宿で朝食後、すぐ近くの「王の広場」へ。1980-08-23 Barcelona Plaza del Reiここは新大陸を発見して戻って来たコロンブスがイサベル女王にそれを報告した所。建物に囲まれた小さな広場で、報告の行なわれた階段もそのまま残っている。カタロニアの現代美術展をやっている。目ぼしい作品はない。この建物の中を歩いて行くと、自然と市の歴史博物館に入る。実はこの美術展をやっている建物に入った所が、私達の泊まった部屋から見えた所なのだ。夜遅くまで警官らしい男が2~3人うろうろしているのが毎晩見えた。歴史博物館にはバルセローナの古い遺物類(中世中心)が展示されているが、市民戦争関係は全く皆無。1980-08-24 Barcelona 歴史博物館地下遺跡地下がローマ時代の遺跡。これは他の場所から移したものではなく、この地下で発掘されたもの。それ程規模も大きくはなく、崩れ方も結構激しいが、土器類も残っている。

博物館を出てからオスタルを探しながらランブラスの方へ歩いて行く。それまで泊まったオスタルは、部屋は良いのだがシャワーがなく、しかも共用のシャワーが何となく薄汚れていて嫌だったので、変わることにしたのだ。ハイメ1世通りを歩いて行くと、なかなか見付からなかったが、ランブラスの少し手前で良さそうなのを見付ける。オスタル・カリフォルニア。部屋を見せてもらうが、シャワー室が付いている方は窓が小さくて暑そうなのでやめ、シャワー場がカーテンで仕切られているだけの部屋の方に決める。荷物は夕方持って来ることにして、1000ペセタ(一泊分)を先払いする。

ランブラスをコロンブス記念柱まで歩き、(約10分程)地下鉄でサグラダ・ファミリアへ。

1980-08-24 Barcelona サグラダ・ファミリア入口地下鉄の駅を出るとすぐ。写真で見ていた程の怪物的異様さはない。それどころか、一つ一つの壁面等を飾る装飾の異様な形にもかかわらず、それが全体としてはある種の調和を示しているようにも思えてくる。

1980-08-24 Barcelona サグラダ・ファミリア塔のタイル模様エレベーターで塔に上る。そこからは塔のすぐ外の装飾が手で触れる程近くに見られる。近くで見ると早くも壊れて剥がれ落ちている部分もある。と言っても建築を始めてもう100年も経っているのだから、崩れる部分があっても仕方がないのだが。それにしても完成までにあと200年はかかるということで、感覚的に理解出来ない。エレベーターで上った所から、階段で更に上まで上る。頂上までは行けないようになっている。

下をのぞくと背筋がゾクゾクする。四本の塔が並んでいて、空中の渡り廊下で結ばれている。

1980-08-24 Barcelona サグラダ・ファミリア塔の内部で上を見上げるそれを次々に移動しながら歩いて下に下りて行く。それにしてもここも一番上の所では小便臭い。下には地下になった所に、一箇所は完成想像模型。石膏で造ってあり、その側には部分的に石膏で試作した模型などもある。こうした建築の場合、設計図だけではどう仕様もないのだろう。放物線を描いた塔も、その放物線だけならば設計図ですむだろうが、付属する装飾等は設計図には描けない。もう一箇所はガウディに関する資料等を集めてあり、福岡で開かれたガウディ展の模様や美術手帳のガウディ特集なども展示してある。

1980-08-24 Barcelona サグラダ・ファミリア塔上から工事現場を建築途中だから当然のことだが、中庭は作業場で資材や石が置いてあり、私達が上ったのとは反対側の塔の近くにはクレーンが立っている。日曜日だからか、作業員の姿は見られなかったが。

サグラダ・ファミリアを出ると、時間だったので近くで見付けたセルフサービスのレストランで昼食。あまり旨くない。

地図を見て、降りてから少し歩きそうだが一番近い所まで地下鉄で行こうと思い、乗ってグエル公園に向かう。ところが乗り換え駅で降りて、次の路線に乗ろうとしてもホームへの入口が分からない。やっと入口を見付けても、通行止になっている。うろうろしながら駅員に聞くと、バスで行くようにとのこと。路線図には載っているのに何かの都合で代替バスになっている模様。地上に出て探すと「メトロ」と書いたバス停がある。終点で降りるがそこからが又分からない。大体の方向は見当がついたので、そちらへ向かって歩きはじめる。前方に旅行者らしい二人連れが歩いているので、たぶん彼らもグエル公園に向かっているのだと思い、少し離れてついて行く。この辺りには他に見るべきものもないので。案の定、彼らは途中で道を尋ね(二階テラスのオジサンに)たりしているので、これは確かだと思って行くと、やはりグエル公園に出た。

