zoomを使ったオンライン生中継で、1978年バルセロナに渡りサグラダ・ファミリアの芸術工房監督を務める彫刻家の外尾悦郎氏がサグラダ・ファミリアについて語るという企画。
カタルーニャ州公認・日本語ガイドのモイセス・フェランの司会で、外尾氏と彫刻、外尾氏にとってのサグラダ・ファミリアとは、外尾氏にとってのガウディとはなどが語られる。
日本時間の14時30分からだったので、現地は7時30分。土曜日朝の、まだ人通りの少ないサグラダ・ファミリア前から中継が始まり、終了の8時45分には入場の列ができ始めていた。
外尾氏がサグラダ・ファミリアの彫刻を手掛けることになった経過や、ガウディに対する考えが語られた。特に日本人にガウディ好きが多いことについて、ガウディの自然への向き合い方が日本人と共通するものがあるので、ガウディが日本的だと言うべきだとの考えが印象的だった。また2026年、ガウディ没後100年に完成と発表されていることについて、新型コロナの影響で工事が遅れるのではとの指摘があるが、そもそもサグラダ・ファミリアに完成はないと強調していた。2026年に出来上がるかもしれないのは、あくまで建物の構造だけだと。
確かに聖堂建築と言うものはそういうものかもしれない。ヨーロッパの聖堂の多くは何度も建て替えられ、増改築が繰り返され、一つの聖堂の中にロマネスク、ゴシック、ロココなどの様式が併存している。サグラダ・ファミリアもガウディの設計と言われているが、実際には彼の設計図が残されているのではなく、彼はこうしたかったのではないかと想像しながらこの100年間の建築は進められてきた。
ガウディ自身よりも長くサグラダ・ファミリアの建築に携わっていることになる外尾氏は、年金はいらないからこの仕事をいつまでも続けたいと言う。「神は急いでおられない」とガウディは言ったそうだが、外尾氏も急がないし、聖堂の完成は永遠に訪れないのだろう。

※前半は中継の調子が悪くて画像も悪く、音も途切れ途切れで、中継が中断されることもあった。事前申し込み先着3,000名限定の視聴だったが、ぜひYouTubeででも録画を流してほしい。

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