8/30(月)18:05

28日(土)は9時15分起床。洗顔後、私はマタビオ駅(トゥールーズの中心駅)の銀行へ行って200ドルを換金。宿へ戻って仕度をすませ、10時15分に支払いをすませて宿を出、荷物を駅の一時預りに置く。前日とは違う道を通ってカビトル広場の方へ向かう。

途中、市場があり、配偶者が興味をもつので入ってみる。

野菜などにはそう変わったものはない。魚屋では店の前で大きなマグロをちょうど解体しているところ。しかし包丁の切れ味が悪いのか腕が悪いのか、とにかく手際が悪く、一つの塊を切り取るのにずい分手間取っている。サバやイワシもずい分売りに出ていた。肉屋では内臓専門店があり、若い女の子の店員が脳味噌、内臓、それに何だかわからない白い海綿状の気持ち悪いもの等を売っている。最初はめずらしいと思って見ていたが、段々気分が悪くなってくる。カピトル広場からカビトルをへだてた隣のド・ゴール広場へ着き、ツーリスモに入る。そこで地図をもらう。ツーリスモ内にはいくつか地元向けのパンフレットが置いてあり、それを見ると十分文化行事に力を入れている模様が分る。

11時半にカピトルに行く。 MUSEEと書いてある入口があったので入ろうとすると、それまで点いていた明りが消され、扉が閉められてしまい、昼休みになった様子。仕方ないのでここは午後に来ることにして、レンガ造りの街並を通ってポン・ヌフ(新橋)へ行ってみる。

ガロンヌ川は水量は多いものの流れが緩く、河岸近くにはゴミの浮いた水が淀んでいて、あまりきれいな川ではない。この町の水道の水は上味いのに、一体どこから引いているのだろうか。橋は、脇に回って見てみると下の方が石積みになっていて結構古そう。橋の真中まで歩いてから写真をとり、引き返す。

町中へもどり、小さな広場に面したレストランに入る。朝食は前日買って食べ切れずに残しておいたクロワッサン2個と、配偶者が一度持って歩きながら食べてみたかったと言って宿の近くのパン屋で買った細長いフランスパンを公園のベンチで食べてすませただけだったので、腹が減っていた。このレストランでは、最初から各テーブルに水の入ったフラスコが置いてある。しかし出てきた料理はうまくない。特に私のステーキは肉が妙にフニャフニャと軟いくせに筋が多くてナイフでなかなか切れず、味付も全くといっていい程されていない。唯一の救いはテーブルにコショウと塩が置かれているので、それを振りかけて食べられること。食事中、ギターを持った流しがやってきて、下手くそな歌を少し歌い、金を集めて回る。各テーブルで長いことつっ立ってずい分しつこそう。他の客はそのしつこさに負けるのかけっこう金を出している。私達のところにも来たが、こんな下手くそなものに金なんか出せるか、という気持ちがあったので、出さない。するとギターをかき鳴らして何か言う。それでも出さないと、捨てゼリフのような感じで何か言って、店の中の方へ歩いて行った。「お前の歌は下手だ」と言ってやりたいくらい。あんなに下手なものを、ほんの少しの時間だけいい加減に歌って金を取ろうとは何ていうことだ。金をとろうと思うのなら、もっとうまいか、少なくても下手なら下手でもっと真剣にやるべき。あんなに下手で、いい加減なのはスペインにはいなかった。屋外で食事をしていたら、風が吹いて寒い。

いやな気持ちでレストランを出、広場の日向で日光に当たって少し暖まる。2時を過ぎたので、オーギュスト美術館に行く。カビトルの方は午後は開かないようなのであきらめる。 ロマネスク絵画や柱頭の展示等。

列柱に囲まれた中庭が美しい。

一画は聖堂のようになっているが、椅子が多数並べられているものの正面に祭壇はなく、そのかわりパイプオルガンがある。正面にオルガンのある教会などこれまで見たことがないので、おそらくここはオルガン・コンサートの会場にでもなっていて、聖堂としては使われていないのであろう。近代絵画まで一通り全部見て出ようとしたら、別の階段から上に上がるところがあったので行ってみると、そこは現在のある画家の個展会場。あまり感心できる作品ではないので、ざっと見てから出る。

別の教会を見に行く。ここはステンドグラスが一寸美しいが、正面は工事中。一通り見て出、公園に行って朝買ったパンの残りをハトにやって遊ぶ。しかしここのハトは臆病でなかなか近寄らず、私達の足元に落ちたパンには手を出そうとしない。やっと集まったハトも前を人が通るときっと遠くへ散ってしまい、犬が近くに来ると飛んで行ってしまって戻ってこないので、面白くない。これに比べるとバルセロナのハトは気が強いと言おうか、怖いもの知らずと言おうか、ほとんど逃げようとしなかった。他にはこの町で特に見るべきところもなく、つまらないつまらないと配偶者と二人で言いあっている。少し離れた所に噴水のある大きな広場があるので、そこへ行ってみることにする。

緑の多い並木道を歩いて行くと、円形の大きな噴水を花壇が取り巻いた公園に行きつく。カピトルの方の公園よりはるかに良い所なのに人はほんの数人しかいない。夕暮れが近づいて風が冷たく、さびしい公園。カフェはあるが、営業しているのかどうが客は一人もいない。また同じ道を引き返して町中へ戻る。道には犬のフンが非常に多く、気をつけないと踏んでしまいそうになる。

一ヶ所犬のトイレがあるのを見つける。小さな砂場に30cm程の高さの柱が一本立てられ、犬のマークがついている。

町中の並木道までもどって夕食をとることにする。レストランをさがして駅の方へ向かって右側を歩いて行く。セルフサービスの店が一軒あり、安いようだがここはやめにしてまた歩くと、入口の窓ガラスにパンをいくつも飾ったレストランがあり、メニューを見ると安くて料理の種類も食べたいものがちょうど「本日のメニュー」に入っていたので、ここで食べることにする。一日中トゥールーズの中を歩いて印象が非常に悪かったが、ここのレストランは良かった。私と配偶者は別の「メニュー」をとる。前菜は配偶者がサラダでこれは何ということはないが、私の方は魚のクレープでこれが実にうまい。メインは私がソーセージ、配偶者が肉・ソーセージ・ベーコン・豆の煮込みで、両方ともうまい。パンも量は少ないが、クルミ入りでうまい。デザートは私はアイスクリーム、配偶者はケーキ。配偶者のケーキはリキュールが沢山入っていて苦くてちょっと口に合わない。しかし店内は静かで落ちつけ、ウェイトレスの感じもよく、料理の味は上等で、しかも二人合わせてコーヒーまで入れて100Fと一寸。大いに満足し、これでトゥールーズの印象も少しは回復される。

食事に思ったより時間がかかり、レストランを10時15分ごろ出て駅へ行く。着くと、もう列車はホームに入っていたので、さっそく荷物一時預りから受け取って乗り込む。二等簡易寝台はスペインより車両がはるかに新しく、きれい。私達の部屋には他にフランス人母娘二人が入っている。列車は定刻の23時に発車。静かで揺れも少ない。すぐにベッドに入り眠ることにするが、30分程で駅に停車し、それから車掌が検札に来る。その後もあまり熟睡はできなかった。

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