター」に展示され、防弾ガラスはなく女性の館員が見張っているだけ。「ゲルニカ」から数メートルの床に線が引かれ、その外から観ることになっている。観客が多いせいか、床に座り込んでじっくり見入ろうとすると、館員から注意される。 今でも「ゲルニカ」はゲルニカへ、という要求は特にバスクで強いようだが、内戦の対立を引きずって「ゲルニカ」を敵視するような状況はもうないようだ。スペイン人に聞くと、内戦を話題にすると兄弟や親戚、隣近所同士でもまだ口論になりかねないとのことなのだが。 por AndresAndres y Amelia SubscriberDos Peregrinos
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