8時半にレンタカー会社の人が迎えに来るので、私達としては早めの7時15分から朝食。

食後、荷物を持ってロビーに下り、チェックアウトを済ませて少し待つとレンタカー屋さんがやってくる。車に乗り営業所までほんの数分。手続きを済ませ軽自動車で出発。まず有川港のターミナルに行き、五島旅行パックについてきた「しまとく通貨」引換券の手続きをする。スマートフォンにアプリを入れて使う仕組み。

頭ヶ島集落と教会に行く。そこには一般車乗り入れが禁止されていて、上五島空港でシャトルバスに乗り換える必要がある。空港は現在は定期的には使われていない。

バスの乗客は10人ほど。

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バスを降りて小さな集落を抜けた先に頭ヶ島教会がある。

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1919年に完成したもので、建設資金が乏しかったため、近在の砂岩を積んだもの。外見は武骨だが、内部は花の飾りなどで優しく柔らかい雰囲気に仕上げられている。

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ここは病人の療養地だったため人が近づかず、絶好の隠れ里と考えて外海から潜伏キリシタンが移住してきた集落。解禁後はカトリックに復帰して教会を建てた。ここも過疎化が進んでいるが、集落自体も世界遺産に指定された。どう維持していくのだろう。

空港に戻り、元のターミナルビルの中にある展示を見る。あまり充実していない。

レンタカーに乗って島の北部に向かう。

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江袋教会。2007年に火災に遭ったが、骨組みや外壁が残り、実測図面もあったので正確に復元できたとのこと。

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小さな集落にある教会だが、現役だ。しかもこの細長い半島のさらに先にはまだ3つの教会がある。

ここから引き返し、青砂ヶ浦教会へ。

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煉瓦造りで、その後の煉瓦造り教会の出発点となったもの。国の重要文化財。

小さな湾をぐるりと回って冷水教会へ。

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こちらは純粋の木造建築で規模も小さく可愛らしい。

さらに町の方に戻って大曽教会へ。

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1879年に現在より少し西に木造で建てられたが、1916年に現在のものになった。煉瓦造りで煉瓦は早岐から仕入れ、ステンドグラスはドイツ製。

14時近くなってしまい開いている店もなかなか見つからなかったが、ショッピングセンター内の食堂が営業中だったので五島うどんを食べる。アゴ出汁がおいしい。

旧鯛ノ浦教会へ。

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教会堂の脇には「ルルド」。いくつもの教会で見かけるが、やはり「現世利益」を求めてしまうのだろうか。

そしてすぐ近くの鯛ノ浦教会へ。

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これは1979年に「旧」の傷みが激しくなったので信徒1世帯80万円を拠出して建てられたもの。目立った産業もない漁村で教会建設に大金を出すというのは、どんな事情だったのだろうか。信仰の強さか、村の人間関係のからくる圧力か、教会からの指示か。

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小さな入り江に面して建つ中ノ浦教会。「五島崩れ」という激しい弾圧を経験した信徒たちが五島で一番美しい教会を建てたいと願ったものだそうだ。海面に映った姿はさらに美しいだろう。

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今日はさざ波ではっきりと映ってはいない。

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福見教会。煉瓦造りの外壁で、内部にはステンドグラスが左右に張りつめられている。この地域は住民の98%がキリスト教徒とのこと。

これで中通島の教会巡りを終える。小さな島で、総人口2万人足らずなのに30もの教会が島中に点在していて、おそらくほとんどが曲がりなりにも現役。もちろんほとんどは巡回司祭によるミサなのだろうが、この密度は驚くべきものだ。車のなかった時代に信徒にとっては集落ごとにでも必要なものだったのだろうが。

奈良尾港の手前でレンタカーを返却し、港まで送ってもらう。

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30分ほど待って、17時05分発のジェットフォイルで長崎港へ。他の港からやって来たもので、船内は結構混んでいる。定刻18時20分に到着。駐車場から車を出して、今夜の宿リッチモンドホテル長崎思案橋へ。19時にチェックインし、すぐに夕食をとりに卓袱料理の店「浜勝」へ。予約なしでも入れるのはここぐらい。

卓袱料理20190329

卓袱料理とは中国料理や西欧料理が日本化した宴会料理で、長崎発祥の大皿に盛られたコース料理。二人で食べるようなものではないようだが、ここは一人分でも用意してくれる。その分、本来とは少し違ってしまうだろうが。味はまずまずといったところ。