1980-08-24 Barcelona グエル公園守衛小屋を見下ろすグエル公園は思っていたよりもずっと広い。

1980-08-24 Barcelona グエル公園のベンチ中心の広場を囲む曲がりくねったベンチや、崖の部分に斜めの柱で支えた天井と斜めの壁を持つ回廊などは写真で知っていたが、他にもいかにもガウディらしい建物(何に使われているのかは分からない。

1980-08-24 Barcelona グエル公園のドラゴン噴水あるいはガウディに関する資料館だろうか)、階段の途中で水を口から流し出しているワニのような動物。

1980-08-24 Barcelona グエル公園のギリシア列柱そして広場は、これの全体がギリシア風の列柱で支えられているのだ。広場のベンチはタイル貼りで、割れて捨ててあるタイルを持って来て適当に貼り付けたような感じ。座り心地は大変良い。

1980-08-24 Barcelona グエル公園の木々回廊の斜めの列柱は広場側の三本だけが女性など意味のある形をしており、他は無秩序のよう。広場を見下ろすカフェで休んだ後、又公園内を歩き回る。上の方には林が広がり、下の方には花園などもあり、ごく普通の公園。又ここでもガウディ的な個々の異様な形態の築造物が全体に調和している。それがやはりガウディの天才なのだろう。

書き忘れていたが、昨日ランブラスから少し入った所にあるグエル邸を見たが(と言っても中には入れなかった)、そこは今も実際に使われており、近隣の建物と全く変わらない。ただ壁にいくらか見られる装飾と、屋上の物体が「ガウディ」を示している。

公園を出てすぐのバス停から24番のバスに乗ってカタルーニャ広場へ戻る。ミロ美術館を見るつもりだったが疲れがひどく、時間も少ないのでやめる。宿に行って預けてあった荷物を取り、新しい宿オスタル・カリフォルニアに行く。部屋に入って少し休憩。

夕食を摂りに出るが、ランブラスには適当なのがないので脇道に入る。いつの間にかチーノ地区で、街が暗く少しこわいような雰囲気。結局チーノ地区を通り過ぎて大通りに出たところでレストランに入り、食事。又別の道だがやはりチーノ地区を通って宿に掃る。

宿に帰り、宿の人にレンタカー会社の場所を尋ねてみる。昼間歩きながら探してみたが、見付からなかったもの。すると宿の人は私達が名前も知らなかった会社を紹介してくれ、電話を掛けてくれる。しかし夜遅いため電話が通じないので、明朝掛けてくれることになる。

