パラドールのカフェで朝食をと思って行ってみると、朝はやっていない。レストランの方を覗いてみるが、ビュッフェ形式なのでやめにする。タクシーを呼んでもらい、カテドラル前に行く。近くのBarで朝食。AmeliaはCafé con lecheとチューロ、私はChocolateとチューロ、娘はクロワッサンとオレンジジュースとCafé con leche。チューロはAmeliaのは太いので、私のは普通の細いもの。飲み物に応じて二種類を分けているのを初めて知った。

カテドラルはオーディオガイド付きなので、スペイン語のを借りる。オーディオガイドを借りるときにパスポートを預けさせられるのは分かるが、チケット購入時にクレジットカードで払おうとするとパスポートの提示を求められた。こういう習慣はもうなくなったとばかり思っていたが、まだ残っていた。オーディオガイドは分かりやすいスペイン語で助かった。ガイドの順に説明を聞きながら回る。なかでもTranspatenteの光にうかぶ彫刻が見事。
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トレドのカテドラル後陣
アルカサール。入口が地図に示されておらず、道路に標識にもないので、運悪くほとんど一周して入口にたどり着く。入口はアルカサールに隣接してつくられた現代的建物。中は文字通り軍事博物館で、下らない。兵隊のミニチュアを並べた展示がいくつもあり、あとは武器、軍服、勲章の展示。勲章を胸にたくさんつけて喜ぶなど幼稚園児並みの精神構造。ここは市民戦争時にフランコ派のモスカルド将軍たちが籠城したところ。30数年前に訪れたときは復元された指令室で共和派に拘束された将軍の息子と将軍との電話でのやり取りがフランコ派からの視点で紹介されていた。今回行ってみると「モスカルドの部屋」Despacho del Colonel Moscardóとして小さな一室が設けられているだけ。どちら側の視点で展示しても問題になるので展示を縮小したのか、もはや市民戦争は関心の外になってしまったのか。
トレドの食事
トレドの食事(ウズラ、ウサギ、マス)
昼食はトレド名物の山ウズラ(シャコ)、ウサギ、そしてマス。どれもまずまずの味。
サント・トメ教会で「オルガス伯の埋葬」を観る。エル・グレコはあまり好きではないが、この作品は確かに傑作だと思う。日本人の団体がこの絵だけを見て出て行った。ほかは見る価値のあるものがないと言えばその通りなのだが、教会内に入りもしないのはメンバーには不満が残るのでは。「今朝プラドで見たベラスケス・・・」とガイドが言っていたので、時間がないのだろうが。
「グレコの家」。グレコの弟子あるいは後継者の作品が興味深い。当時は画家は「芸術家」ではなく「職人」だったことがよくわかる。グレコの作品も、多くは弟子たちの手になっていたのだろうし、弟子たちも自分の独自性などというものは考えつきもしないで制作にあたっていたのだろう。
サント・トメ教会の前の土産屋で象嵌細工を買う。象嵌細工には2種類あり、本物は金糸を手作業で埋め込むので非常に線が細く、コピー品はフォトコピーで金を埋め込むだけなので安いとのこと。並べてみると確かに違いは明白。本物の方を買う。
バスでパラドールに戻ろうと思ったが、次の便まで1時間近く待たなければならないのでタクシーで帰る。
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トレドの夕景
パラドールのカフェテラスから夕暮れのトレドを眺める。
por Andrés
Andrésスペイン旅行パラドールのカフェで朝食をと思って行ってみると、朝はやっていない。レストランの方を覗いてみるが、ビュッフェ形式なのでやめにする。タクシーを呼んでもらい、カテドラル前に行く。近くのBarで朝食。AmeliaはCafé con lecheとチューロ、私はChocolateとチューロ、娘はクロワッサンとオレンジジュースとCafé con leche。チューロはAmeliaのは太いので、私のは普通の細いもの。飲み物に応じて二種類を分けているのを初めて知った。カテドラルはオーディオガイド付きなので、スペイン語のを借りる。オーディオガイドを借りるときにパスポートを預けさせられるのは分かるが、チケット購入時にクレジットカードで払おうとするとパスポートの提示を求められた。こういう習慣はもうなくなったとばかり思っていたが、まだ残っていた。オーディオガイドは分かりやすいスペイン語で助かった。ガイドの順に説明を聞きながら回る。なかでもTranspatenteの光にうかぶ彫刻が見事。アルカサール。入口が地図に示されておらず、道路に標識にもないので、運悪くほとんど一周して入口にたどり着く。入口はアルカサールに隣接してつくられた現代的建物。中は文字通り軍事博物館で、下らない。兵隊のミニチュアを並べた展示がいくつもあり、あとは武器、軍服、勲章の展示。勲章を胸にたくさんつけて喜ぶなど幼稚園児並みの精神構造。ここは市民戦争時にフランコ派のモスカルド将軍たちが籠城したところ。30数年前に訪れたときは復元された指令室で共和派に拘束された将軍の息子と将軍との電話でのやり取りがフランコ派からの視点で紹介されていた。今回行ってみると「モスカルドの部屋」Despacho del Colonel Moscardóとして小さな一室が設けられているだけ。どちら側の視点で展示しても問題になるので展示を縮小したのか、もはや市民戦争は関心の外になってしまったのか。昼食はトレド名物の山ウズラ(シャコ)、ウサギ、そしてマス。どれもまずまずの味。サント・トメ教会で「オルガス伯の埋葬」を観る。エル・グレコはあまり好きではないが、この作品は確かに傑作だと思う。日本人の団体がこの絵だけを見て出て行った。ほかは見る価値のあるものがないと言えばその通りなのだが、教会内に入りもしないのはメンバーには不満が残るのでは。「今朝プラドで見たベラスケス・・・」とガイドが言っていたので、時間がないのだろうが。「グレコの家」。グレコの弟子あるいは後継者の作品が興味深い。当時は画家は「芸術家」ではなく「職人」だったことがよくわかる。グレコの作品も、多くは弟子たちの手になっていたのだろうし、弟子たちも自分の独自性などというものは考えつきもしないで制作にあたっていたのだろう。サント・トメ教会の前の土産屋で象嵌細工を買う。象嵌細工には2種類あり、本物は金糸を手作業で埋め込むので非常に線が細く、コピー品はフォトコピーで金を埋め込むだけなので安いとのこと。並べてみると確かに違いは明白。本物の方を買う。バスでパラドールに戻ろうと思ったが、次の便まで1時間近く待たなければならないのでタクシーで帰る。パラドールのカフェテラスから夕暮れのトレドを眺める。por Andrés退職者夫婦の旅と日常(スペイン・旅・留学・巡礼・映画・思索・本・・・)