東日本大震災・福島第二原子力発電所事故2011年3月11日から半年、

アメリカ合衆国同時多発テロ2001年9月11日から10年、

チリでの軍事クーデター1973年9月11日から38年。

これらに共通しているのは、権力による情報のねつ造と、多くの人々がねつ造された情報をそれと知りながらあえて肯定していったということ。その目的は、自己の利益の確保、それも目先の利益の追求だということ。

チリで、民主的選挙によって成立したアジェンデ政権が、CIAに全面支援されたピノチェト将軍の軍事クーデターで倒された。その後、ピノチェト政権によって少なくとも数万人が殺害されたり行方不明にされたりした。ピノチェト政権が独裁であり反民主的であることは当時でも明白だったが、その生みの親である米国政府は当然のことながら、例によって日本政府もこれをいち早く承認し、マスメディアは遠い国のこととして事実を早々に忘れ去っていった。チリ国民が選んだ社会主義政権よりも、米国の意を汲む独裁政権の方が利益を上げられたのだから。

ニューヨーク貿易センタービル等への同時多発テロから10年。ここ数日、日本のメディアもこれを大きく扱っている。そこで繰り返されている題目は「この10年間のテロに対する戦い・・・」。米国がテロに対しての戦いを進めている。こうした明白な嘘が、10年間流され続けている。米国が民主主義を守り、独裁政治を打倒し、テロを撲滅するために行動している、などと考えるのは全くの盲信でしかない。事実は、米国は民主主義を守ることもあれば破壊することもあり、独裁を倒すこともあれば打ち立てることもあり、テロを撲滅することもあれば支援することもあるということだ。より正確に言えば、民主主義を破壊したことの方が多かったし、独裁政治を援助したり自ら独裁政権を樹立してきたし、世界最大のテロ国家として全世界でテロを遂行してきたということだ。そこで一貫しているのは、米国の権益の保護と拡張だけ。こんなことは米国信者以外は誰しもが気付いていることだが。

福島第二原発事故から半年。電力会社から政治資金を受け取って原発を推進してきた政党や政治家、当面は支払わないで済む(計算することもできない)使用済み核燃料の処理費や廃炉費用を棚上げすることで安価な電力料金での利益を得られた財界、広告費等を受け取って原発安全神話の作り出してきたマスメディア(当然NHKも含む)、研究費等を受け取って原発の有利性や安全性に都合のよいデータだけを揃え続けて来た学者たち。それぞれに追い求めた利益がみごとに一致していたのだから、反原発派の主張を表舞台から消し去り無視するのは容易なことだった。

メディアはしきりに「9.11で世界は変わった」と繰り返している。しかし「9.11」が何の疑問もなく2001年のものを意味するとして情報を伝える限り、1973年の9.11をあらためて検証しない限り、「世界は変わっていない」と言わざるを得ない。米国を中心につくられ捏造される情報と、それを垂れ流すメディアと、目先の利益のためにそれを受容する人々と。

あれから7年半

スペイン・マドリードでの列車テロ2004年3月11日から7年半。これはまた別の機会に。

por Andrés

Andres y Amelia日記・コラム・つぶやき東日本大震災・福島第二原子力発電所事故2011年3月11日から半年、 アメリカ合衆国同時多発テロ2001年9月11日から10年、 チリでの軍事クーデター1973年9月11日から38年。 これらに共通しているのは、権力による情報のねつ造と、多くの人々がねつ造された情報をそれと知りながらあえて肯定していったということ。その目的は、自己の利益の確保、それも目先の利益の追求だということ。 チリで、民主的選挙によって成立したアジェンデ政権が、CIAに全面支援されたピノチェト将軍の軍事クーデターで倒された。その後、ピノチェト政権によって少なくとも数万人が殺害されたり行方不明にされたりした。ピノチェト政権が独裁であり反民主的であることは当時でも明白だったが、その生みの親である米国政府は当然のことながら、例によって日本政府もこれをいち早く承認し、マスメディアは遠い国のこととして事実を早々に忘れ去っていった。チリ国民が選んだ社会主義政権よりも、米国の意を汲む独裁政権の方が利益を上げられたのだから。 ニューヨーク貿易センタービル等への同時多発テロから10年。ここ数日、日本のメディアもこれを大きく扱っている。そこで繰り返されている題目は「この10年間のテロに対する戦い・・・」。米国がテロに対しての戦いを進めている。こうした明白な嘘が、10年間流され続けている。米国が民主主義を守り、独裁政治を打倒し、テロを撲滅するために行動している、などと考えるのは全くの盲信でしかない。事実は、米国は民主主義を守ることもあれば破壊することもあり、独裁を倒すこともあれば打ち立てることもあり、テロを撲滅することもあれば支援することもあるということだ。より正確に言えば、民主主義を破壊したことの方が多かったし、独裁政治を援助したり自ら独裁政権を樹立してきたし、世界最大のテロ国家として全世界でテロを遂行してきたということだ。そこで一貫しているのは、米国の権益の保護と拡張だけ。こんなことは米国信者以外は誰しもが気付いていることだが。 福島第二原発事故から半年。電力会社から政治資金を受け取って原発を推進してきた政党や政治家、当面は支払わないで済む(計算することもできない)使用済み核燃料の処理費や廃炉費用を棚上げすることで安価な電力料金での利益を得られた財界、広告費等を受け取って原発安全神話の作り出してきたマスメディア(当然NHKも含む)、研究費等を受け取って原発の有利性や安全性に都合のよいデータだけを揃え続けて来た学者たち。それぞれに追い求めた利益がみごとに一致していたのだから、反原発派の主張を表舞台から消し去り無視するのは容易なことだった。 メディアはしきりに「9.11で世界は変わった」と繰り返している。しかし「9.11」が何の疑問もなく2001年のものを意味するとして情報を伝える限り、1973年の9.11をあらためて検証しない限り、「世界は変わっていない」と言わざるを得ない。米国を中心につくられ捏造される情報と、それを垂れ流すメディアと、目先の利益のためにそれを受容する人々と。 あれから7年半 スペイン・マドリードでの列車テロ2004年3月11日から7年半。これはまた別の機会に。 por Andrés退職者夫婦の旅と日常(スペイン・旅・留学・巡礼・映画・思索・本・・・)