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竹下節子『キリスト教は「宗教」ではない』中公新書ラクレ
本書の帯には、次のように記されている。 「生き方マニュアル」として誕生した教えが「宗教」として制度化する中で変質しつつも近代普遍主義理念にたどりついた過程を激動の世界史から読み解く イエ…
原田マハ「たゆたえども沈まず」幻冬舎
原田マハの画家シリーズとも言うべき作品の一つ。この作品はゴッホを題材としたもの。パリで浮世絵を主に扱う画商の日本人二人と、ゴッホとその弟を主な登場人物として、ゴッホを支え振り回される弟の動きを通してゴ…
アンドレス・バルバ「きらめく共和国」東京創元社
1994年、アマゾンを思わせるジャングルの中の茶色の川沿いの町サン・クリストバルが舞台。理解できない言葉を話す子どもたちがどこからともなく現れ、物乞いや盗みで人々を次第に不安にさせ、ついにスーパーを襲…
竹下節子「渡り鳥の見たキリスト教」
竹下節子の著作はこれまでに10冊ほど読んできて、カトリック信者だろうとは推測しつつも必要を感じなかったため確認せずにきた。この書の帯には「バロック音楽演奏家」と記されているが、これも間違ではないが、各…
クロード・レヴィ・ストロース「悲しき熱帯」 中公クラシックス
文化人類学者レヴィ・ストロースが1930年代にブラジルを旅行し滞在した記録であり、構造主義のバイブルとされている著作。第一部の表題は「旅の終わり」、その第一章は「出発」、書き出しは「私は旅や探検家が嫌…
梨木香歩「村田エフェンディ滞土録」角川文庫
2004年に単行本として刊行されたもの。 不思議な作品だ。 主な舞台は1899年のトルコ、イスタンブール(本作品内ではスタンブール)。考古学研究で留学中の村田が下宿先の同居人であるドイツ人、ギリシア人…
村上春樹「1Q84」新潮文庫
単行本は2009年から2010年にかけて刊行。 文庫で全6冊という長編だが、すっと読み通せ、読み終えて残ったのは既視感だった。村上春樹の多くの作品に触れてきたが、「1Q84」はこれまでの作品のあれこれ…
「国体論 菊と星条旗」白井聡
「永続敗戦論」に続く白井聡の著作。明治維新から現在までの日本の歴史を、戦前と戦後で繰り返された「国体」の変遷としてとらえたもの。戦前の天皇の位置を戦後は米国が取って代わったととらえており、確かにその視…
「路上の人」堀田善衛
13世紀のヨーロッパを舞台に、浮浪者のヨナ・デ・ロッタが英国公使一行、法王の密命でトレドへ向かった僧、さらには法王付大秘書官の伯爵などにつき従って旅する。その中で修道院の腐敗、修行僧のような生き方をす…
「二十歳の戦争―ある知識人のスペイン内戦回想録」ミケル・シグアン
1936年7月にはじまったスペイン戦争。当時大学生だった著者は翌年末に共和国軍に入隊する。当時では特権的知識階級だった大学生は、士官学校に入る、あるいは後方部隊で活動するといった道もあったが、著者はそ…