合計距離: 22933 m
最高点の標高: 187 m
最低点の標高: 68 m
累積標高(上り): 1131 m
累積標高(下り): -1155 m
総所要時間: 08:31:49

10月27日(金)

朝食は宿で、8時からと伝えてあったら、8時に宿の主人が運んできてくれた。しかし内容は貧弱。これで一人8€はあまりにも高い。内装などには凝っているが、宿泊施設として必要なものがなく、机の抽斗には雑然といろんなものが突っ込んでありと不満に感じることの多い宿だった。

9時半に出発。雨は降っていなかったが、すぐに小雨になる。村を抜けると土の道になるが、水捌けが良いのか、昨日の雨の水たまりは少ない。

間もなく雨がひどくなる。ちょうどそんな時に道の左にCaminoの私設休憩所があった。雨宿りしようかと庭に入ってみるが、東屋の椅子は濡れている。すると奥の小屋から男が呼んで小屋の中で椅子を用意してくれた。小屋で雨が弱まるのを待つ。その間に男がいろんなことを話してくれる。ニコラウさん。4年前に仕事を辞めてここに住んでいるとのこと。そういえば今日はフランシスコ法王が世界平和を祈るために断食を呼びかけていたのに、すっかり忘れていたと笑っていた。

東京は人だらけで、みんなロボットのようにスマートフォンばかりを見て、人の目を見て話そうとしない。広島や長崎に原爆を落として、その何百万倍もの爆弾を米国や中国が持っている。キリスト教徒もイスラム教徒も仏教徒もユダヤ教徒もヒンズー教徒も平和を祈るべきだと言っていた。

横に建てられている小さな礼拝堂に連れて行ってくれた。中にはファティマの聖母とそれを見た子供たちが置かれ、そこでニコラウが祈りを捧げ、ファティマの聖母の歌を歌ってくれる。堂の出口にはファティマの水が置いてあり、それに触れると健康になれると言う。雨が上がったので私たちが出発すると言うと、途中まで案内すると言って、裸足で飼い犬も一緒に行くことになる。通りかかった村人に声をかけて、日本人だ、東京から来たと紹介する。村を抜けて土の道になると裸足のニコラウは時々泥で滑ってしまうが、水たまりは平気でジャブジャブ進む。私たちは靴を濡らしてしまう。道中、ウルトレイヤを歌い、またファティマの聖母の歌を歌っていた。ファティマへの道標のところで立ち止まり、ニコラウは私たちの前にひざまづいて、脚を一つずつ手で包んで私たちのために祈ってくれた。そこでお別れ。

こんなふうに書くと、信仰を押し付けしつこく勧誘する迷惑な人物のように思えるだろう。しかし実際は押し付けがましさよりも、あっけらかんと笑いながら自分がやりたいことをやっているだけだから気にしないで、という感じだった。彼はきっとイエスの行動をなぞっていたのだろう。

山では紅葉がはじまっていた。

昼食は博物館に併設されたレストランで。スープと七面鳥のロースト。あっさりして美味しかった。

今日もまた道の両側には点々とオリーブ畑。収穫後に剪定した枝を燃やしていたが、油分が多いのかよく燃えていた。

途中の村に、わざわざ水路を床下に引いて、水を流している家があった。炊事か洗濯に使っているのか、冷房代わりなのか。

今日は雨に苦しめられずに済むかと思ったら、大きな水たまりに行手を阻まれることが何度かあった。また大雨をバス停で凌ぐこともあった。

今夜の宿はCaminoから少し離れた小高い丘の上。夕食のためにレストランに行くには国道を陸橋で越え、工場の中を抜けて行かなければならなかった。

夕食はスープを各一人前、豚肉の油焼き、ポテトフライ、ガーリックライスを二人で分け合う。テーブルにつくとすぐにパン、オリーブ、チーズとハムの盛り合わせが出される。チーズとハムはいらないと言って下げてもらった。このやり方はしっかり残っていたんだ。

