アーカイブ: 文化・芸術 - ページ 5
「路上の人」堀田善衛
13世紀のヨーロッパを舞台に、浮浪者のヨナ・デ・ロッタが英国公使一行、法王の密命でトレドへ向かった僧、さらには法王付大秘書官の伯爵などにつき従って旅する。その中で修道院の腐敗、修行僧のような生き方をす…
「二十歳の戦争―ある知識人のスペイン内戦回想録」ミケル・シグアン
1936年7月にはじまったスペイン戦争。当時大学生だった著者は翌年末に共和国軍に入隊する。当時では特権的知識階級だった大学生は、士官学校に入る、あるいは後方部隊で活動するといった道もあったが、著者はそ…
「女の一生 一部・キクの場合」・「女の一生 二部・サチ子の場合」遠藤周作
一部は浦上の農家の娘キクと浦上四番崩れで流刑にあった清吉を中心に、幕末から明治にかけてのキリシタン弾圧を舞台に描かれた小説。キクは津和野に流された清吉のために、キリシタンでもないのに清吉が信じた相手だ…
「ペルソナ・ノン・グラータ」ホルヘ・エドワーズ
副題「カストロにキューバを追われたチリ人作家」 1970年12月から翌年3月までチリの代理公使としてキューバに駐在した著者が、赴任終了直後に書いたノンフィクション。 1970年9月にチリでは民主的選挙…
「ドン・キホーテ」セルバンテス
「積読」状態になっている本に手を付けようと考え、「ドン・キホーテ」を読み始めた。 40年以上前に岩波文庫版を読みかけたことがあったが、訳注が多くて読みにくく、途中で挫折。 今回は荻内勝之訳で、注もなく…
「ペスト」アルベール・カミュ
新型コロナウイルス蔓延によって書店の平棚に積まれたカミュの「ペスト」を目にして、再読してみた。書棚の片隅に新潮文庫の「ペスト」が2冊並んでいた。私と配偶者が、それぞれに学生時代、奥付からするとおそらく…
映画「家族を想うとき」
原題 Sorry We Missed You 2019年 イギリス・フランス・ベルギー合作 監督 ケン・ローチ 舞台は現在のイギリス。リーマンショックで自宅を手放しローンだけが残った家族。父はマイ…
映画「2人のローマ教皇」
原題 The Two Popes 2019年 イギリス・イタリア・アルゼンチン・アメリカ合作 監督 フェルナンド・メイレレス 辞任した前ローマ教皇ベネディクト16世(ラッツィンガー枢機卿)と、現教…
高橋たか子『巡礼地に立つ フランスにて』
高橋たか子の著書を読むのは2冊目。1冊目は「高橋和巳の思い出」だが特に印象に残っていない。今回のは2004年に書かれたもの。彼女に何があったのか詳しくは知らないが、この作品の出来はあまりにもひどい。内…
映画「スペインは呼んでいる」
イギリスのショービジネス界で活躍する2人の男がグルメ取材でスペインを縦断するという設定の作品。イギリスからフェリーでサンタンデールに渡り、マラガまで移動する。グルメ取材なので食事の場面が多いのは当然だ…