アーカイブ: 文化・芸術
ノンベルト・オーラー「巡礼の文化史」法政大学出版局
巡礼はさまざまな宗教に見られる行動で、イスラム教のメッカ巡礼、日本での四国巡礼、そしてもちろん本書で扱われているキリスト教でも盛んに行なわれた。しかもキリスト教でも三大聖地巡礼とされているエルサレム、…
五木寛之「親鸞」講談社文庫
「親鸞(上)」「親鸞(下)」「親鸞 激動篇(上)」「親鸞 激動篇(下)」「親鸞 完結篇(上)」「親鸞 完結篇(下)」と6冊に及んだ長編。最初の巻を読み始めたのは2012年で、古書で入手できるのを待って…
平川克美『移行期的混乱−経済成長神話の終わり』ちくま文庫
戦後日本を1973年までの高度成長期、1974年から1990年までの相対安定期、1991年以降のグローバル化の時代と3段階に区分してとらえた上で、2006年をピークに人口急減期に入ったことが有史以来の…
映画「日の丸 寺山修司40年目の挑発」
UPLINK吉祥寺で映画「日の丸 寺山修司40年目の挑発」を観た。監督は佐井大紀というTBSのプロデューサー。 1967年、最初の建国記念日の2日前にTBSテレビで、寺山修司が構成を担当したドキュメン…
『展覧会 岡本太郎』
愛知県美術館で開催中の「展覧会 岡本太郎」を観てきた。 この展覧会を目当てに行ったわけではなく、たまたま名古屋に行く用事があり、5日(日)に時間があったのでこの展覧会に行ってみたのだ。10時過ぎに美術…
ハン・ドンイル『教養としてのラテン語の授業』ダイヤモンド社
バチカン裁判所の弁護士であるハン・ドンイル氏が韓国の西江大学で行った初級・中級ラテン語の講義をまとめたもの。 著者自身の経歴によるのか、聖書の言葉を題材にしている部分が多いが、それにとどまらず西欧諸語…
西成活裕『誤解学』新潮選書
高速道路などでの渋滞発生のメカニズムの研究者として有名な著者による、誤解発生のメカニズムを解明しようとする作。「誤解の理論」などでは数式を使って説明しているので、私には少々理解しにくく、また退屈だった…
菅啓次郎『本は読めないものだから心配するな』ちくま文庫
大雑把に言えば「書評集」なのだが、一般的な書評集とはいろんな意味で趣が異なっている。 一見して分かるのは、章立ての体裁。普通は書名、著者名、版元などが明示されているだろうが、本書では空白の3行の次にゴ…
岡田暁生『西洋音楽史』中公新書
クラシック音楽と総称されている西洋音楽の歴史を、中世、ルネサンス、バロック、古典派、ロマン派、さらには現代音楽までの通史として著したもの。 クラシック音楽にはいくらか馴染んできたと思う。小学生のころは…
竹下節子『キリスト教は「宗教」ではない』中公新書ラクレ
本書の帯には、次のように記されている。 「生き方マニュアル」として誕生した教えが「宗教」として制度化する中で変質しつつも近代普遍主義理念にたどりついた過程を激動の世界史から読み解く イエ…