Andrésスペイン旅行宿で朝食後、すぐ近くの「王の広場」へ。ここは新大陸を発見して戻って来たコロンブスがイサベル女王にそれを報告した所。建物に囲まれた小さな広場で、報告の行なわれた階段もそのまま残っている。カタロニアの現代美術展をやっている。目ぼしい作品はない。この建物の中を歩いて行くと、自然と市の歴史博物館に入る。実はこの美術展をやっている建物に入った所が、私達の泊まった部屋から見えた所なのだ。夜遅くまで警官らしい男が2~3人うろうろしているのが毎晩見えた。歴史博物館にはバルセローナの古い遺物類(中世中心)が展示されているが、市民戦争関係は全く皆無。地下がローマ時代の遺跡。これは他の場所から移したものではなく、この地下で発掘されたもの。それ程規模も大きくはなく、崩れ方も結構激しいが、土器類も残っている。博物館を出てからオスタルを探しながらランブラスの方へ歩いて行く。それまで泊まったオスタルは、部屋は良いのだがシャワーがなく、しかも共用のシャワーが何となく薄汚れていて嫌だったので、変わることにしたのだ。ハイメ1世通りを歩いて行くと、なかなか見付からなかったが、ランブラスの少し手前で良さそうなのを見付ける。オスタル・カリフォルニア。部屋を見せてもらうが、シャワー室が付いている方は窓が小さくて暑そうなのでやめ、シャワー場がカーテンで仕切られているだけの部屋の方に決める。荷物は夕方持って来ることにして、1000ペセタ(一泊分)を先払いする。ランブラスをコロンブス記念柱まで歩き、(約10分程)地下鉄でサグラダ・ファミリアへ。地下鉄の駅を出るとすぐ。写真で見ていた程の怪物的異様さはない。それどころか、一つ一つの壁面等を飾る装飾の異様な形にもかかわらず、それが全体としてはある種の調和を示しているようにも思えてくる。エレベーターで塔に上る。そこからは塔のすぐ外の装飾が手で触れる程近くに見られる。近くで見ると早くも壊れて剥がれ落ちている部分もある。と言っても建築を始めてもう100年も経っているのだから、崩れる部分があっても仕方がないのだが。それにしても完成までにあと200年はかかるということで、感覚的に理解出来ない。エレベーターで上った所から、階段で更に上まで上る。頂上までは行けないようになっている。下をのぞくと背筋がゾクゾクする。四本の塔が並んでいて、空中の渡り廊下で結ばれている。それを次々に移動しながら歩いて下に下りて行く。それにしてもここも一番上の所では小便臭い。下には地下になった所に、一箇所は完成想像模型。石膏で造ってあり、その側には部分的に石膏で試作した模型などもある。こうした建築の場合、設計図だけではどう仕様もないのだろう。放物線を描いた塔も、その放物線だけならば設計図ですむだろうが、付属する装飾等は設計図には描けない。もう一箇所はガウディに関する資料等を集めてあり、福岡で開かれたガウディ展の模様や美術手帳のガウディ特集なども展示してある。建築途中だから当然のことだが、中庭は作業場で資材や石が置いてあり、私達が上ったのとは反対側の塔の近くにはクレーンが立っている。日曜日だからか、作業員の姿は見られなかったが。サグラダ・ファミリアを出ると、時間だったので近くで見付けたセルフサービスのレストランで昼食。あまり旨くない。地図を見て、降りてから少し歩きそうだが一番近い所まで地下鉄で行こうと思い、乗ってグエル公園に向かう。ところが乗り換え駅で降りて、次の路線に乗ろうとしてもホームへの入口が分からない。やっと入口を見付けても、通行止になっている。うろうろしながら駅員に聞くと、バスで行くようにとのこと。路線図には載っているのに何かの都合で代替バスになっている模様。地上に出て探すと「メトロ」と書いたバス停がある。終点で降りるがそこからが又分からない。大体の方向は見当がついたので、そちらへ向かって歩きはじめる。前方に旅行者らしい二人連れが歩いているので、たぶん彼らもグエル公園に向かっているのだと思い、少し離れてついて行く。この辺りには他に見るべきものもないので。案の定、彼らは途中で道を尋ね(二階テラスのオジサンに)たりしているので、これは確かだと思って行くと、やはりグエル公園に出た。グエル公園は思っていたよりもずっと広い。中心の広場を囲む曲がりくねったベンチや、崖の部分に斜めの柱で支えた天井と斜めの壁を持つ回廊などは写真で知っていたが、他にもいかにもガウディらしい建物(何に使われているのかは分からない。あるいはガウディに関する資料館だろうか)、階段の途中で水を口から流し出しているワニのような動物。そして広場は、これの全体がギリシア風の列柱で支えられているのだ。広場のベンチはタイル貼りで、割れて捨ててあるタイルを持って来て適当に貼り付けたような感じ。座り心地は大変良い。回廊の斜めの列柱は広場側の三本だけが女性など意味のある形をしており、他は無秩序のよう。広場を見下ろすカフェで休んだ後、又公園内を歩き回る。上の方には林が広がり、下の方には花園などもあり、ごく普通の公園。又ここでもガウディ的な個々の異様な形態の築造物が全体に調和している。それがやはりガウディの天才なのだろう。書き忘れていたが、昨日ランブラスから少し入った所にあるグエル邸を見たが(と言っても中には入れなかった)、そこは今も実際に使われており、近隣の建物と全く変わらない。ただ壁にいくらか見られる装飾と、屋上の物体が「ガウディ」を示している。公園を出てすぐのバス停から24番のバスに乗ってカタルーニャ広場へ戻る。ミロ美術館を見るつもりだったが疲れがひどく、時間も少ないのでやめる。宿に行って預けてあった荷物を取り、新しい宿オスタル・カリフォルニアに行く。部屋に入って少し休憩。夕食を摂りに出るが、ランブラスには適当なのがないので脇道に入る。いつの間にかチーノ地区で、街が暗く少しこわいような雰囲気。結局チーノ地区を通り過ぎて大通りに出たところでレストランに入り、食事。又別の道だがやはりチーノ地区を通って宿に掃る。宿に帰り、宿の人にレンタカー会社の場所を尋ねてみる。昼間歩きながら探してみたが、見付からなかったもの。すると宿の人は私達が名前も知らなかった会社を紹介してくれ、電話を掛けてくれる。しかし夜遅いため電話が通じないので、明朝掛けてくれることになる。退職者夫婦の旅と日常(スペイン・旅・留学・巡礼・映画・思索・本・・・)