マイケル・ムーア監督のドキュメンタリー映画「キャピタリズム」を新宿武蔵野館で観た。この日から会場が狭い方に移されたので観客は少ないのかと思ったが、意外にも満席だった。

サブプライム・ローン問題からはじまった経済危機をテーマに、被害者・加害者双方への取材や突撃インタビューと、いつものムーア監督の手法が繰り返される。

制作されたのが1年前、オバマ大統領誕生直後ということも重なって、ムーアのオバマに対する期待、そして何よりも民主主義への信頼が強く伝わってくるものだった。

しかし「民主主義」でこの経済危機や格差拡大を解決できるとは思えないし、「民主的政治」の下での「自由主義経済」が本来的に抱える矛盾も的確に捉えられているとは言い難い作品だ。

全体としてマンネリ気味に感じられた。「ボウリング・フォー・コロンバイン」や「シッコ」ではムーア監督がテーマを選びとっていたが、今回はテーマを選ばされてしまったというようなところがあったのも一因かもしれない。

por Andres

Andres y Amelia映画・テレビマイケル・ムーア監督のドキュメンタリー映画「キャピタリズム」を新宿武蔵野館で観た。この日から会場が狭い方に移されたので観客は少ないのかと思ったが、意外にも満席だった。 サブプライム・ローン問題からはじまった経済危機をテーマに、被害者・加害者双方への取材や突撃インタビューと、いつものムーア監督の手法が繰り返される。 制作されたのが1年前、オバマ大統領誕生直後ということも重なって、ムーアのオバマに対する期待、そして何よりも民主主義への信頼が強く伝わってくるものだった。 しかし「民主主義」でこの経済危機や格差拡大を解決できるとは思えないし、「民主的政治」の下での「自由主義経済」が本来的に抱える矛盾も的確に捉えられているとは言い難い作品だ。 全体としてマンネリ気味に感じられた。「ボウリング・フォー・コロンバイン」や「シッコ」ではムーア監督がテーマを選びとっていたが、今回はテーマを選ばされてしまったというようなところがあったのも一因かもしれない。 por Andres退職者夫婦の旅と日常(スペイン・旅・留学・巡礼・映画・思索・本・・・)