「マルコムX」の訳
近所の公立図書館に行ったところ、リサイクル図書として「マルコムX」(現代書館のFOR BEGINNERSシリーズ)と「マルコムXワールド」(径書房)が出されていたので頂いてきた。いずれもマルコムXの生涯を紹介したもので、公民館に付属した小さな分館がこの2冊を同時に廃棄することに疑問を感じてしまい、近年ますます貧困になってきている図書館行政を批判したくもなるのだが、今日はその話ではない。
前者を読み始めたのだが、最初のページで早くも首を傾げることになり、数ページ進んだところで、ごく真面目な内容であるにもかかわらず笑ってしまうことになったのだ。たとえば次のような文章。
「マルコムの死以後、70年代、80年代はマルコムが変革のために行動するよう、全ての世代に呼びかけた義憤、社会主義に対して立ちあがる精神にかわって、フラストレーションと無関心がひろがることとなった。」
「兄弟、フィルバートとレジナルドは常に遊び相手であり、徹底的にけんかしたとしても、いつもお互いに世話をしあっていた。」
これは機械翻訳なのだろうか。初版は1993年。そのころには機械翻訳ソフトがもう出ていたと思われるので、可能性はある。もちろん奥付には訳者名も、その略歴も記されているし、それによると訳者は翻訳の経験を少なくとも何度かは積んできているのだが。
訳者はもちろんだが、こんな文章を出版してしまった編集者や出版社の責任を問いたくなる。読者に対しても著者に対しても無責任な仕事ではないか。現代書館は、独自の視点から社会に切り込むような書籍を多く出している出版社なので、15年も前の出版物だとは言え、悔やまれる。
por Andres
https://dosperegrinos.net/2008/02/15/%e3%80%8c%e3%83%9e%e3%83%ab%e3%82%b3%e3%83%a0%ef%bd%98%e3%80%8d%e3%81%ae%e8%a8%b3/書籍・雑誌 近所の公立図書館に行ったところ、リサイクル図書として「マルコムX」(現代書館のFOR BEGINNERSシリーズ)と「マルコムXワールド」(径書房)が出されていたので頂いてきた。いずれもマルコムXの生涯を紹介したもので、公民館に付属した小さな分館がこの2冊を同時に廃棄することに疑問を感じてしまい、近年ますます貧困になってきている図書館行政を批判したくもなるのだが、今日はその話ではない。 前者を読み始めたのだが、最初のページで早くも首を傾げることになり、数ページ進んだところで、ごく真面目な内容であるにもかかわらず笑ってしまうことになったのだ。たとえば次のような文章。 「マルコムの死以後、70年代、80年代はマルコムが変革のために行動するよう、全ての世代に呼びかけた義憤、社会主義に対して立ちあがる精神にかわって、フラストレーションと無関心がひろがることとなった。」 「兄弟、フィルバートとレジナルドは常に遊び相手であり、徹底的にけんかしたとしても、いつもお互いに世話をしあっていた。」 これは機械翻訳なのだろうか。初版は1993年。そのころには機械翻訳ソフトがもう出ていたと思われるので、可能性はある。もちろん奥付には訳者名も、その略歴も記されているし、それによると訳者は翻訳の経験を少なくとも何度かは積んできているのだが。 訳者はもちろんだが、こんな文章を出版してしまった編集者や出版社の責任を問いたくなる。読者に対しても著者に対しても無責任な仕事ではないか。現代書館は、独自の視点から社会に切り込むような書籍を多く出している出版社なので、15年も前の出版物だとは言え、悔やまれる。 por AndresAndres y Amelia SubscriberDos Peregrinos
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