映画「線路と娼婦とサッカーボール」
チェマ・ロドリゲス(スペイン)監督によるドキュメンタリー映画。
グアテマラ・シティーの貧民街に住む娼婦たちがサッカーチームを結成してさまざまな反感・偏見・圧力・障害の中で試合を重ね、注目を集めることで自己を主張して行く過程を描いている。
娼婦たちの生活や試合風景だけではなく、その子・親・夫へのインタビューも交えてあり、またチームのスポンサーとなった旅行会社の思惑や、娼婦たちとの対戦に反対する人々の圧力で除名に動くサッカー協会、試合の中でともに社会の嫌われ者同士として奇妙な連帯感を持つ婦人警官チームといった周囲の動向も端的に語られている。何よりも、旅行会社がスポンサーを買って出たことに典型的に見られるように、映画を撮ること自体が状況を変化させてしまうのだが、ロドリゲス監督はそれに自覚的であることが良く伝わってくる作品で、そこがこの作品を信用できるものにしている。
娼婦を引退した老人の結婚して幸福な生活を送る姿や、子供にきちんと教育を受けさせてと語る若い娼婦の表情には明るさも見える。しかし最後に示される後日談では、チームの解散とメンバーの離散、貧民街の日常や娼婦を取り巻く状況の変わらなさが示される。
誠実な作品であるがゆえに、「演出」に慣らされてしまって、この映画に物足りなさを感じてしまう自身を反省させられるものであった。
por Andres
https://dosperegrinos.net/2008/01/14/%e6%98%a0%e7%94%bb%e3%80%8c%e7%b7%9a%e8%b7%af%e3%81%a8%e5%a8%bc%e5%a9%a6%e3%81%a8%e3%82%b5%e3%83%83%e3%82%ab%e3%83%bc%e3%83%9c%e3%83%bc%e3%83%ab%e3%80%8d/映画・テレビ チェマ・ロドリゲス(スペイン)監督によるドキュメンタリー映画。 グアテマラ・シティーの貧民街に住む娼婦たちがサッカーチームを結成してさまざまな反感・偏見・圧力・障害の中で試合を重ね、注目を集めることで自己を主張して行く過程を描いている。 娼婦たちの生活や試合風景だけではなく、その子・親・夫へのインタビューも交えてあり、またチームのスポンサーとなった旅行会社の思惑や、娼婦たちとの対戦に反対する人々の圧力で除名に動くサッカー協会、試合の中でともに社会の嫌われ者同士として奇妙な連帯感を持つ婦人警官チームといった周囲の動向も端的に語られている。何よりも、旅行会社がスポンサーを買って出たことに典型的に見られるように、映画を撮ること自体が状況を変化させてしまうのだが、ロドリゲス監督はそれに自覚的であることが良く伝わってくる作品で、そこがこの作品を信用できるものにしている。 娼婦を引退した老人の結婚して幸福な生活を送る姿や、子供にきちんと教育を受けさせてと語る若い娼婦の表情には明るさも見える。しかし最後に示される後日談では、チームの解散とメンバーの離散、貧民街の日常や娼婦を取り巻く状況の変わらなさが示される。 誠実な作品であるがゆえに、「演出」に慣らされてしまって、この映画に物足りなさを感じてしまう自身を反省させられるものであった。 por AndresAndres y Amelia SubscriberDos Peregrinos
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