朝食はホテルで。質は良いのだが、なぜか料理を出すテンポが速く、食器を下げるのも早めで、何となく急かされている感じがする。ビジネスホテルではないのだから、客が急いでいるそぶりを見せない限り、ゆったりと給仕をしてほしい。

チェックアウトして、近くの「カトリック雲仙教会」に寄る。1981年に雲仙の殉教者を讃えるとともに、ローマ法王が長崎に訪れたのを記念して建てられた教会。修理中で足場に覆われ、中にも入れなかったが、雲仙の小さな町に似つかわしくないほど立派な外観だった。毎日曜日にミサが行われるとの掲示がある。

「有馬キリシタン遺産記念館」へ。原城跡のある南島原市がキリスト教弾圧に至った経過や島原・天草一揆の状況を説明するために造った博物館。キリシタン大名有馬晴信の業績やセミナリヨの教育内容などの展示。島原・天草一揆の経過や原城跡からの出土品の展示。展示の量はそんなに多くないが、1時間半も見てしまった。

原城跡は駐車場から少し歩くし、見学に時間もかかりそうなので、昼食を済ませてから行くことにする。しかし地図で調べた店は閉まっており、通りかかりに見つけたいくつかの飲食店もすべて閉まっているので、コンビニで弁当やサンドウィッチを買い、店内で食べる。

駐車場から原城跡に歩く。ジャガイモ畑が広がる丘の道。発掘していくらかは復元されているとはいえ、幕府によって徹底的に破壊されたものなので、説明板がなければ単なる荒れ地か丘陵地にしか見えない。案内所でVR用のタブレットを借りて本丸跡を見て回ると、いくらか昔日の状況が理解できる。

帰りにタブレットを返した際に、案内係の男性が原城のこと、キリシタンのこと、有馬家のことなどをいろいろと話してくれた。原城で殺されたのはキリシタンだけではないし、信仰だけで一揆勢が戦ったわけでもない。またキリシタン弾圧が美化されている一方、有馬晴信などによる仏教弾圧は語られることが少ない。といったような話で、美少年天草四郎の悲劇というような空疎な英雄譚にならないのが良かった。

「日野江城跡」へ細い山道を走って至る。車1台がやっと通れるような細い道で、終点の「日野江城跡」は草に覆われて、それと示されなければ城跡とも思えない。有馬晴信の城でキリシタンになり南蛮貿易で力をつけたころのもの。

そこから里に下ったところに「有馬のセミナリヨ跡」がある。ここにあったことを示す石碑などがあるだけだが。

島原に移動してホテルにチェックインし、町中に出かけてみる。「鯉の泳ぐ町」とされ、道の脇などに水量豊かな湧水が流れていて、大きな鯉が無数に泳いでいる。「四明荘」に入ってみると、老婦人がお茶を供してくれていろいろと話してくれる。ここでは湧水があちこちに出ていて水道はいらないが、湧水を街中に流していて水質を維持するために下水の設備は別に整えてあるので下水道料金は払うそうだ。

また庭や床下にも湧水があるので家を建てるのは大変だとのこと。庭に出てみると確かに池以外の場所も大雨の後のようになっていた。

ホテルに戻って夕食。和食で、島原名物の「具雑煮」も供される。具だくさんの雑煮だそうで、確かに具がいっぱい。味も良かった。

ここの温泉は炭酸泉とアルカリ泉。炭酸泉は温度が低く、普通の水道水よりほんの少し温度が高い程度。炭酸泉はしばらく入っていると体表にいくらか泡がつく程度なので「強炭酸」と書いてはあるが、炭酸水のようなわけにはいかないようだ。夕食会場の客は少なかったが、風呂場には10人近い客が入っていて、久しぶりに混雑を感じた。

/images/2020/10/20201028_134853_001-1024x576.jpg/images/2020/10/20201028_134853_001-150x150.jpgAndrés国内旅行朝食はホテルで。質は良いのだが、なぜか料理を出すテンポが速く、食器を下げるのも早めで、何となく急かされている感じがする。ビジネスホテルではないのだから、客が急いでいるそぶりを見せない限り、ゆったりと給仕をしてほしい。 チェックアウトして、近くの「カトリック雲仙教会」に寄る。1981年に雲仙の殉教者を讃えるとともに、ローマ法王が長崎に訪れたのを記念して建てられた教会。修理中で足場に覆われ、中にも入れなかったが、雲仙の小さな町に似つかわしくないほど立派な外観だった。毎日曜日にミサが行われるとの掲示がある。 「有馬キリシタン遺産記念館」へ。原城跡のある南島原市がキリスト教弾圧に至った経過や島原・天草一揆の状況を説明するために造った博物館。キリシタン大名有馬晴信の業績やセミナリヨの教育内容などの展示。島原・天草一揆の経過や原城跡からの出土品の展示。展示の量はそんなに多くないが、1時間半も見てしまった。 原城跡は駐車場から少し歩くし、見学に時間もかかりそうなので、昼食を済ませてから行くことにする。しかし地図で調べた店は閉まっており、通りかかりに見つけたいくつかの飲食店もすべて閉まっているので、コンビニで弁当やサンドウィッチを買い、店内で食べる。 駐車場から原城跡に歩く。ジャガイモ畑が広がる丘の道。発掘していくらかは復元されているとはいえ、幕府によって徹底的に破壊されたものなので、説明板がなければ単なる荒れ地か丘陵地にしか見えない。案内所でVR用のタブレットを借りて本丸跡を見て回ると、いくらか昔日の状況が理解できる。 帰りにタブレットを返した際に、案内係の男性が原城のこと、キリシタンのこと、有馬家のことなどをいろいろと話してくれた。原城で殺されたのはキリシタンだけではないし、信仰だけで一揆勢が戦ったわけでもない。またキリシタン弾圧が美化されている一方、有馬晴信などによる仏教弾圧は語られることが少ない。といったような話で、美少年天草四郎の悲劇というような空疎な英雄譚にならないのが良かった。 「日野江城跡」へ細い山道を走って至る。車1台がやっと通れるような細い道で、終点の「日野江城跡」は草に覆われて、それと示されなければ城跡とも思えない。有馬晴信の城でキリシタンになり南蛮貿易で力をつけたころのもの。 そこから里に下ったところに「有馬のセミナリヨ跡」がある。ここにあったことを示す石碑などがあるだけだが。 島原に移動してホテルにチェックインし、町中に出かけてみる。「鯉の泳ぐ町」とされ、道の脇などに水量豊かな湧水が流れていて、大きな鯉が無数に泳いでいる。「四明荘」に入ってみると、老婦人がお茶を供してくれていろいろと話してくれる。ここでは湧水があちこちに出ていて水道はいらないが、湧水を街中に流していて水質を維持するために下水の設備は別に整えてあるので下水道料金は払うそうだ。 また庭や床下にも湧水があるので家を建てるのは大変だとのこと。庭に出てみると確かに池以外の場所も大雨の後のようになっていた。 ホテルに戻って夕食。和食で、島原名物の「具雑煮」も供される。具だくさんの雑煮だそうで、確かに具がいっぱい。味も良かった。 ここの温泉は炭酸泉とアルカリ泉。炭酸泉は温度が低く、普通の水道水よりほんの少し温度が高い程度。炭酸泉はしばらく入っていると体表にいくらか泡がつく程度なので「強炭酸」と書いてはあるが、炭酸水のようなわけにはいかないようだ。夕食会場の客は少なかったが、風呂場には10人近い客が入っていて、久しぶりに混雑を感じた。退職者夫婦の旅と日常(スペイン・旅・留学・巡礼・映画・思索・本・・・)