フェリーは思ったより揺れたが、それよりも暖房が効かず寒いのが困った。夜中に目が覚め上着を着込んだが、さらにもう一度目が覚め、靴下を履きもう一枚上着を掛けた。何とか眠れたが、6時に目覚ましをかけていたのにその前に起きだすこととなった。外は当然真っ暗だが船内放送が入ったので洗面を済ませ着替えて、いつでも下船できるように準備した。ところがそのころから揺れがひどくなり、波しぶきが船窓にかかるほどとなった。船酔いとまでは行かなかったが、Ameliaは気持ちが悪いからとベッドに横になった。私は部屋を出て船内を見て回ることに。外が明るくなり、座席に座って外を見ていると波しぶきが上がるのが見える。6時45分に着く予定なのに7時を過ぎても陸は見えない。荒波が続いたが、Maóが奥にある細長い湾に入ってようやく海は静かになる。

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船の右側には城壁の跡が続いている。地中海の真ん中にあるのだから昔からここは強国の争奪の舞台になっていたのだろう。

結局Maóに着いたのは8時半だった。定刻に着いたとしてもやることはないし、真っ暗な中をホテルまで歩くのは大変だっただろうから遅れたのはかえって幸い。ところが着いたのは地図で見ていたのとは違って湾の反対側で、町の中心までは遠くなっている。船員にバス便があるかとたずねるとあるとのことで、実際フェリーを降りるとミニバスが少し先に停まっていた。

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10分ほどで中心街のバスステーションに到着。ホテルの場所を運転手に教えてもらう。ほんの数分のところで助かる。

チェックインするが部屋には1時間後にしか入れないとのこと。荷物を預けて出かける。

先ずTurismoへ行き、町の情報、Ciutadellaへのバスの時刻表、その他必要な情報をもらい、近くのBarで朝食。

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ここの名産のパン、Ensaimadaという渦巻きパンとCafé con leche。Ensaimadaは渦巻き状のパンに白粉砂糖をまぶしたもの。これまでも何度も食べたことのあるもの。もう少しクロワッサンぽいものだった思うが、ここのは中がすこしねっとりした感じ。味は不味くもないし特に美味しくもない。

街を見学することに。

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まずTeatro Principal de Maó。中には入れないがポスターが掲示してあり、毎週末には公演があるようだ。小さな町だが文化水準は高いようだ。

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Pont de Sant Roc。城壁の一部で城門の部分。14世紀のもの。この城壁を壁にした建物がホテルになっていて、最初はここに泊まろうかとも思っていたが、小さなホテルで朝着いても開いていない可能性があるのであきらめたもの。船が遅れたのでここにすれば良かったと思えるような雰囲気の良さそうなホテルだ。

Iglesia de Sant Francesc。

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18世紀のもののようだが、祭壇を囲むようにモノトーンの壁画が印象的。

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教会前からは港が見渡され、私たちの乗ってきたフェリーが停泊しているのが見える。

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隣のMuseo de Menorca。教会に隣接していた修道院を改装したもの。メノルカ島の先史時代からの歴史を展示。イギリスに占領された時期があり、そのために英語の影響を受けた言葉が多いとのこと。

Turismoの方に戻り、Iglesia de Santa Mariaへ。

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Turismoの人が、ここはオルガンが美しいと言っていたが、確かに素晴らしい外観のオルガンだ。祭壇は工事中で一部しか見られない。

Mercado de Pescados。入って左半分だけが営業している。まだ12時ごろなので開いている店も多いが、客はほんの数人。

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新鮮な魚が並んでいて、中には初めて見るようなものも。見終えて入口に戻ってきたら中年の男性が話しかけてきて、右半分は夏にはレストランになり、左側の店で買った魚を持ち込むと調理してくれると教えてくれた。那覇の市場と同じ仕組みだ。掲示を見ると冬場も週末はやっているようだ。

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Mercado del Carne。ここは確かに肉屋もあるが、チーズ屋はもちろん、果物屋、花屋、洋品店など様々な店が並んでいる。しかもここは修道院だったところを改装したもの。

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中庭を囲んで店が並び、さらに地下はスーパーマーケットになっている。

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Iglesia del Carme。特徴はないが、ミサは定期的に行われているようだ。

Centre d’Arte i Historia。邸宅だったものを改装したもので、町の歴史や邸宅の持ち主だった人が集めた絵画などを展示。

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そんなに良いものはないが、屋上の塔に上ると街全体を俯瞰できる。1時半に係の人がやってきて閉館だと告げられる。まだ地下は見ていなかったが。