宿に戻りながら空を見上げると、月や星が煌々と輝いていた。

今日の歩行

ZambujalからAntanhol  20.1km 32,788歩

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/images/2023/10/IMG_4487-700x394.jpeg/images/2023/10/IMG_4487-150x150.jpegAndrésポルトガルの道 Camino PortuguésAntanhol,Camino Portugués,Zambujal,ニコラウ10月27日(金) 朝食は宿で、8時からと伝えてあったら、8時に宿の主人が運んできてくれた。しかし内容は貧弱。これで一人8€はあまりにも高い。内装などには凝っているが、宿泊施設として必要なものがなく、机の抽斗には雑然といろんなものが突っ込んでありと不満に感じることの多い宿だった。 9時半に出発。雨は降っていなかったが、すぐに小雨になる。村を抜けると土の道になるが、水捌けが良いのか、昨日の雨の水たまりは少ない。 間もなく雨がひどくなる。ちょうどそんな時に道の左にCaminoの私設休憩所があった。雨宿りしようかと庭に入ってみるが、東屋の椅子は濡れている。すると奥の小屋から男が呼んで小屋の中で椅子を用意してくれた。小屋で雨が弱まるのを待つ。その間に男がいろんなことを話してくれる。ニコラウさん。4年前に仕事を辞めてここに住んでいるとのこと。そういえば今日はフランシスコ法王が世界平和を祈るために断食を呼びかけていたのに、すっかり忘れていたと笑っていた。 東京は人だらけで、みんなロボットのようにスマートフォンばかりを見て、人の目を見て話そうとしない。広島や長崎に原爆を落として、その何百万倍もの爆弾を米国や中国が持っている。キリスト教徒もイスラム教徒も仏教徒もユダヤ教徒もヒンズー教徒も平和を祈るべきだと言っていた。 横に建てられている小さな礼拝堂に連れて行ってくれた。中にはファティマの聖母とそれを見た子供たちが置かれ、そこでニコラウが祈りを捧げ、ファティマの聖母の歌を歌ってくれる。堂の出口にはファティマの水が置いてあり、それに触れると健康になれると言う。雨が上がったので私たちが出発すると言うと、途中まで案内すると言って、裸足で飼い犬も一緒に行くことになる。通りかかった村人に声をかけて、日本人だ、東京から来たと紹介する。村を抜けて土の道になると裸足のニコラウは時々泥で滑ってしまうが、水たまりは平気でジャブジャブ進む。私たちは靴を濡らしてしまう。道中、ウルトレイヤを歌い、またファティマの聖母の歌を歌っていた。ファティマへの道標のところで立ち止まり、ニコラウは私たちの前にひざまづいて、脚を一つずつ手で包んで私たちのために祈ってくれた。そこでお別れ。 こんなふうに書くと、信仰を押し付けしつこく勧誘する迷惑な人物のように思えるだろう。しかし実際は押し付けがましさよりも、あっけらかんと笑いながら自分がやりたいことをやっているだけだから気にしないで、という感じだった。彼はきっとイエスの行動をなぞっていたのだろう。 山では紅葉がはじまっていた。 昼食は博物館に併設されたレストランで。スープと七面鳥のロースト。あっさりして美味しかった。 今日もまた道の両側には点々とオリーブ畑。収穫後に剪定した枝を燃やしていたが、油分が多いのかよく燃えていた。 途中の村に、わざわざ水路を床下に引いて、水を流している家があった。炊事か洗濯に使っているのか、冷房代わりなのか。 今日は雨に苦しめられずに済むかと思ったら、大きな水たまりに行手を阻まれることが何度かあった。また大雨をバス停で凌ぐこともあった。 今夜の宿はCaminoから少し離れた小高い丘の上。夕食のためにレストランに行くには国道を陸橋で越え、工場の中を抜けて行かなければならなかった。 夕食はスープを各一人前、豚肉の油焼き、ポテトフライ、ガーリックライスを二人で分け合う。テーブルにつくとすぐにパン、オリーブ、チーズとハムの盛り合わせが出される。チーズとハムはいらないと言って下げてもらった。このやり方はしっかり残っていたんだ。 宿に戻りながら空を見上げると、月や星が煌々と輝いていた。 今日の歩行 ZambujalからAntanhol  20.1km 32,788歩 < p lang='en-US'> 退職者夫婦の旅と日常(スペイン・旅・留学・巡礼・映画・思索・本・・・)