ちょっとだけ繁華街を歩いてからホテルに戻る。

Andrés国内旅行8時半にレンタカー会社の人が迎えに来るので、私達としては早めの7時15分から朝食。 食後、荷物を持ってロビーに下り、チェックアウトを済ませて少し待つとレンタカー屋さんがやってくる。車に乗り営業所までほんの数分。手続きを済ませ軽自動車で出発。まず有川港のターミナルに行き、五島旅行パックについてきた「しまとく通貨」引換券の手続きをする。スマートフォンにアプリを入れて使う仕組み。 頭ヶ島集落と教会に行く。そこには一般車乗り入れが禁止されていて、上五島空港でシャトルバスに乗り換える必要がある。空港は現在は定期的には使われていない。 バスの乗客は10人ほど。 バスを降りて小さな集落を抜けた先に頭ヶ島教会がある。 1919年に完成したもので、建設資金が乏しかったため、近在の砂岩を積んだもの。外見は武骨だが、内部は花の飾りなどで優しく柔らかい雰囲気に仕上げられている。 ここは病人の療養地だったため人が近づかず、絶好の隠れ里と考えて外海から潜伏キリシタンが移住してきた集落。解禁後はカトリックに復帰して教会を建てた。ここも過疎化が進んでいるが、集落自体も世界遺産に指定された。どう維持していくのだろう。 空港に戻り、元のターミナルビルの中にある展示を見る。あまり充実していない。 レンタカーに乗って島の北部に向かう。 江袋教会。2007年に火災に遭ったが、骨組みや外壁が残り、実測図面もあったので正確に復元できたとのこと。 小さな集落にある教会だが、現役だ。しかもこの細長い半島のさらに先にはまだ3つの教会がある。 ここから引き返し、青砂ヶ浦教会へ。 煉瓦造りで、その後の煉瓦造り教会の出発点となったもの。国の重要文化財。 小さな湾をぐるりと回って冷水教会へ。 こちらは純粋の木造建築で規模も小さく可愛らしい。 さらに町の方に戻って大曽教会へ。 1879年に現在より少し西に木造で建てられたが、1916年に現在のものになった。煉瓦造りで煉瓦は早岐から仕入れ、ステンドグラスはドイツ製。 14時近くなってしまい開いている店もなかなか見つからなかったが、ショッピングセンター内の食堂が営業中だったので五島うどんを食べる。アゴ出汁がおいしい。 旧鯛ノ浦教会へ。 教会堂の脇には「ルルド」。いくつもの教会で見かけるが、やはり「現世利益」を求めてしまうのだろうか。 そしてすぐ近くの鯛ノ浦教会へ。 これは1979年に「旧」の傷みが激しくなったので信徒1世帯80万円を拠出して建てられたもの。目立った産業もない漁村で教会建設に大金を出すというのは、どんな事情だったのだろうか。信仰の強さか、村の人間関係のからくる圧力か、教会からの指示か。 小さな入り江に面して建つ中ノ浦教会。「五島崩れ」という激しい弾圧を経験した信徒たちが五島で一番美しい教会を建てたいと願ったものだそうだ。海面に映った姿はさらに美しいだろう。 今日はさざ波ではっきりと映ってはいない。 福見教会。煉瓦造りの外壁で、内部にはステンドグラスが左右に張りつめられている。この地域は住民の98%がキリスト教徒とのこと。 これで中通島の教会巡りを終える。小さな島で、総人口2万人足らずなのに30もの教会が島中に点在していて、おそらくほとんどが曲がりなりにも現役。もちろんほとんどは巡回司祭によるミサなのだろうが、この密度は驚くべきものだ。車のなかった時代に信徒にとっては集落ごとにでも必要なものだったのだろうが。 奈良尾港の手前でレンタカーを返却し、港まで送ってもらう。 30分ほど待って、17時05分発のジェットフォイルで長崎港へ。他の港からやって来たもので、船内は結構混んでいる。定刻18時20分に到着。駐車場から車を出して、今夜の宿リッチモンドホテル長崎思案橋へ。19時にチェックインし、すぐに夕食をとりに卓袱料理の店「浜勝」へ。予約なしでも入れるのはここぐらい。 卓袱料理とは中国料理や西欧料理が日本化した宴会料理で、長崎発祥の大皿に盛られたコース料理。二人で食べるようなものではないようだが、ここは一人分でも用意してくれる。その分、本来とは少し違ってしまうだろうが。味はまずまずといったところ。 ちょっとだけ繁華街を歩いてからホテルに戻る。退職者夫婦の旅と日常(スペイン・旅・留学・巡礼・映画・思索・本・・・)