昼食をとろうとネットで見つけたレストランに向かうが、見当たらない。別の店にも行ってみるが店そのものがない。どうもこのYelpというアプリは使い物にならないようだ。

ホテルまで戻り、ホテルのレストランは閉まっているので、フロントで良いレストランを紹介してもらう。

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Sesforquillasという店。ちょっと裏通りに入ったところにある、入口は何の変哲もない店。

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アラカルトで注文。最初にプリッツのような細長いパンにチーズを葉っぱのように付けたもの。美味しい。ナス料理は焼きナスのようなものだが繊維が弱く、スプーンでも切れる。ソースはついているがナスそのものはまさに焼きナスの味。次はキノコのリゾットのようなもの。米は芯はないのだが硬め。コメの品種の問題なのか、炊き方が独特なのか、不思議な食感だ。味は良い。メインは豚肉で、仔豚の丸焼きのように皮をパリっと美味しく焼き上げてある。量は少ないが私たちにはちょうど良い。パンはPan con tomate。最後はデザートにはせずCafé cortado。満腹にまでならず、美味しい食事で満足。

ホテルに戻り荷物を受け取って部屋に入る。16時過ぎだった。明日は島の反対側のCiutadellaに移動するので、ホテルの予約。バスは30分おきに出ているので適当な時間にバスターミナルに行けばよいだろう。その先のMallorcaまでのフェリーを調べたら、最初は19時発の1日1本しかなくて慌てるが、他の船会社のも調べてみると朝10時の便があったのでほっとした。

日記を書き、シャワーを浴びてから、20時前に夜の散歩に出かける。

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中心街に行ってみるが、意外にも飾られているイルミネーションは点灯されていない。しばらく歩きまわる。案外遅くまで開いている店が多い。ぐるりと街を巡りエスパーニャ広場に戻ったところにあったBarに入る。

SobrasadaのBocadelloというのがメノルカ名物としてメニューにあるので頼んでみる。

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Sobrasadaは腸に詰めていないチョリソのようなものだった。私たちの好みではないが、名物なので1度は食べてみたいと思っていたもの。これで今日は1日で名物2種を食べてしまったことになる。EnsaimadaとSobrasada。あとはマヨネーズだが、これは料理ではないのでメニューの中で探すのは難しい。

ホテルに戻り日記の続きを書き終えたら22時。昨夜の寝不足で眠い。

Andrésスペイン旅行フェリーは思ったより揺れたが、それよりも暖房が効かず寒いのが困った。夜中に目が覚め上着を着込んだが、さらにもう一度目が覚め、靴下を履きもう一枚上着を掛けた。何とか眠れたが、6時に目覚ましをかけていたのにその前に起きだすこととなった。外は当然真っ暗だが船内放送が入ったので洗面を済ませ着替えて、いつでも下船できるように準備した。ところがそのころから揺れがひどくなり、波しぶきが船窓にかかるほどとなった。船酔いとまでは行かなかったが、Ameliaは気持ちが悪いからとベッドに横になった。私は部屋を出て船内を見て回ることに。外が明るくなり、座席に座って外を見ていると波しぶきが上がるのが見える。6時45分に着く予定なのに7時を過ぎても陸は見えない。荒波が続いたが、Maóが奥にある細長い湾に入ってようやく海は静かになる。 船の右側には城壁の跡が続いている。地中海の真ん中にあるのだから昔からここは強国の争奪の舞台になっていたのだろう。 結局Maóに着いたのは8時半だった。定刻に着いたとしてもやることはないし、真っ暗な中をホテルまで歩くのは大変だっただろうから遅れたのはかえって幸い。ところが着いたのは地図で見ていたのとは違って湾の反対側で、町の中心までは遠くなっている。船員にバス便があるかとたずねるとあるとのことで、実際フェリーを降りるとミニバスが少し先に停まっていた。 10分ほどで中心街のバスステーションに到着。ホテルの場所を運転手に教えてもらう。ほんの数分のところで助かる。 チェックインするが部屋には1時間後にしか入れないとのこと。荷物を預けて出かける。 先ずTurismoへ行き、町の情報、Ciutadellaへのバスの時刻表、その他必要な情報をもらい、近くのBarで朝食。 ここの名産のパン、Ensaimadaという渦巻きパンとCafé con leche。Ensaimadaは渦巻き状のパンに白粉砂糖をまぶしたもの。これまでも何度も食べたことのあるもの。もう少しクロワッサンぽいものだった思うが、ここのは中がすこしねっとりした感じ。味は不味くもないし特に美味しくもない。 街を見学することに。 まずTeatro Principal de Maó。中には入れないがポスターが掲示してあり、毎週末には公演があるようだ。小さな町だが文化水準は高いようだ。 Pont de Sant Roc。城壁の一部で城門の部分。14世紀のもの。この城壁を壁にした建物がホテルになっていて、最初はここに泊まろうかとも思っていたが、小さなホテルで朝着いても開いていない可能性があるのであきらめたもの。船が遅れたのでここにすれば良かったと思えるような雰囲気の良さそうなホテルだ。 Iglesia de Sant Francesc。 18世紀のもののようだが、祭壇を囲むようにモノトーンの壁画が印象的。 教会前からは港が見渡され、私たちの乗ってきたフェリーが停泊しているのが見える。 隣のMuseo de Menorca。教会に隣接していた修道院を改装したもの。メノルカ島の先史時代からの歴史を展示。イギリスに占領された時期があり、そのために英語の影響を受けた言葉が多いとのこと。 Turismoの方に戻り、Iglesia de Santa Mariaへ。 Turismoの人が、ここはオルガンが美しいと言っていたが、確かに素晴らしい外観のオルガンだ。祭壇は工事中で一部しか見られない。 Mercado de Pescados。入って左半分だけが営業している。まだ12時ごろなので開いている店も多いが、客はほんの数人。 新鮮な魚が並んでいて、中には初めて見るようなものも。見終えて入口に戻ってきたら中年の男性が話しかけてきて、右半分は夏にはレストランになり、左側の店で買った魚を持ち込むと調理してくれると教えてくれた。那覇の市場と同じ仕組みだ。掲示を見ると冬場も週末はやっているようだ。 Mercado del Carne。ここは確かに肉屋もあるが、チーズ屋はもちろん、果物屋、花屋、洋品店など様々な店が並んでいる。しかもここは修道院だったところを改装したもの。 中庭を囲んで店が並び、さらに地下はスーパーマーケットになっている。 Iglesia del Carme。特徴はないが、ミサは定期的に行われているようだ。 Centre d’Arte i Historia。邸宅だったものを改装したもので、町の歴史や邸宅の持ち主だった人が集めた絵画などを展示。 そんなに良いものはないが、屋上の塔に上ると街全体を俯瞰できる。1時半に係の人がやってきて閉館だと告げられる。まだ地下は見ていなかったが。 昼食をとろうとネットで見つけたレストランに向かうが、見当たらない。別の店にも行ってみるが店そのものがない。どうもこのYelpというアプリは使い物にならないようだ。 ホテルまで戻り、ホテルのレストランは閉まっているので、フロントで良いレストランを紹介してもらう。 Sesforquillasという店。ちょっと裏通りに入ったところにある、入口は何の変哲もない店。 アラカルトで注文。最初にプリッツのような細長いパンにチーズを葉っぱのように付けたもの。美味しい。ナス料理は焼きナスのようなものだが繊維が弱く、スプーンでも切れる。ソースはついているがナスそのものはまさに焼きナスの味。次はキノコのリゾットのようなもの。米は芯はないのだが硬め。コメの品種の問題なのか、炊き方が独特なのか、不思議な食感だ。味は良い。メインは豚肉で、仔豚の丸焼きのように皮をパリっと美味しく焼き上げてある。量は少ないが私たちにはちょうど良い。パンはPan con tomate。最後はデザートにはせずCafé cortado。満腹にまでならず、美味しい食事で満足。 ホテルに戻り荷物を受け取って部屋に入る。16時過ぎだった。明日は島の反対側のCiutadellaに移動するので、ホテルの予約。バスは30分おきに出ているので適当な時間にバスターミナルに行けばよいだろう。その先のMallorcaまでのフェリーを調べたら、最初は19時発の1日1本しかなくて慌てるが、他の船会社のも調べてみると朝10時の便があったのでほっとした。 日記を書き、シャワーを浴びてから、20時前に夜の散歩に出かける。 中心街に行ってみるが、意外にも飾られているイルミネーションは点灯されていない。しばらく歩きまわる。案外遅くまで開いている店が多い。ぐるりと街を巡りエスパーニャ広場に戻ったところにあったBarに入る。 SobrasadaのBocadelloというのがメノルカ名物としてメニューにあるので頼んでみる。 Sobrasadaは腸に詰めていないチョリソのようなものだった。私たちの好みではないが、名物なので1度は食べてみたいと思っていたもの。これで今日は1日で名物2種を食べてしまったことになる。EnsaimadaとSobrasada。あとはマヨネーズだが、これは料理ではないのでメニューの中で探すのは難しい。 ホテルに戻り日記の続きを書き終えたら22時。昨夜の寝不足で眠い。退職者夫婦の旅と日常(スペイン・旅・留学・巡礼・映画・思索・本・・・)